著者
山本 聡彦 小松 孝紀 生天目 章
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.1_26-1_33, 2011-01-25 (Released:2011-03-25)

近年,様々な分野において,複雑ネットワークに関する研究が進められてきた.そのような中,与えられた目的に適合する特性を持った最適なネットワークとは何か,またそれをどのように設計するかという問題は,未だ解明されていないことが多い.従来の研究は,あるルールの下でネットワークを作成し,そのネットワークの特性を調べていくものが多い.本研究では遺伝的アルゴリズムを用いて最適なネットワーク(厳密には準最適なネットワーク)を生成させる方法を提案する.最適なネットワークを生成するための評価指標としてネットワークを表現する隣接行列の最大固有値とリンク密度の2つの線形結合関数を定義し,遺伝的アルゴリズムによりネットワークを進化させる.また,進化的に生成した準最適なネットワークの構造について解析をする.
著者
山本 聡美
出版者
金城学院大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

中世日本で外来の十王図像が移入され和洋化するプロセスについて、作品調査と文献の分析を通じて考察した。本研究期間内に計9件の作品調査を実施した他、写真などを用いた画像資料の収集を行った。特に日本製十王図の多くに描きこまれる本地仏の組み合わせに着目し、調査結果を分析した。その結果、制作年代の遡る作例ほど組み合わせに多様性があり、また本地仏として大日如来を描く事例が多いという傾向が浮かび上がってきた。また、現存作例の和洋化が著しく進む13世紀後半~14世紀にかけての、仏書や日記・記録類に着目、仏事で十王図が懸用された事例を分析した。その結果、宮中や幕府関係の逆修・追善供養での懸用と軌を一にしながら、十王図と本地仏の組み合わせが決定され、日本的十王図への変容が促されたことが明らかとなった。以上の成果の一部は、『国宝六道絵』(共著、中央公論美術出版、2007年)などの出版物として公刊している。
著者
豊原 憲子 山本 聡 長谷 範子 土居 悟 岡田 正幸
出版者
大阪府環境農林水産総合研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

難治性小児気管支喘息による入院児童に対し、種まき-栽培-収穫-摂食の行程を中心とした園芸プログラムを実施した結果、活動による呼吸機能の低下は認められず、栽培体験と児童個人への管理責任の設定と栽培した植物を自宅家族に持ち帰ることが植物へのこだわりを高めて自主的行動を誘導した。このプログラムにより一症例で顕著なストレス軽減が認められ、病棟内での行動の改善と退院につながるなど、プログラムによる精神的安定と退院の時期に関連性があった。プログラムを提供する庭園内での児童の行動解析から、下草が繁茂して見通しの悪い植生が行動の制限要因となった。
著者
下村 泰彦 増田 昇 山本 聡 安部 大就 酒井 毅
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.173-176, 1996-03-29
被引用文献数
2 1

本研究では,都市河川空間をシークエンシャルな景観として捉えるために,CGによるアニメーションモデル画像を橋上,水上,水際の3視点場について作成した。これらの画像を刺激媒体とした心理実験を通じて,今後のスーパー堤防化を想定した空間整備に関する課題と方向性を探ることを目的とした。その結果,視点場の違いにより景観性の評価は異なり,橋上景観ではマクロな,水上景観ではシークエンシャルな,水際景観ではミクロな景観構造が重要であること。都市の魅力や活気性といった観点からは階段護岸形態が望ましいこと。安らぎや潤い性といった観点からは緩傾斜護岸形態に低木等の自然要素の導入が望ましいこと等が明らかとなった。