著者
広野 巌 大場 茂 斉藤 喜彦 丹羽 治樹 小鹿 一 若松 一雅 山田 静之 松下 和弘
出版者
天然有機化合物討論会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集
巻号頁・発行日
no.26, pp.9-15, 1983-09-15

We have examined the constituents of bracken fern, Pteridium aquilinum var. latiusculum and performed fractionation of the boiling water extracts by means of the assay based on carcinogenicity to rats. From the fraction exhibiting carcinogenicity, we have isolated an unstable norsesquiterpene glucoside of illudane type named ptaquiloside (1). The planar structure of (1) has been established on the basis of spectral and chemical means. The carcinogenicity of (1) to rats is currently under investigation.
著者
前島 正義 小鹿 一
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

マラリアは、マラリア病原虫プラスモディウム属がハマダラカを媒体として伝染し、ヒトの肝細胞・赤血球に寄生することによる疾患である。本研究は、マラリア原虫がもつH^+輸送性ピロホスファーターゼ(H^+-PPase)に焦点をあて、この酵素に対する特異的阻害剤の探索を通して、抗マラリア特効薬を見出し開発することを目的とした。1.阻害剤に関する研究成果(新規阻害剤の発見)沖縄の海洋に生息する生物のうち,軟サンゴから得られた成分がもっとも強い阻害活性示した。その成分の化学構造を決定したところ分岐したアシル基をもつアシルスペルミジン類縁化合物であることが判明した。基質加水分解・プロトン輸送活性を強く阻害した(50%阻害濃度1μM)。さらに生きた植物細胞においてもH^+-PPaseを阻害し,その生理機能を強く抑制することが証明された。2.H+-PPaseに闘する研究成果・新知見(1)植物H^+-PPaseの遺伝子破壊株の解析により遺伝子欠損は生育の著しい抑制をもたらすこと,すなわち本酵素が植物体の正常な生育に不可欠であることを明らかにした。(2)ヤエナリH^+-PPaseの構造・機能協関の解析により,少なくとも2つの細胞質側親水性ループが基質結合・触媒部位を形成し,その中の保存性の高いアミノ酸残基が基質加水分解を司っていることを明らかにした。(3)変異導入とそれに引き続く機能検定のやりやすい大腸菌発現系の確立を目的に,放線菌H^+-PPaseを対象に解析を進めた。実験系の確立に成功し,放線菌H^+-PPaseの固有の性質を明らかにした。(4)H^+-PPase機能の直接測定のためのパッチクランプ法を世界に先駆けて開発し,H^+-PPaseの特質,分子活性をもっとも精度の高い方法で明らかにした。
著者
小鹿 一
出版者
名古屋大学
巻号頁・発行日
1987

identifier:http://hdl.handle.net/2237/6575
著者
武藤 毅 近藤 隆史 柴田 拓伸 曽根 大紀 藤田 達也 桐生 稔 木越 英夫 小鹿 一 山田 靜之
出版者
天然有機化合物討論会実行委員会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.37, pp.230-235, 1995

Constituents of the Japanese sea hare Dolabella auricularia collected in Mie Prefecture, Japan were examined by using bioassay, and new cytotoxic depsipeptides, dolastatins G (1) and H (14) and isodolastatin H (15) were isolated. Dolastatin G (1) showed cytotoxicity against HeLa-S_3 cells with an IC_<50> of 1.0μg/mL. On the basis of 2D NMR technique, dolastatin G (1) has proved to be a 35-membered cyclic depsipeptide which consists of a hexapeptide and two new hydroxy acids. The absolute stereochemistry of the hexapeptide moiety was determined by the chiral HPLC analysis of amino acids obtained by acidic hydrolysis of dolastatin G (1). The absolute stereochemistry of two hydroxy acid parts was determined by the enantioselective synthesis of two corresponding fragments obtained by degradation of dolastatin G (1). For the purpose of confirming the stereostructure of dolastatin G (1), synthetic studies on dolastatin G (1) have been carried out. Three subunits, 7, 10, and 11, were synthesized, coupling of which gave seco acid 13. The synthesis of dolastatin G (1) from seco acid 13 is in progress. A 1:1 mixture of dolastatin H (14) and isodolastatin H (15) showed potent cytotoxicity against HeLa-S_3 cells with an IC_<50> of 0.00381μg/mL. On the basis of spectroscopic data, dolastatin H (14) has proved to be a linear tetrapeptide which contains two unusual amino acids and is esterified at the C-terminus by the primary hydroxyl group of 3-phenyl-1,2-propanediol. Isodolastatin H (15) is the structural isomer of dolasatin H (15), in which the tetrapeptide is esterified at the C-terminus by the secondary hydroxyl group of 3-phenyl-1,2-propanediol. The absolute stereochemistry of dolastatin H (14) and isodolastatin H (15) was unambiguously determined by the enantioselective total synthesis.
著者
武藤 毅 近藤 隆史 柴田 拓伸 曽根 大紀 藤田 達也 桐生 稔 木越 英夫 小鹿 一 山田 靜之
出版者
天然有機化合物討論会実行委員会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.37, pp.230-235, 1995

Constituents of the Japanese sea hare Dolabella auricularia collected in Mie Prefecture, Japan were examined by using bioassay, and new cytotoxic depsipeptides, dolastatins G (1) and H (14) and isodolastatin H (15) were isolated. Dolastatin G (1) showed cytotoxicity against HeLa-S_3 cells with an IC_<50> of 1.0μg/mL. On the basis of 2D NMR technique, dolastatin G (1) has proved to be a 35-membered cyclic depsipeptide which consists of a hexapeptide and two new hydroxy acids. The absolute stereochemistry of the hexapeptide moiety was determined by the chiral HPLC analysis of amino acids obtained by acidic hydrolysis of dolastatin G (1). The absolute stereochemistry of two hydroxy acid parts was determined by the enantioselective synthesis of two corresponding fragments obtained by degradation of dolastatin G (1). For the purpose of confirming the stereostructure of dolastatin G (1), synthetic studies on dolastatin G (1) have been carried out. Three subunits, 7, 10, and 11, were synthesized, coupling of which gave seco acid 13. The synthesis of dolastatin G (1) from seco acid 13 is in progress. A 1:1 mixture of dolastatin H (14) and isodolastatin H (15) showed potent cytotoxicity against HeLa-S_3 cells with an IC_<50> of 0.00381μg/mL. On the basis of spectroscopic data, dolastatin H (14) has proved to be a linear tetrapeptide which contains two unusual amino acids and is esterified at the C-terminus by the primary hydroxyl group of 3-phenyl-1,2-propanediol. Isodolastatin H (15) is the structural isomer of dolasatin H (15), in which the tetrapeptide is esterified at the C-terminus by the secondary hydroxyl group of 3-phenyl-1,2-propanediol. The absolute stereochemistry of dolastatin H (14) and isodolastatin H (15) was unambiguously determined by the enantioselective total synthesis.
著者
小鹿 一
出版者
名古屋大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2012-04-01

オニヒトデから発見したステロイド配糖体acanthasteroside B3は、PC12細胞の神経様突起伸長作用およびマウス記憶改善効果を示す。したがって神経変性疾患の治療薬への応用が期待できるため、未解決であった(1)分子標的や作用機構、(2)安定供給、という2つの重要な課題に取り組んだ。1.作用機構の解析: acanthasteroside B3は、神経成長因子(NGF)によるMAPキナーゼ(ERK, p38)の活性化を増強するが、NGF受容体の活性化は増強せず、標的が不明であった。そこで、MAPキナーゼ上流の既知の分子(Ras, NGF受容体TrkAなど)の活性化の有無をウェスタンブロット法により調べた。その結果、極微量のNGF共存下で、acanthasteroside B3はNGFによるTrkAの微弱な活性化(リン酸化)を増強していることがわかった。そこで、NGFを事前に培地中でインキュベートした後にPC12細胞に投与したところ、インキュベート時間に応じてNGFの突起伸長効果が低下し、acanthasteroside B3により回復した。したがって、acanthasteroside B3のNGF増強作用は、NGFの安定化が一要因と考えられた。2.活性類縁体の合成と記憶改善効果の確認: オニヒトデからのステロイド配糖体の供給は、材料入手の不安定性、危険性、煩雑な精製作業など困難が伴う。そこで応用化を視野に、構造活性相関に則した単純化類縁体の合成を行った。従来合成した類縁体はNGF増強活性を示したが難水溶性のため動物実験を断念していた。そこで、PC12細胞に対する突起伸長活性と高い水溶性を兼ね備えた数種の類縁体を安価なエルゴステロールから合成した。合成類縁体は天然acanthasteroside B3の活性の約50%の活性を示したが、残念ながら水溶性は低かった。今後はステロイド核の水酸基の数をさらに増加させた類縁体の合成を目指す。
著者
吉岡 幸男 岡本 哲治 小鹿 一 林堂 安貴 新谷 智章
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

日本近海に生息する海洋生物から抽出された化学物質を精製する.精製された化学物質に対しBio assayを行い,活性のある画分の精製を進める.分離された溶解物を構造解析装置にて構造決定し,既知の物質か新規の物質か確認し,新規の物質であれば機能解析や動物実験に必要な量を大量合成するとともに新規の誘導体を化学合成する.口腔扁平上皮癌の幹細胞の表面マーカーとしてCD133は有用である.口腔扁平上皮癌細胞よりCD133陽性細胞を分離し,その幹細胞としての特徴を解析するとともに,新規生理活性物質のCD133陽性細胞の抗腫瘍効果を予定する.
著者
坂神 洋次 小鹿 一 近藤 竜彦
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2006

(1)枯草菌のクオラムセンシングフェロモンComXの構造決定、構造活性相関、in vitro酵素反応を用いて特異な翻訳後修飾機構を解明し、さらに翻訳後修飾の普遍性に関する研究をおこなった。(2)前駆体遺伝子が明らかになっているが、実際に作用している化学構造が不明な植物ペプチドホルモンの化学構造を解明する手法を確立し、シロイヌナズナの成長点(茎頂分裂組織)の機能維持に必須の遺伝子CLV3に由来する生理活性ペプチドとしてMCLV3を、同じくシロイヌナズナの気孔形成を誘導するSTOMAGEN遺伝子に由来するstomagenを同定し、その構造を明らかにした。
著者
小鹿 一 丸山 正 大場 裕一 吉国 通庸
出版者
名古屋大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2002

沖縄産シャコ貝(ヒメジャコ、Tridacna crocea)の外套膜に共生する渦鞭毛藻(Symbiodinium属)の種類を明らかにするために、まず株化された渦鞭毛藻を用いて分子系統解析法の確立を行なった。藻体よりゲノムDNAを抽出後、5.8SrRNAのITS領域および18SrRNAのV1領域をPCRにより増幅し、ダイレクト・シークエンス法により配列を決定した。続いて、分子系統解析ソフトPhylipを使用して、近隣接合法(NJ)により渦鞭毛藻の系統関係を解析した。その結果、これまで未知であった株の系統が明かとなった。この方法を用いて、つぎに実際のシャコ貝にどのような種類の渦鞭毛藻が共生しているのかを調べた。これまで、シャコ貝には複数種の渦鞭毛藻が共生していることはわかっていたが、どのような種がどのくらいの割合で共生しているのかは不明であった。そこで、ヒメジャコの外套膜より取り出した藻体を用いてDNAを抽出し、PCRを行なった。続いて、このPCR産物をプラスミドベクターに組み込み、大腸菌にトランスフォーメーションした。現在は、得られてきたコロニーに対しコロニーPCRを行ない、ひとつひとつのコロニーがどの種類の渦鞭毛藻に由来したDNAを持っているかを制限酵素とシークエンスを併用して決定する方法を確立している。また、渦鞭毛藻の系統に対応して興味深い低分子化合物がさまざま産生されていることが明らかになってきた。その中には、新規化合物であるzooxanthellamide類やzooxanthellactoneなども含まれる。これらの化合物が共生過鞭毛藻に特異的であることから、何らかの共生現象に関わっている可能性が期待される。
著者
小鹿 一 Ojika Makoto
巻号頁・発行日
1987-12-14 (Released:2006-06-21)

名古屋大学博士学位論文 学位の種類:理学博士 (論文) 学位授与年月日:昭和62年12月14日