- 著者
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山口 直彦
管村 昇
- 出版者
- 情報処理学会
- 雑誌
- 研究報告 音楽情報科学(MUS) (ISSN:21862583)
- 巻号頁・発行日
- vol.2011, no.10, pp.1-6, 2011-02-04
既存の音楽理論を計算機科学の立場からとらえなおし,理論化しなおそうとする 「計算論的音楽理論」 の研究が進められてきたが,これらはいずれもクラシック音楽理論を中心に考えられてきた.ジャズ音楽理論に基づいて作曲された楽曲が数多く流通する昨今,ジャズ音楽理論を計算論的音楽理論として再構築する試みが必要であると考えられる.そこで筆者は F.Lerdahl の提唱した TPS(Tonal Pitch Space) に着目した.TPS は和声学の知識を和声間距離という概念を用いて定式化し,計算機上に実装できるようにした興味深い理論である.しかしながら TPS もまたクラシック音楽理論を基礎としており,そのままではジャズ音楽理論が扱う複雑な和音に対応することができない.本発表では、TPS を拡張する形で,ジャズ音楽理論を計算論的音楽理論として記述する手法を提案する。Reconstruction of "Music Theory", namely from traditional music theory to computational music theory, has become important in recent years. However these theories are based on classical music. Nowadays, popular music are composed using jazz music theory. Reconstructing computational music theory from jazz music theory is required. In this paper, computational music theory from jazz music theory, by extending TPS(Tonal Pitch Space) proposed by F.Lerdahl, is described.