著者
常本 照樹 佐々木 雅寿 山下 龍一 桑山 敬己 長谷 川晃 辻 康夫 会澤 恒 山崎 幸治 本多 俊和
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

「先住民族の権利に関する国連宣言」は、世界の先住民族にとって共通に必要な権利を謳うとともに、個々の先住民族及び関係する国家の実情に応じた権利実現を認めている。2008年に国会及び政府はアイヌ民族を先住民族と認めたが、日本及びアイヌ民族の実情に応じた権利実現のあり方としては、憲法13条の「個人の尊重」を基本とし、個人としてのアイヌがアイヌとしてのアイデンティティの保持を積極的に選択できる社会の実現を目標とすべきである。
著者
山下 龍一
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究は、環境法政策を他の政策・組織との融合システムととらえ直し、新たな環境法理論、環境組織法体系を提言しようとするものである。まず、循環型社会法制や原子力法制を、環境政策と産業政策の融合という観点からとらえなおすことを通じて、政策の転換を市民や産業界が受容するためには複数の法政策の融合が必要であることが明らかになった。次に、環境法政策を組織の融合という観点からとらえなおすことを通じて、環境保護の主体として、中央省庁、地方自治体、産業界、市民のパートナーシップが強調されており、現行法制も各主体の役割分担の考え方を基本としているが、これに対し、市民や地方自治体の役割をより重視し、これらを真の主体とする新たな環境法政策を構築すべきではないかと考えるにいたっている。さらに、あらゆる政策が環境保護に配慮しなければならないという考えを発展させると、ドイツにおける環境国家論に結びつく可能性があることが明らかになった。環境法政策を重視しすぎると市民の自由を過度に制約してしまう環境独裁の危険があるし、他方、現行の統治構造では将来世代の環境利益を十分に配慮できないという問題も指摘されている。これに対し、環境法政策への市民の参加の拡大によって、現在の市民の権利・自由を守ると共に、将来世代の利益への考慮も強めていこうとする考えが一部で主張されていることが注目される。
著者
吉田 克己 田村 善之 長谷川 晃 稗貫 俊文 村上 裕章 曽野 裕夫 松岡 久和 池田 清治 和田 俊憲 山下 龍一 亘理 格 瀬川 信久 秋山 靖浩 潮見 佳男 伊東 研祐
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

公正な競争秩序や良好な自然環境、都市環境を確保するためには、行政機関や市町村だけでなく、市民が能動的な役割を果たすことが重要である。要するに、公私協働が求められるのである。しかし、公私峻別論に立脚する現行の実定法パラダイムは、この要請に充分に応えていない。本研究においては、行政法や民法を始めとする実定法において、どのようにして従来の考え方を克服して新しいパラダイムを構築すべきかの道筋を示した。