著者
米澤 朋子 山添 大丈 内海 章 安部 伸治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.308, pp.5-12, 2007-11-04
被引用文献数
2

本稿では,遠隔視線検出技術により共同注視とアイコンタクトを用いぬいぐるみ型ロボットと人の視線コミュニケーションを実現したシステムを紹介する.ロボットは,1)ユーザがロボットの周辺を見ているときは,同一箇所へ顔を向け,2)ユーザがロボットを見たときは,目があったことを表すため身振りやうなずきといったジェスチャと音声を用いるといったように,ユーザの視線に応じて反応するよう設計された.遠隔視線検出は,単眼カメラにより顔特徴認識を行い,目の画像から3D眼球モデルを導出することで,非装着型を実現している.被験者実験の主観的/客観的評価により,i)ロボットの興味が想定される対象への被験者の共同注視行動,ii)ロボットの共同注視行動に喚起される,被験者のロボットへの興味,iii)被験者とのアイコンタクトに応じたロボットの反応に喚起される被験者のロボットへの好意,をそれぞれ確認した.
著者
山添 大丈 内海 章 米澤 朋子 安部 伸治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.94, no.6, pp.998-1006, 2011-06-01
被引用文献数
5

従来の視線推定手法のもつ制約を緩和した単眼カメラによる視線推定手法を提案する.これまでに多くの視線推定手法が提案されているが,キャリブレーションが必要,計測範囲が狭いなどの問題があり,その応用範囲はHCIにおける視線計測や視線を用いたインタフェースなどに限られてきた.提案手法では,虹彩と白目のアピアランスをもった三次元眼球モデルを用い,バンドル調整法のように複数フレームにおける観測画像とモデル投影画像の間の投影誤差が最小とすることにより,眼球モデルパラメータを推定する.従来の視線推定手法とは異なり,ユーザが決まった参照点を注視するといった特殊なキャリブレーション動作が必要ない.そのためユーザに視線推定を意識させることなく,自動的にキャリブレーション処理が完了できる.視線推定においても同様に,投影誤差を最小化することにより,視線方向を推定する.実験により,解像度QVGA(320×240)の画像で,約6度の推定精度が得られることを確認した.
著者
山添 大丈 内海 章 米澤 朋子 安部 伸治
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J94-D, no.6, pp.998-1006, 2011-06-01

従来の視線推定手法のもつ制約を緩和した単眼カメラによる視線推定手法を提案する.これまでに多くの視線推定手法が提案されているが,キャリブレーションが必要,計測範囲が狭いなどの問題があり,その応用範囲はHCIにおける視線計測や視線を用いたインタフェースなどに限られてきた.提案手法では,虹彩と白目のアピアランスをもった三次元眼球モデルを用い,バンドル調整法のように複数フレームにおける観測画像とモデル投影画像の間の投影誤差が最小とすることにより,眼球モデルパラメータを推定する.従来の視線推定手法とは異なり,ユーザが決まった参照点を注視するといった特殊なキャリブレーション動作が必要ない.そのためユーザに視線推定を意識させることなく,自動的にキャリブレーション処理が完了できる.視線推定においても同様に,投影誤差を最小化することにより,視線方向を推定する.実験により,解像度QVGA (320 × 240)の画像で,約6度の推定精度が得られることを確認した.
著者
山添大丈 満上育久 八木康史
雑誌
研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)
巻号頁・発行日
vol.2013-CVIM-188, no.15, pp.1-6, 2013-08-26

我々は,人の歩き方 (歩容) からその人の意図を推定することを目指し,研究を進めている.本稿では,歩き方からの意図推定手法の実現可能性について検討するため,人は,歩く様子を撮影した映像から,その人の意図を推定できるのかどうかを調査する.また,歩き方から意図を推定するにあたって,どういった部分に着目しているかについても分析を行う.3 種類の意図 (「ついていく」,「向かう」,「逃げる」) を含む映像列を用いて被験者実験を行い,a) 歩き方からの意図推定は可能,b) 約 70% 程度の正解率,c) 歩き方のうち,形状 (シルエット) やテクスチャが意図推定に重要,d) 頭部以外にも意図推定に有用な情報が含まれることが分かった.これらの結果は,我々の目指す,歩き方からの意図推定手法の実現可能性を示すものといえる.
著者
岡本 尚紀 米澤 朋子 山添 大丈 安部 伸治 服部 文夫 萩田 紀博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.35, pp.7-12, 2010-05-07
参考文献数
12

超高齢社会の到来に伴い,一人で生活する高齢者の割合が増加する昨今,日々の生活を支援する仕組みづくりが求められている.本研究は,家族の不在や独居といった状況下において,簡略化された音センサデータを複数用いて,通常生活時・不在時・異常時などの状態識別情報を取得し,関係者に識別結果を伝えることによって,居宅における日常生活支援を目的とする.また簡略化により,音情報のデータ量を削減するとともに,プライバシー保護を考慮しつつ,高齢者が生活している様子を見守ることが可能となる.本稿では,実現のための第一段階として録音データから周波数と時間を単純化した音データを用いることで,簡単な状況識別ができることを示す.
著者
中澤 満 満上 育久 波部 斉 山添 大丈 八木 康史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CNR, クラウドネットワークロボット (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.233, pp.15-20, 2012-10-04

本稿では環境中に複数台のKinectを配置することで,人物を含む広域な環境全体を三次元計測するシステムを提案する.環境全体を密に計測するためにはKinectを密な間隔に配置する必要がある一方,密に配置するとKinect相互の投影光の干渉によって計測データが欠損する.本システムでは,計測データが欠落しないようKinectの間隔を空けた配置においてもKinectの位置姿勢パラメータを高精度に推定する手法を適用することで,広域での三次元計測を可能としている.
著者
米澤 朋子 山添 大丈 内海 章 安部 伸治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.92, no.1, pp.81-92, 2009-01-01
被引用文献数
7

本論文では,画像処理による非装着型視線推定から検出されたユーザの視線方向に応じ,共同注視とアイコンタクトを段階的に用いながら,視線コミュニケーションにおける振舞いを表すぬいぐるみロボットシステムを提案し,視線コミュニケーションモデルに基づいた視線行動の設計を検証・議論する.擬人的媒体の異なる視線行動によるユーザの印象や行動への影響を評価した結果, (i)ぬいぐるみの視線行動はユーザの無意識的な視線を引き付ける, (ii)ユーザ視線に応じた共同注視行動は自然な印象を与える, (iii)ぬいぐるみのアイコンタクト反応はコミュニケーションにおけるユーザの好意を生じさせる, (iv)その好意は,アイコンタクト反応に加えて共同注視行動も見せることで更に強まる,という結果がそれぞれ示され,段階的に視線行動を用いた視線コミュニケーションモデルの有効性が確認された.
著者
山添 大丈 内海 章 米澤 朋子 安部 伸治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.138, pp.87-92, 2008-07-10

本稿では,単眼視線推定手法と広視野・高解像度カメラの組み合わせによる多人数視線推定手法を提案する.これまでに多くの視線推定手法が提案されているが,キャリブレーションが必要,計測範囲が狭いなどの問題があり,その適用範囲は実験室内のような限られた空間や特定の被験者に限られていた.提案手法では眼球モデルの自動キャリブレーションが可能で,ユーザはキャリブレーション動作を意識する必要がない。また広視野・高解像度カメラにより,広い範囲でユーザの視線を推定できる.提案手法によって,例えば視線連動型の広告(看板)のように「公共の場」での利用を狙った視線インタラクティブシステムが実現できる。本稿では,「公共の場」での利用を想定した視線インタラクティブシステムの例として,ユーザの見たエリアに関する付加的な情報を,音声とぬいぐるみロボットの動作により提示する,インタラクティブロボット看板システムについて紹介し,その実証実験の様子についても報告する.