著者
梶 光一 吉田 剛司 久保 麦野 伊吾田 宏正 永田 純子 上野 真由美 山村 光司 竹下 和貴
出版者
東京農工大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

ニホンジカの島嶼化プロセスとメカニズムを解明するために、島に導入されたニホンジカの生態・形態・遺伝の年代的変化を調べた。餌資源化で体の小型化が生じ初産齢が上昇したが、間引きによって体重の増加と初産年齢の低下が生じた。餌の変化に対応して第一大臼歯の摩耗速度は初回の崩壊後に早まった。一方、臼歯列サイズは、減少から増加に転じた。有効個体群サイズおよび遺伝的多様性も一度減少したが、その後それぞれ安定および増加に転じた。以上は、餌資源制限下で形態・遺伝に対して正の自然選択が働いた可能性を示唆している。
著者
山村光司
雑誌
植物防疫
巻号頁・発行日
vol.47, pp.463-467, 1993
被引用文献数
1
著者
山村 光司
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.339-350, 2016 (Released:2016-08-24)
参考文献数
26
被引用文献数
5

状態空間モデルの枠組みでは、モデル内の変数を「観測される変数」と「観測されない変数」の2種類に明示的に分けてモデル化が進められる。この枠組みによって観測値に付随する観測誤差を適切に処理することが可能となり、モデル内のパラメーターを偏りなく推定することが可能になる。さらに、状態空間モデルの枠組みは、観測値の動態を、その「主流部分」と「派生部分」に分ける効果も持っている。本稿では、2種類の水田害虫(ニカメイガとツマグロヨコバイ)の50年間の年変動解析を例として、状態空間モデルの枠組みを用いる効果と、その適用の際に生じる諸問題(トレンド除去および初期値問題、モデル評価など)について議論する。