著者
新里 祐一 吉田 崇正 園田 世里夏 山内 盛泰
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.171-175, 2016-09-01 (Released:2017-09-01)
参考文献数
7

急性喉頭蓋炎は急激に進行する可能性がある感染症であり、時には数時間の単位で呼吸困難が進行する疾患である。今回われわれは咽頭痛の症状が発症してから 8 時間後に窒息に至ったものの、この病態の知識があった家族の医療関係者がその疑いを持って救急外来を受診させていたため救命し得た急性喉頭蓋炎の 1 例を経験したので報告する。症例は 50 歳、男性。主訴は咽頭痛であった。喉頭内視鏡検査にて確定診断がついた直後に窒息状態となった。ミニトラックⅡ®を用いて緊急に気道確保を施行した後、外科的切開を行った。術後は抗生剤とステロイドを使用し、比較的速やかに喉頭蓋の腫脹は軽減した。急性喉頭蓋炎は耳鼻咽喉科医にはよく知られた疾患であるが、耳鼻咽喉科医以外の医師を含めた医療関係者にその危険性が周知されているとは言い難い。医療関係者に急性喉頭蓋炎の知識を共有してもらうように耳鼻咽喉科医は努力する必要がある。
著者
山内 盛 滝戸 道夫 三川 潮 柴田 承二
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
薬学雑誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.96, no.12, pp.p1492-1493, 1976-12
被引用文献数
2

From the fruits of Arctium lappa L. (Japanease name"goboshi, ""akujitsu, "or "dairikishi"), two new sesquilignan derivatives, AL-D and AL-F, were isolated along with arctin, arctigenin, and matairesinol. From spectroscopic and chemical investigations, the structure of AL-D was elucidated as 2-[2-(3-methoxy-4-hydroxy) phenyl-3-hydroxymethyl-7-methoxy-2,3-dihydrobenzofuran-5-yl] methyl-3-(3-methoxy-4-hydroxy)-benzyl-buthyrolactone [I] or 2-(3-methoxy-4-hydroxy) benzyl-3-[2-(3-methoxy-4-hydroxy)-phenyl-3-hydroxymethyl-7-methoxy-2,3-dihydrobenzofuran-5-yl] methyl-buthyrolactone [II]. AL-F was found to be a stereoisomer of AL-D.
著者
須賀 哲弥 力久 忠昭 山内 盛 吉田 武美 三澤 美和 永井 恒司 富岡 清 鮫島 啓二郎 佐用 博照 三輪 亮寿 三川 潮 首藤 紘一 北澤 式文 辻 章夫 寺尾 允男 粟津 荘司 野村 靖幸 狐塚 寛 濱田 昭
出版者
東京薬科大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1991

1.薬学はpharamaceutical sciencesと言われる通り多くの分野の学術の複合または総合とみられ、したがって各境界領域もまた多数にのぼっていて、学術擁護に多くの問題をかかえている。このため、当面薬学全域を8分野((1)衛生化学・裁判化学・公衆衛生学・微生物学・香粧品学、(2)薬理学(関連する医学)・臨床生理学・代謝学・毒性学、(3)薬事法規と関連分野、(4)調剤業務・薬品処理・処方箋と関係分野、(5)薬剤学・調剤学・薬剤製造学・製剤工学・臨床薬学(臨床薬剤学)、(6)生薬学・天然物化学・薬化学・物理化学、(7)分析化学・分析機器(試験法も)、(8)薬局法と関係分野(局法収載品名・測定法名・試薬名等)に分け、各分野に研究総括者と分野統括者を置き、その他に多数のチェッカーを置いて、新語、従来と同一語の他、カナ書き用語、略語で汎用されている語等々問題のある学術用語の収集に総力を傾注して遺漏なきを期した。2.初年度は基本方針を立て、基礎データの収集を行い、2年度は薬学会方式の、一語一語に評点をつけて重要度を客観的に評価する方式を十分活用して、基礎データを増やしながら、現に使用される度合いの低いものを減らして、現在の薬学用語集とした。これにつき日本薬学会の年会時等の折りを利用して広く意見を聞きコンセンサスを得たものとした。3.領域間の調整は、特に青戸邦天氏(学術情報センター)のお手を患わせて精細なチェックデータを得、これに基づき十分時間をかけて検討し、領域別による語義の差、用法の差などを番号によって区分し、標準化を明晰な形で行うことを心掛けた。4.以上のようにして、標準化された約8000語の薬学用語を選定した。
著者
西村 宏子 山本 悦生 山内 盛雄 岩永 迪孝 藤田 佳代子 岩崎 博 佐藤 宏昭 竹内 俊二 鶴原 秀晃
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2special, pp.328-337, 1983 (Released:2011-11-04)
参考文献数
31
被引用文献数
1

昭和52年1月から昭和57年9月までの6年9ヵ月間, 京大病院耳鼻咽喉科を訪れた顔神麻痺患者662名について統計的観察を行い以下の結果が得られた.(1) 顔神麻痺患者は, 外来新患数の1.8%を占めていた.(2) 年度別発生件数では, 各年ともベル麻痺が1番多く, 62.0~80.5%を占め, その他の頻度はまちまちであった.(3) 診断別分類では, ベル麻痺が1番多く, 447例 (67.5%), 以下, ハント症候群59例 (8.9%), 手術損傷性45例 (6.8%), 頭部外傷性45例 (6.8%), 先天性23例 (3.5%), 耳炎性15例 (2.3%), 中枢性6例 (0.9%), 側頭骨外疾患4例 (0.6%), 聴神経腫瘍2例 (0.3%), その他16例 (2.4%) であった.(4) ベル麻痺, ハント症候群における男女の差は著明でなかった.(5) ベル麻痺, ハント症候群とも左側にわずかに多かった.(6) ベル麻痺, ハント症候群の月別発生頻度は, 前者は11月に少なくなっている他は著明な差は見られなかった. 後者も季節的な一定の結論を出すのは困難であった.(7) ベル麻痺, ハント症候群とも青壮年が多く罹患していた.(8) 再発性麻痺は40例あり, 一側反復性麻痺14例, 両側交代性麻痺25例, 両側同時性麻痺1例を含んでいた.(9) ウイルス感染については, 検索を行った73例のうち, 感染ベルは21.3%で, ハント症候群では75%に帯状疱疹ウィルスに感染が認められた.