著者
尾仲 達史
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.126, no.3, pp.170-173, 2005 (Released:2005-11-01)
参考文献数
24
被引用文献数
2 4

キャノンとセリエにより医学の世界にストレスという言葉が持ちこまれた.キャノンは,ストレス刺激に対応した多様な反応が生体におきることとこの反応に交感神経系-副腎髄質ホルモン分泌が必須であることを示した.セリエは,刺激によらず非特異的な反応が生体におきることとこの反応に視床下部-下垂体前葉ACTH-副腎皮質ホルモンが必須であることを示した.近年になり,「ストレス」が多くの疾患の少なくとも増悪因子となることが様々な疫学的な調査により示されるようになった.さらに,ストレス刺激によりある程度共通した神経系が活性化されることが明らかになりつつある.このストレス時に活性化される神経系の代表が,延髄ノルアドレナリン/PrRPニューロン系である.この延髄ノルアドレナリン/PrRPニューロン系は恐怖刺激,痛み刺激による反応に重要であることが示されている.一方,新奇環境曝露によるストレス反応,あるいは,モルヒネ禁断のような刺激は,延髄ノルアドレナリンニューロンに依存しないことも示されている.今後,どのストレス神経系を活性化させるかによりストレスの分類分けが行われていくと思われる.
著者
尾仲 達史
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.127-132, 2005-02-01 (Released:2009-05-25)
参考文献数
27
被引用文献数
1 1
著者
川上 潔 池田 啓子 尾仲 達史
出版者
自治医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

ジストニアは自分の意思に反して、筋肉の収縮や硬直が持続する病気である。遺伝性ジストニアであるDYT12はナトリウムポンプα3サブユニット遺伝子(ATP1A3)の機能喪失変異が原因である。DYT12の病態解明を目的にAtp1a3遺伝子欠損マウスを解析した。当該マウスはジストニアを引き起こしやすく、小脳の抑制性神経の伝達効率亢進が観察された。この結果から、Atp1a3の機能喪失が抑制性神経の機能に影響し、ジストニアを引き起こすと考えられた。
著者
篠原 一之 西谷 正太 土居 裕和 尾仲 達史
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

父親、母親に見られる脳とホルモンの特徴を調べ、父性、母性をもたらす生物学的基盤を明らかにするべく、乳児表情に対する脳活動は、親と非親間で異なるか、ホルモン受容体遺伝子多型により親集団で異なるかを調べた。結果、父親特徴的な脳活動を明らかにした。また、妊娠~産後2年の母親を調べ、産後のホルモンや経験が母親脳の変化に貢献することを示唆した。一方、母性へのオキシトシン受容体遺伝子多型の影響を明らかにした。
著者
西森 克彦 東田 陽博 尾仲 達史 坂本 浩隆 黒田 久美 八尾 寛
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

脳内オキシトシン(OXT)と受容体は社会行動の制御機能を持ち、ヒト鼻腔投与OXTが社会性を高める事から自閉症への投与試験も開始された。本研究ではOXTR発現性神経の社会行動制御機構を解析した。まずOXTによる5-HT分泌制御の役割を解析した。そして、社会識別時にMeAのOXTR発現神経の多くでc-Fos活性化を検出した。5-HT神経特異的OXTR遺伝子KOマウスを作製、当該神経の機能解析を行ったが社会記憶の障害は見出せなかった。体温調節能に関わる淡蒼縫線核のOXTR発現性Glutaminergic神経を見出した。一方、OXTR発現性I型味細胞の解析を進め、その性質について新しい情報を得た。