著者
一藤 裕 今野 将 曽根 秀昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.62, pp.43-47, 2006-05-17
参考文献数
9
被引用文献数
1

近年,プロバイダ責任制限法が施行され,コンテンツの管理者や運営者の責任が明確となり,問題行為に対する適切な処置を求められるようになった.その結果,管理者や運営者の管理負担が増大することとなった.よって,その管理負担を軽減するために,問題行為を発見を支援する手法が必要であるといえる.今回,我々は,コンテンツの中から,荒らし行為と呼ばれるコミュニケーションを阻害する問題行為が発生する電子掲示板を選択し,その荒らし行為の発見支援を目指す.具体的には,掲示板における各発言に含まれる閲覧者に心理的影響を与える単語と,他の閲覧者が興味を持った証拠であるアンカーと呼ばれる記号に着目し,それらを利用し,掲示板の雰囲気を数値化することにより評価するシステムの提案を行う.
著者
曽根 秀昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.240, pp.19-24, 2011-10-11
被引用文献数
1

東日本大震災は,インターネット基盤に依存する社会に対して災害時ディジタルディバイドを出現させ,長時間,広域にわたって情報流通を困難にした。早期に復旧できた地域では,知人の安否や被災・復旧状況を把握し,生活物資の供給情報を得られた。放送や新聞は広域な被災地の詳細情報を扱いにくく,ネット上の多様な情報から個別に検索できる効果は大きかった。その反面で,ディジタルディバイドによる生活の質の格差が現れた。平時からのディジタルディバイド解消が,災害時に生命・安全を保つ減災対策,あるいは復旧・復興の重要な鍵になる。筆者の体験に基づく大学と地域の情報通信基盤の被災の報告に併せて,この問題について述べる。
著者
小林 瑞樹 林 優一 本間 尚文 水木 敬明 青木 孝文 曽根 秀昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.266, pp.11-15, 2014-10-16

これまで意図的な電磁妨害については,注入する妨害波の周波数とその強度のみに着目しており,妨害波を注入するタイミングについては十分な検討が行われていない.これに対し,本稿では,タイミングを制御した数V程度の妨害波を注入し,機器内部で特定処理が実行されたタイミングで電磁妨害を行った場合,機器に発生する故障について検討する.本検討では,機器の内部で実行される処理として暗号処理に着目し,その処理に応じて機器外部に伝搬するコモンモード電流を観測することで妨害電磁波を印加するタイミングを取得し,これを基に数百MHz程度の正弦波を数V程度の強度で電源ケーブル上に印加する.実験では,評価対象機器の内部に実装された暗号モジュールにおいて暗号処理を実行し,機器に接続された電源ケーブルから暗号処理に応じて発生するコモンモード電流をカレントプローブにより観測する.この様にして得られたコモンモード電流をトリガ信号として用い,妨害波を注入するタイミングを制御する.上述の手法を用いて意図的な電磁妨害を行った結果,暗号処理が実行されるタイミングにおいて高い確率で故障が発生することを確認した.また,故障により生ずる誤り出力から,暗号化に用いる秘密鍵が漏えいすることも確認した.
著者
一藤 裕 今野 将 曽根 秀昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.75, pp.31-34, 2008-05-23
参考文献数
7
被引用文献数
3

インターネット上で学校または地域ごとに集まりコミュニケーションをとる学校裏サイトのような電子掲示板では,しばしば匿名性を悪用し,陰湿ないじめにつながることが多々あり社会問題となっている.これは,電子掲示板に書き込んだ発言が他者にどう影響を与えるかを知らないことが原因の一つとして考えられる.したがって,個々の発言が他者にどう影響を与えるかの指標を確立し,その影響度を発言者へ示すことができれば,問題発言の減少につながると考えられる.そこで,本稿では,電子掲示板の発言の特徴である文字と記号のみで構成されていることと,発言の長さがことなっていることに着目する.発言が短いときは,発言中の単語がその発言を象徴し,発言が長いときは,発言中の単語の組み合わせが重要であると考え,既出発言を学習させ,新たな発言が出現したとき,他者にどう影響を与えるかをベイズ理論を応用して影響度を算出する手法を提案する.単語と単語のペアの学習データをそれぞれ準備し,この手法の有効性を示す.
著者
仁科 辰夫 村松 淳司 曽根 秀昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OFS, オフィスシステム
巻号頁・発行日
vol.96, no.607, pp.1-6, 1997-03-21

東北大学では,1988年にTAINS88が,1995年に超高速キャンバスネッドワークSuper TAlNSが完成した。この先端的な情報環境が活用され成功しているのは,運用管理を担当する専門部局からの指導ではなく,一般ユーザサイドから興味を持った方々が広く参集し,活動している TAINS利用研究会による利用技術の研究開発と教育啓蒙に依るところが大きい。本稿では,TAINS利用研究会の組織とその活動の概容について述べる。
著者
篠田 悠斗 宮原 大輝 品川 和雅 水木 敬明 曽根 秀昭
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2020論文集
巻号頁・発行日
pp.1260-1266, 2020-10-19

将棋などの2人で行うボードゲームでは,ゲームを始める手番(先手・後手)によって取りやすい戦略が異なり,プレーヤーごとに得意な手番があるため,プレーヤーの希望を踏まえた上で公平に手番を決めるのが良い.しかし,取りたい手番をそのまま相手に伝えてしまうと,自身の戦略が相手に漏れてしまう.したがって,お互いに取りたい手番の情報は秘匿したまま,自分が持ちたい手番はできるだけ取れるように手番を決定できれば嬉しい.この問題は,現在一般に行われている振り駒やじゃんけんなどでは解決できない.本稿では,この問題の定式化を行い,この問題を解決する「希望に基づく秘匿先手決定プロトコル」を物理的なカード組を用いて構成する.これに加えて,問題を多人数に拡張し,希望者のみから公平かつ秘密に抽選する「隠密抽選プロトコル」も提案する.
著者
杉本 等 曽根 秀昭 高木 相
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C-II, エレクトロニクス, II-電子素子・応用 (ISSN:09151907)
巻号頁・発行日
vol.77, no.9, pp.371-376, 1994-09-25
被引用文献数
20

Agコンタクトにおける,アークと性能(接触抵抗,消耗転移)の関係の詳細を分析する目的で,毎回動作ごとのアーク継続時間と接縦抵抗を同時に測定する実験を行った.従来から,接触抵抗は,メタリック相のみで終わるアークが続けば低く安定し,ガス相まで移行するアークが続けば高くなることが筆者らの実験から知られている.本論文では,両者の関係がアークのメタリック相とガス相の両相でいかに異なるかを見るため,電流条件を2.5〜3.5Aに設定しガス相移行率を変化させ実験を行った.その結果,アーク継続時間とアーク直後の接触抵抗との間に強い相関があることを明らかにした.アークがガス相へ移行しなければ接触抵抗は40mΩ程度で安定する.ガス相へ移行するアークがあった直後に,接触抵抗は3〜40mΩ程度上昇する.ガス相へ移行するアークが更に続けば,動作ごとに3〜10mΩ程度ずつ増大し10mΩ程度まで高くなる.その後メタリック相のみで終わるアークが発生すれば,接触抵抗は100mΩ程度から動作ごと3〜10mΩ程度ずつ低下し,10回から20回続けげ40mΩ程度の低い値に安定することが明らかとなった.
著者
上田 浩 中村 素典 西村 健 古村 隆明 岡部 寿男 曽根 秀昭 ベアリー キース 牧原 功 久米原 栄
雑誌
大学ICT推進協議会2012年度年次大会論文集 (ISSN:21867127)
巻号頁・発行日
2012-12-18

大学ICT推進協議会 2012年度 年次大会 : 2012年12月17日(月)-12月19日(水) : 神戸国際会議場
著者
一藤 裕 今野 将 曽根 秀昭
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.21, pp.219-223, 2009-02-26
参考文献数
7

インターネット上で学校または地域ごとに集まりコミュニケーションをとる学校裏サイトのような電子掲示板では,匿名性などの特徴や誤解から,陰湿ないじめに発展し社会問題となっている.これは,電子掲示板に書き込んだ発言が他者にどう影響を与えるかを知らないことが原因の一つとして考えられる.そこで我々は,個々の発言が他者にどう影響を与えるかの指標を確立し,その影響度を発言者へ示すことにより発言者が問題となる発言をしないように教育を支援する手法を提案した.本稿では,以前提案した手法では対応できなかった発言に対応するため,学習データベースに登録する品詞を選択する.また,発言の長さに応じた発言の判別を行うのではなく,2つの学習データを利用して発言の判別を機械的に行う手法を提案する.Electronic bulletin board systems (BBS) have become a common communication tool on the Internet. Some people who use BBS anonymously sometimes write opinions which make other people on the BBS feel bad. This is especially true as users become younger and younger and the use of BBS on the Internet and cellular phones becomes more widespread. Users don't understand how such comments can affect readers. As a result, such negative statements sometimes lead younger users to behave inappropriately on BBS. The authors have developed an assistance tool which shows users what kind of influence their statements might have on other people on the BBS. Hopefully this will make all BBS users more aware of the effects of their words on others. This should lead to a more positive atmosphere on the BBS. To improve the accuracy of evaluation for each comment, we introduce new word class to our assistant tool. Also, we propose a new automatic evaluation method using two types of samples.
著者
一藤 裕 今野 将 曽根 秀昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.437, pp.125-128, 2010-02-22

インターネット上で学校または地域ごとに集まりコミュニケーションをとる学校裏サイトのような電子掲示板では,匿名性などの特徴や誤解から,陰湿ないじめに発展し社会問題となっている.これは,ユーザが経験不足のために,不適切な発言であることを知らずに投稿することが原因の一つとして考えられる.そこで我々は,投稿発言が不適切発言かどうかを自動分類し,ユーザヘ提示できれば,ユーザの経験不足を解消できるのではないかと考えた.本稿では,投稿発言を通常のコミュニケーションを意図した発言と不適切な発言の2種類に分類する手法を提案する.具体的には,発言に分類するために,2種類の学習データを準備し,ベイジアンフィルタと同等の処理を行う.その後,電子掲示板の雰囲気を考慮し投稿発言を2種類に分類する手法を確立する.本提案手法では,約80%の精度で発言を分類することができた.
著者
一藤 裕 今野 将 曽根 秀昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.459, pp.219-223, 2009-02-26
参考文献数
7

インターネット上で学校または地域ごとに集まりコミュニケーションをとる学校裏サイトのような電子掲示板では,匿名性などの特徴や誤解から,陰湿ないじめに発展し社会問題となっている.これは,電子掲示板に書き込んだ発言が他者にどう影響を与えるかを知らないことが原因の一つとして考えられる.そこで我々は,個々の発言が他者にどう影響を与えるかの指標を確立し,その影響度を発言者へ示すことにより発言者が問題となる発言をしないように教育を支援する手法を提案した.本稿では,以前提案した手法では対応できなかった発言に対応するため,学習データベースに登録する品詞を選択する.また,発言の長さに応じた発言の判別を行うのではなく,2つの学習データを利用して発言の判別を機械的に行う手法を提案する.
著者
曽根 秀昭 藤井 章博 根元 義章
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク
巻号頁・発行日
vol.96, no.97, pp.41-48, 1996-06-17
被引用文献数
4

東北大学は,1995年2月に超高速のキャンパスネットワークシステムSuperTAINSを完成させ,l996年3月には拡充を終えた。マルチメディア環境が学内においても急速に進展しており,これに十分応えられるよう,また,将来に向かって発展,拡充していくことができるよう考慮し,仙台市内に分散する5つのキャンパス間にシングルモードの光ファイバをメッシュ型に張り,交換方式としては基幹部分をにATM方式を,支線部分にFDDI方式を採用した。すでに,広帯域伝送を必要とする様々な科学技術計算等のアプリケーションが利用され,これに伴う通信需要が急増してる。本稿では,ネットワークシステムの概要から,利用状況,および運用等について述べる。