著者
森脇 義弘 伊達 康一郎 長谷川 聡 内田 敬二 山本 俊郎 杉山 貢
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.62, no.7, pp.1701-1705, 2001-07-25 (Released:2009-01-22)
参考文献数
14

キックスケート(車輪付きデッキ,シャフト,ハンドルバーから構成される遊戯具)による肝損傷で病院前心肺停止状態(CPA-OA)となり救命しえなかった症例を経験した.症例は, 9歳,男児,同遊戯具で走行中転倒しハンドルバーで右側胸部を強打.救急隊現場到着時,不穏状態で呼名に反応せず,血圧測定不能,搬送途中呼吸状態,意識レベル悪化,受傷後約30分で当センター到着, CPA-OAであった.腹部は軽度膨隆,右肋弓に6mmの圧挫痕を認めた.急速輸液,開胸心臓マッサージにより蘇生に成功した.肝破裂と腹腔内出血の増加,血液凝固異常,著しいアシドーシスを認めた.胸部下行大動脈遮断し,救急通報後78分,搬送後46分で緊急手術を施行した.肝右葉の深在性の複雑な破裂損傷に対しperihepatic packing,右肝動脈,門脈右枝結紮術を施行,集中治療室へ入室したが受傷後約15時間で死亡した.
著者
森脇 義弘 伊達 康一郎 長谷川 聡 内田 敬二 山本 俊郎 杉山 貢
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.62, no.7, pp.1701-1705, 2001

キックスケート(車輪付きデッキ,シャフト,ハンドルバーから構成される遊戯具)による肝損傷で病院前心肺停止状態(CPA-OA)となり救命しえなかった症例を経験した.症例は, 9歳,男児,同遊戯具で走行中転倒しハンドルバーで右側胸部を強打.救急隊現場到着時,不穏状態で呼名に反応せず,血圧測定不能,搬送途中呼吸状態,意識レベル悪化,受傷後約30分で当センター到着, CPA-OAであった.腹部は軽度膨隆,右肋弓に6mmの圧挫痕を認めた.急速輸液,開胸心臓マッサージにより蘇生に成功した.肝破裂と腹腔内出血の増加,血液凝固異常,著しいアシドーシスを認めた.胸部下行大動脈遮断し,救急通報後78分,搬送後46分で緊急手術を施行した.肝右葉の深在性の複雑な破裂損傷に対しperihepatic packing,右肝動脈,門脈右枝結紮術を施行,集中治療室へ入室したが受傷後約15時間で死亡した.
著者
山本 俊郎
出版者
日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科学会雑誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.p49-58, 1979-01

単純子宮全剔術を行った患者につき,手術前後数日間に亘り血中LH,FSH,PRL,ACTH,Cortisol,Estrone(Eo),Estradiol(Ed),Progesterone(P)濃度を同一検体からRIA法により測定した.また去勢婦人にACTHあるいはEstrogenを投与しその前後の血中Steroid,PRL濃度を測定した.これらより以下述べる成績を得た.1)卵胞期には,開腹4時間後の血中Gonadotropin(G)が減少した.2)卵巣保存例の術後30日目の血中Ed,Pは前進に復した.3)黄体期をのぞき,手術直後の血中Eoに減少傾向を見た.4)手術後1日目から血中Ed,Pは減少傾向を示した.5)手術直後の血中Pは上昇し,卵巣剔出直後に於いても一過性に42%増加した.6)ACTH負荷後,6時間後の血中Colitisol,Ed,P,Pregnenolone,DHEAは何れも前値の2.3~8.3倍に上昇した.7)手術直後,PRLは2.7~4.2倍に上昇し,翌日は前値を復した.特に黄体期の増加率が著しかった.8) Estrogen投与後のPRLは1.7倍と有意に上昇した.以上の成績から次の事柄が示唆された.[○!1]GとACTH間には,手術のStressによる分泌のShift減少が存在する.[○!2]手術後,Eo,Ed,Pが減少するのはG分泌抑制と,卵巣に流入する子宮卵菅側吻合枝の遮断で一過性に卵巣機能低下を来す為である.[○!3]手術直後は一過性のACTH分泌亢進に起因する副腎性P増加がある.[○!4]PRLはStressに対し一過性の急激な分泌亢進を示し,またEstrogenなどの作用で徐々に分泌増加を来す.
著者
杉山 貢 徐張 嘉源 山中 研 Keiichi WATANABE 施 清源 山本 俊郎 門口 幸彦 片村 宏 佐藤 芳樹 土屋 周二
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.19, no.10, pp.2129-2133, 1986 (Released:2011-03-02)
参考文献数
22

胃切除後の107例に対して無選択的にmicrodensitometry法による骨塩量の測定を行い, 胃切除後骨障害の発生頻度をまたCa infusion試験によりその病態を研究した.胃切除後骨障害の発生率は38%であり, 術後5年以上経過すると, 胃全摘後では62%に, 胃部分切除後では55%に骨代謝異常を認めた.胃切除後, 骨障害度の初期になるのにかかる期間は胃全摘後で1年6ヵ月, 胃部分切除後では5年であった.Ca infusion試験によると, 胃切除後の骨障害例とくに重症例の多くは, Nordinの基準による28%以下で骨軟化症を呈していた.