著者
内田 博之 小林 瑞希 細渕 亜実 太田 彩乃 大竹 一男 八巻 努 内田 昌希 小田切 陽一 夏目 秀視 小林 順
出版者
日本衛生学会
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.215-224, 2014 (Released:2014-09-24)
参考文献数
55
被引用文献数
1 9

Objectives: We aimed to determine the effects of age, period, and birth cohort on cervical cancer mortality rate trends in Japanese women, by age-period-cohort (APC) analysis. Additionally, we analyzed projected mortality rates. Methods: We obtained data on the number of cervical cancer deaths in Japanese women from 1975–2011 from the national vital statistics and census population data. A cohort table of mortality rate data was analyzed on the basis of a Bayesian APC model. We also projected the mortality rates for the 2012–2031 period. Results: The period effect was relatively limited, compared with the age and cohort effects. The age effect increased suddenly from 25–29 to 45–49 years of age and gently increased thereafter. An analysis of the cohort effect on mortality rate trends revealed a steep decreasing slope for birth cohorts born from 1908–1940 and a subsequent sudden increase after 1945. The mortality rate projections indicated increasing trends from 40 to 74 years of age until the year 2031. Conclusions: The age effect increased from 25–29 years of age. This could be attributable to the high human papilloma virus (HPV) infection risk and the low cervical cancer screening rate. The cohort effect changed from decreasing to increasing after the early 1940s. This might be attributable to the spread of cervical cancer screening and treatment before 1940 and the high HPV infection risk and reduced cervical cancer screening rate after 1945. The projected mortality rate indicated an increasing trend until the year 2031.
著者
小林 瑞樹 林 優一 本間 尚文 水木 敬明 青木 孝文 曽根 秀昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.266, pp.11-15, 2014-10-16

これまで意図的な電磁妨害については,注入する妨害波の周波数とその強度のみに着目しており,妨害波を注入するタイミングについては十分な検討が行われていない.これに対し,本稿では,タイミングを制御した数V程度の妨害波を注入し,機器内部で特定処理が実行されたタイミングで電磁妨害を行った場合,機器に発生する故障について検討する.本検討では,機器の内部で実行される処理として暗号処理に着目し,その処理に応じて機器外部に伝搬するコモンモード電流を観測することで妨害電磁波を印加するタイミングを取得し,これを基に数百MHz程度の正弦波を数V程度の強度で電源ケーブル上に印加する.実験では,評価対象機器の内部に実装された暗号モジュールにおいて暗号処理を実行し,機器に接続された電源ケーブルから暗号処理に応じて発生するコモンモード電流をカレントプローブにより観測する.この様にして得られたコモンモード電流をトリガ信号として用い,妨害波を注入するタイミングを制御する.上述の手法を用いて意図的な電磁妨害を行った結果,暗号処理が実行されるタイミングにおいて高い確率で故障が発生することを確認した.また,故障により生ずる誤り出力から,暗号化に用いる秘密鍵が漏えいすることも確認した.
著者
森下 哲夫 小林 瑞穂
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.79-88, 1954

我々はさきの報告に於て蛔虫を海〓に多数感染させて, 1週以後に蛔虫の幼虫及び成虫から得た抗元を以て, 罹患海〓に皮内反応を実施し特異な成績を得た.しかもこの反応は蛔虫の種類(人, 豚及び犬に)関係なく陽性であるが, 鉤虫抗元に対しては蛔虫罹患海〓は皮膚反応を示さないことを知つた.その逆に犬鈎虫罹患海〓は鈎虫抗元にのみ陽性の反応を示し蛔虫抗元には反応しない.更に蛔虫及び鈎虫抗元共抗元分析の結果polysaccharide fractionは注射後30分で烈しい発赤を惹起し, 6時間位継続して消褪し, 一方protein fractionは2〜3時間後から水腫を伴つて発赤を起し72時間継続することを知つた.豚蛔虫飼養液を抗元として蛔虫罹患海〓の皮膚反応を行うと蛔虫体成分のpolysaccharide fractionに相当する反応丈を示し, protein fractionに相当する反応は全然認められなかつた.Schultz-Dale反応を罹患海〓の腸に対し施行すると蛔, 鈎虫抗元ともpolysaccharide fractionのみが腸の著しいれんしゆくを示すが, protein fractionでは反応が陰性であつた.蛔, 鈎虫共成虫と幼虫との間には共通の皮膚反応が認められ犬鈎虫の場合はfilaria型幼虫のみならずrhabditis型幼虫が成虫と同様な皮膚反応陽性成分を有するが, 卵には認められなかつた.蛔虫卵に依る抗元の場合は更に判然とした変化を認められ蛔虫卵の数を一定にして抗元を製造すると, 単細胞のものには反応が認められず桑実期迄はこの状態が続くが, 蝌蚪期に至つて多少弱いが皮膚反応が陽性になつて来る.幼虫形成の蛔虫卵では勿論成虫と同様の反応を示した.以上の様な結果に対して更に精しい抗元の性質の究明を試みたのが本報文である.
著者
大政 謙次 戸部 和夫 細見 正明 吉田 舞奈 小林 瑞穂
出版者
社団法人 環境科学会
雑誌
環境科学会誌 (ISSN:09150048)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.33-42, 2000-02-29 (Released:2010-06-28)
参考文献数
30
被引用文献数
1

0.1~0.5,uLL-1のオゾン(O3)暴露下での15種の樹木の葉面におけるO3収着速度と蒸散速度,純光合成速度の同時測定を行った。また,芝地や土壌表面等のO3収着速度も調べた。 O3を暴露した15種のいずれの樹木においても,O3収着速度,蒸散速度および純光合成速度が低下した。このことは,O3暴露に伴って気孔の閉孔が引き起こされたことを示している。また,0.5,uLL-1のO3を6時間暴露した樹木の総O3収着量およびO3暴露終了時の純光合成速度の減少割合は,いずれも,樹種間で大幅に異なる値をとった。最も大きいO3収着量を示したポプラ(2.57kmolm-2(mo1/mol)-1)は,最も小さいO3収着量を示したヤマモモの7倍以上であった。また,サンゴジュ等では,O3暴露に伴う光合成速度の減少割合が数%程度であったのに対し,ポプラとポトスでは70%程度の減少が見られた。可視障害は,暴露後,ポプラ,ケヤキ,ヤマツツジの3種の植物にのみ現れた。樹木のガス交換速度の測定結果を簡易ガス拡散モデルによって解析したところ,樹木表面での吸着・分解は少なく,樹木によるO3収着のほとんどは,葉面の気孔を介しての吸収であると推察された。 黒ボク土表面のO3収着速度は,土壌含水率の増加とともに低下した。乾燥した黒ボク土表面の単位面積あたりのO3収着速度は,最も高いO3収着能力を示したポプラの単位葉面積あたりのO3収着速度に匹敵するものであった。このことは,緑地のO3収着能力を評価するうえで,土壌表面の寄与が無視できないことを示している。 以上の結果から,都市域における公園や宅地等における植被や土壌面は,O3による大気汚染の緩和に重要な役割を果たしていることがわかった。