著者
木名瀬 高嗣 坂田 美奈子 山崎 幸治 ウィンチェスター マーク 長岡 伸一 喜多 香織
出版者
東京理科大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

本研究は、アイヌ-和人の民族関係史について文化人類学の観点から再構築を企図したものである。そのため、言論・社会運動、アイヌ文化研究、およびメディアの表象という3つの側面から、近・現代日本においてアイヌ・和人の双方に形作られてきた自己/他者認識の相互作用を主要な焦点と位置付け、それらの歴史的な展開相について批判的に検討するとともに、こうした問題系をアイヌをめぐる〈近代〉に対する実践的アプローチへと接合するために必要な基礎的情報の整備を行った
著者
常本 照樹 佐々木 雅寿 山下 龍一 桑山 敬己 長谷 川晃 辻 康夫 会澤 恒 山崎 幸治 本多 俊和
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

「先住民族の権利に関する国連宣言」は、世界の先住民族にとって共通に必要な権利を謳うとともに、個々の先住民族及び関係する国家の実情に応じた権利実現を認めている。2008年に国会及び政府はアイヌ民族を先住民族と認めたが、日本及びアイヌ民族の実情に応じた権利実現のあり方としては、憲法13条の「個人の尊重」を基本とし、個人としてのアイヌがアイヌとしてのアイデンティティの保持を積極的に選択できる社会の実現を目標とすべきである。
著者
山崎 幸治
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 日本文化人類学会第55回研究大会 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
pp.A16, 2021 (Released:2021-10-01)

本発表では、ウィーン世界博物館に所蔵されているハインリッヒ・フォン・シーボルト(1852-1908)のアイヌ・コレクション(約80点)について報告する。発表では、彼のアイヌ・コレクションの特徴と、その特徴を形づくった要因について検討するとともに、彼の北海道調査の旅程の一部を共にしたり、道中で出会ったりした2人の外国人による記述を読み合わせることから見えてくる1878年当時の状況についても検討する。
著者
常本 照樹 佐々木 雅寿 山下 竜一 長谷川 晃 辻 康夫 北原 次郎太 山崎 幸治 加藤 博文
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

英米型の先住民族政策とは異なる、日本とアイヌ民族の実状に適合した先住民族政策のあり方を追求した結果、憲法13条の「個人の尊重」に個人としてのアイヌが自らのアイデンティティを選択する自由の根拠を求め、その自由を実質化する責務を国に課すことによって民族文化の復興を目指すことが、第一段階として必要にして合理的であることが明らかになるとともに、文化の伝承・発信の具体的あり方も示すことができた。また文化の復興は、社会的・経済的地位の向上政策に対する国民理解の推進のために必要であるだけでなく、地位の向上に主体的に取り組むアイヌの累増のためにも有効であることが明らかになった。
著者
山崎 幸治
出版者
北海道大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究では、アイヌ木製盆について、そのソースコミュニティの人々とともに調査をおこない、そこに作風と呼べるものが存在することを確認するとともに、制作地や制作者について検討をおこなった。数は多くはないが、制作地や制作者などの背景情報をともなわないアイヌ木製盆が、本研究をつうじてソースコミュニティの人々と再会し、地域の歴史のなかへと帰還したことは一つの成果といえる。また、民族誌資料データベースと先住民族との共同調査のあり方について検討した。
著者
山崎 幸治
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.20, 2012

本発表では、アイヌ文化に関する二つの展示実践を事例として、アイヌ研究にとどまらない文化人類学研究へのフィードバックが見込まれるトピックについて検討を加える。とりあげるトッピックは、【物質文化資料と情報】、【語りの「調整」】、【現代の展示】、【ノイズとしての「展示する側」】である。そこでは海外をフィールドとする文化人類学研究では見えにくい問題や、研究者に求められている「実践」についても論じる。
著者
平賀 由起 横田 晃 難波 正徳 山崎 幸治
出版者
一般社団法人 火力原子力発電技術協会
雑誌
火力原子力発電大会論文集 (ISSN:2187929X)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.23-28, 2017 (Released:2017-06-12)
参考文献数
8

火力発電所の湿式排煙脱硫装置から排出される排水にはアンモニアが含まれる。このアンモニアはアンモニアストリッピング装置により除去することができるが,排水中のカルシウムと曝気用空気中のCO2との反応により,この装置内で炭酸カルシウムがスケーリングし,その性能を阻害する。そこで,曝気用空気中のCO2除去によるスケール生成抑制の効果を検討した。
著者
山崎 幸治
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 日本文化人類学会第45回研究大会 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
pp.37, 2011 (Released:2011-05-20)

本発表では、今後のアイヌを含めた文化人類学的日本研究の方法論開発に向けての素地を整えることを目的に、発表者のこれまでのアイヌ研究における実践から、現状における課題を提示し、今後の研究方法のあり方を展望する。日本の先住民族であるアイヌに関する研究の実践事例は、分科会副題『「日本人」がどのように日本を調査して日本語で語るか』に内包されている様々な問題を顕在化させよう。
著者
山崎 幸治
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.309-314, 1982-06-05
被引用文献数
3

これまでの平衡型つり下げ静止水銀滴電極(BHMDE)をガス圧縮形式のBHMDEに改造した.水銀滴下間隔(τ)が138秒,水銀流出量(m))0.1922mg/s のキャピラリーを用い,窒素の圧力490mmHgで30秒間水銀を押し出したときの電極面積は0.0274cm^2であった.この電極の水銀滴再現性をカドミウム{5×10^<-5>M Cd(II)ion in 0.1 M HCl}のカソーデイック・オッシロポーラログラムの繰り返し測定(10回)から求めた.水銀滴つり下げ直後に測定した波高の偏差値は0.76及び水銀滴を30分間平衡状態に放置した後の測定からは0.78が得られた.前報の0.40と0.62及び0.60よりわずかに増加した.本電極を用い.数種のビール,酒,ワイン,ブランデーを低温灰化又は酸分解した後,アノーディック・ストリッピング法により微量の重金属を測定した結果,これら酒類中に合まれる金属の濃度範囲は銅(0.009〜1.6)ppm,鉛(0.008〜0.13)ppm,カドミウム(0.0013〜0.0018)ppm,亜鉛(0.019〜1.13)ppmで低温灰化時における鉛,カドミウムの損失は認められなかった.