著者
桑原 教彰 桑原 和宏 安部 伸治 須佐見 憲史 安田 清
出版者
The Japanese Society for Artificial Intelligence
雑誌
人工知能学会論文誌 = Transactions of the Japanese Society for Artificial Intelligence : AI (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.396-405, 2005-11-01
参考文献数
22
被引用文献数
6 4

Providing good home-based care to people with dementia is becoming an important issue as the size of the elderly population increases. One of the main problems in providing such care is that it must be constantly provided without interruption, and this puts a great burden on caregivers, who are often family members. Networked Interaction Therapy is the name we call our methods designed to relieve the stress of people suffering from dementia as well as that of their family members. This therapy aims to provide a system that interacts with people with dementia by utilizing various engaging stimuli. One such stimulus is a reminiscence video created from old photo albums, which is a promising way to hold a dementia sufferer's attention for a long time. In this paper, we present an authoring tool to assist in the production of a reminiscence video by using photo annotations. We conducted interviews with several video creators on how they used photo annotations such as date, title and subject of photos when they produced the reminiscence videos. According to the creators' comments, we have defined an ontology for representing the creators' knowledge of how to add visual effects to a reminiscence video. Subsequently, we developed an authoring tool that automatically produces a reminiscence video from the annotated photos. Subjective evaluation of the quality of reminiscence videos produced with our tool indicates that they give impressions similar to those produced by creators using conventional video editing software. The effectiveness of presenting such a video to people with dementia is also discussed.
著者
米澤 朋子 山添 大丈 内海 章 安部 伸治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.308, pp.5-12, 2007-11-04
被引用文献数
2

本稿では,遠隔視線検出技術により共同注視とアイコンタクトを用いぬいぐるみ型ロボットと人の視線コミュニケーションを実現したシステムを紹介する.ロボットは,1)ユーザがロボットの周辺を見ているときは,同一箇所へ顔を向け,2)ユーザがロボットを見たときは,目があったことを表すため身振りやうなずきといったジェスチャと音声を用いるといったように,ユーザの視線に応じて反応するよう設計された.遠隔視線検出は,単眼カメラにより顔特徴認識を行い,目の画像から3D眼球モデルを導出することで,非装着型を実現している.被験者実験の主観的/客観的評価により,i)ロボットの興味が想定される対象への被験者の共同注視行動,ii)ロボットの共同注視行動に喚起される,被験者のロボットへの興味,iii)被験者とのアイコンタクトに応じたロボットの反応に喚起される被験者のロボットへの好意,をそれぞれ確認した.
著者
山添 大丈 内海 章 米澤 朋子 安部 伸治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.94, no.6, pp.998-1006, 2011-06-01
被引用文献数
5

従来の視線推定手法のもつ制約を緩和した単眼カメラによる視線推定手法を提案する.これまでに多くの視線推定手法が提案されているが,キャリブレーションが必要,計測範囲が狭いなどの問題があり,その応用範囲はHCIにおける視線計測や視線を用いたインタフェースなどに限られてきた.提案手法では,虹彩と白目のアピアランスをもった三次元眼球モデルを用い,バンドル調整法のように複数フレームにおける観測画像とモデル投影画像の間の投影誤差が最小とすることにより,眼球モデルパラメータを推定する.従来の視線推定手法とは異なり,ユーザが決まった参照点を注視するといった特殊なキャリブレーション動作が必要ない.そのためユーザに視線推定を意識させることなく,自動的にキャリブレーション処理が完了できる.視線推定においても同様に,投影誤差を最小化することにより,視線方向を推定する.実験により,解像度QVGA(320×240)の画像で,約6度の推定精度が得られることを確認した.
著者
山添 大丈 内海 章 米澤 朋子 安部 伸治
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J94-D, no.6, pp.998-1006, 2011-06-01

従来の視線推定手法のもつ制約を緩和した単眼カメラによる視線推定手法を提案する.これまでに多くの視線推定手法が提案されているが,キャリブレーションが必要,計測範囲が狭いなどの問題があり,その応用範囲はHCIにおける視線計測や視線を用いたインタフェースなどに限られてきた.提案手法では,虹彩と白目のアピアランスをもった三次元眼球モデルを用い,バンドル調整法のように複数フレームにおける観測画像とモデル投影画像の間の投影誤差が最小とすることにより,眼球モデルパラメータを推定する.従来の視線推定手法とは異なり,ユーザが決まった参照点を注視するといった特殊なキャリブレーション動作が必要ない.そのためユーザに視線推定を意識させることなく,自動的にキャリブレーション処理が完了できる.視線推定においても同様に,投影誤差を最小化することにより,視線方向を推定する.実験により,解像度QVGA (320 × 240)の画像で,約6度の推定精度が得られることを確認した.
著者
米澤 朋子 鈴木 紀子 安部 伸治 間瀬 健二 小暮 潔
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.50, pp.25-30, 2008-05-21

擬人的媒体等とのインタラクションに伴う音声表現に,連続的な声色表情付与を狙いとし,STRAIGHT を用いた音声モーフィングを同一歌唱者の表情無し歌声-表情付き間歌声間に適用した.合成音の声色の表情強度に関して一対比較を行った結果,第一刺激に比べて第二刺激の表情強度が増す場合と減る場合で,刺激間の差分の知覚が異なることがわかった.これに基づき声色の表情付け手法を議論する.This paper proposes and evaluate a method for synthesizing continuous expressions in vocal timbre by gradually changing spectral parameters based on STRAIGHT speech morphing algorithm among differently expressed singing voices. In order to synthesize natural change of various and continuous strengths of singing voice expressions, a singing voice without expression, "normal," is used as the base of morphing, and singing voices of the particular singer with three different expressions, "dark," "whispery" and "wet," are used as targets. The results of the paired comparison between different strengths of vocal timbre suggested that the decrease of the expression in vocal timbre is more perceived than the increase in some expressions.
著者
桑原 教彰 桑原 和宏 安部 伸治 須佐見 憲史 安田 清
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.20, no.6, pp.396-405, 2005 (Released:2005-09-08)
参考文献数
22
被引用文献数
1 4

Providing good home-based care to people with dementia is becoming an important issue as the size of the elderly population increases. One of the main problems in providing such care is that it must be constantly provided without interruption, and this puts a great burden on caregivers, who are often family members. Networked Interaction Therapy is the name we call our methods designed to relieve the stress of people suffering from dementia as well as that of their family members. This therapy aims to provide a system that interacts with people with dementia by utilizing various engaging stimuli. One such stimulus is a reminiscence video created from old photo albums, which is a promising way to hold a dementia sufferer's attention for a long time. In this paper, we present an authoring tool to assist in the production of a reminiscence video by using photo annotations. We conducted interviews with several video creators on how they used photo annotations such as date, title and subject of photos when they produced the reminiscence videos. According to the creators' comments, we have defined an ontology for representing the creators' knowledge of how to add visual effects to a reminiscence video. Subsequently, we developed an authoring tool that automatically produces a reminiscence video from the annotated photos. Subjective evaluation of the quality of reminiscence videos produced with our tool indicates that they give impressions similar to those produced by creators using conventional video editing software. The effectiveness of presenting such a video to people with dementia is also discussed.
著者
橋本 遼 渡辺 昌洋 安部 伸治 浅野 陽子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.464, pp.113-118, 2012-02-27

インターネットは社会インフラとしての重要性を増し続けており,ICTサービス利用スキルの低い高齢者に対する支援は重要な課題である.本稿では,高齢の初心者がWeb利用方法を教え手と1対1で学習するとき,キーボード,マウスといった入力デバイスの操作の学習と,Webサイトの構造を把握して目的を達成するための探索手順などの概念的な内容の学習を同時に行っており,高い認知負荷が学習を阻害しているという仮説を立て,操作学習と概念的内容の学習を別々に行う分割学習手法を提案する.実験によって提案手法と既存の学習手法を検討した結果,操作学習と概念的内容の学習を別々に実施することで,概念的内容の定着が高まる傾向が見られた.また,副次的にWeb利用意欲の向上を促進する効果も示唆された.
著者
岡本 尚紀 米澤 朋子 山添 大丈 安部 伸治 服部 文夫 萩田 紀博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.35, pp.7-12, 2010-05-07
参考文献数
12

超高齢社会の到来に伴い,一人で生活する高齢者の割合が増加する昨今,日々の生活を支援する仕組みづくりが求められている.本研究は,家族の不在や独居といった状況下において,簡略化された音センサデータを複数用いて,通常生活時・不在時・異常時などの状態識別情報を取得し,関係者に識別結果を伝えることによって,居宅における日常生活支援を目的とする.また簡略化により,音情報のデータ量を削減するとともに,プライバシー保護を考慮しつつ,高齢者が生活している様子を見守ることが可能となる.本稿では,実現のための第一段階として録音データから周波数と時間を単純化した音データを用いることで,簡単な状況識別ができることを示す.
著者
米澤 朋子 山添 大丈 内海 章 安部 伸治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.92, no.1, pp.81-92, 2009-01-01
被引用文献数
7

本論文では,画像処理による非装着型視線推定から検出されたユーザの視線方向に応じ,共同注視とアイコンタクトを段階的に用いながら,視線コミュニケーションにおける振舞いを表すぬいぐるみロボットシステムを提案し,視線コミュニケーションモデルに基づいた視線行動の設計を検証・議論する.擬人的媒体の異なる視線行動によるユーザの印象や行動への影響を評価した結果, (i)ぬいぐるみの視線行動はユーザの無意識的な視線を引き付ける, (ii)ユーザ視線に応じた共同注視行動は自然な印象を与える, (iii)ぬいぐるみのアイコンタクト反応はコミュニケーションにおけるユーザの好意を生じさせる, (iv)その好意は,アイコンタクト反応に加えて共同注視行動も見せることで更に強まる,という結果がそれぞれ示され,段階的に視線行動を用いた視線コミュニケーションモデルの有効性が確認された.
著者
宮原 伸二 藤田 悦郎 安部 伸治 林 泰仁
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.631, pp.81-86, 2003-01-27

ネットワーク上の大量の情報コンテンツに対して,マップ散策型のインタフェースを用いて関連発見的々情報提供を可能とするコンテンツガイドシステム「AssociaGuidelを提案する.AssociaGuidoによって電子地図をメタファとする操作感覚で,直感的にコンテンツの探索が可能となる.本研究では,ネットワーク上の大量のストリーミング映像コンテンツのガイドを実現するブロードバンドコンテンツガイドシステムとしてAssociaGuideを提案する. AssociaGuideの画面七ではブロードバンドコンテンツは,各ジャンルごとに宇宙空間の星雲のように表現され,所望のジャンルにズームインするとサムネイルとして表示される.サムネイルをクリックすることによりプレビュー映像が提示され,映像の世界ですばやく番組の概要を掴むことが可能である.さらに本視聴を指定するとプレイヤーが立ち上がりストリーミングコンテンツを閲覧することができる.このようにAssociaGuideでは,マップ散策空間上で映像サーフィンを楽しむ様々な機能が提供されている.
著者
宮原 伸二 藤田 悦郎 安部 伸治 林 泰仁
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.27, no.8, pp.81-86, 2003-02-03

ネットワーク上の大量の情報コンテンツに対して,マップ散策型のインタフェースを用いて関連発見的な情報提供を可能とするコンテンツガイドシステム「AssociaGuide」を提案する.AssociaGuideによって電子地図をメタファとする操作感覚で,直感的にコンテンツの探索が可能となる.本研究では,ネットワーク上の大量のストリーミング映像コンテンツのガイドを実現するブロードバンドコンテンツガイドシステムとしてAssociaGuideを提案する.AssociaGuideの画面上ではブロードバンドコンテンツは,各ジャンルごとに宇宙空間の星雲のように表現され,所望のジャンルにズームインするとサムネイルとして表示される.サムネイルをクリックすることによりプレビュー映像が提示され,映像の世界ですばやく番組の概要を掴むことが可能である.さらに本視聴を指定するとプレイヤーが立ち上がりストリーミングコンテンツを閲覧することができる.このようにAssociaGuideでは,マップ散策空間上で映像サーフィンを楽しむ様々な機能が提供されている.
著者
宮原 伸二 藤田 悦郎 安部 伸治 林 泰仁
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.629, pp.81-86, 2003-01-27

ネットワーク上の大量の情報コンテンツに対して,マップ散策型のインタフェースを用いて開運発見的が情報提供を可能とするコンテンツガイドシステム「AssociaGuide」を提案する.AssociaGuideによって電子地図をメタファとする操作感覚で,直感的にコンテンツの探索が可能となる.本研究では,ネットワーク上の大量のストリーミング映像コンテンツのガイドを実現するブロードバンドコンテンツガイドシステムとしてAssociaGuideを提案する. AssociaGuideの画面上ではブロードバンドコンテンツは,各ジャンルごとに宇宙空間の星雲のように表現され,所望のジャンルにズームインするとサムネイルとして表示される.サムネイルをクリックすることによりプレビュー映像が提示され,映像の世界ですばやく番組の概要を掴むことが可能である.さらに本視聴を指定するとプレイヤーが立ち上がりストリーミングコンテンツを閲覧することができる.このようにAssociaGuideでは,マップ散策空間上で映像サーフィンを楽しむ様々な機能が提供されている.
著者
山添 大丈 内海 章 米澤 朋子 安部 伸治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.138, pp.87-92, 2008-07-10

本稿では,単眼視線推定手法と広視野・高解像度カメラの組み合わせによる多人数視線推定手法を提案する.これまでに多くの視線推定手法が提案されているが,キャリブレーションが必要,計測範囲が狭いなどの問題があり,その適用範囲は実験室内のような限られた空間や特定の被験者に限られていた.提案手法では眼球モデルの自動キャリブレーションが可能で,ユーザはキャリブレーション動作を意識する必要がない。また広視野・高解像度カメラにより,広い範囲でユーザの視線を推定できる.提案手法によって,例えば視線連動型の広告(看板)のように「公共の場」での利用を狙った視線インタラクティブシステムが実現できる。本稿では,「公共の場」での利用を想定した視線インタラクティブシステムの例として,ユーザの見たエリアに関する付加的な情報を,音声とぬいぐるみロボットの動作により提示する,インタラクティブロボット看板システムについて紹介し,その実証実験の様子についても報告する.
著者
西本 一志 安部 伸治 宮里 勉 岸野 文郎
出版者
社団法人人工知能学会
雑誌
人工知能学会誌 (ISSN:09128085)
巻号頁・発行日
vol.11, no.6, pp.896-904, 1996-11-01
被引用文献数
8

In this paper, we discuss an effective method to retrieve pieces of information from a different viewpoint. The main purpose of retrieving such information is to support human divergent thinking. Brainstorming is a well-known method for supporting human divergent thinking and experience tells us that it is effective that an outsider attends a brainstorming session being held by only experts of the same domain. The goal of our research is to construct a virtual outsider system. The method of information retrieval discussed in this paper is one of the important elements to realize the system. We proposed "An outsider model" to retrieve such information and constructed a prototype system based on the model. Moreover, we discussed what kind of information effectively stimulates human divergent thinking and proposed an subjective evaluation method whether a piece of information is effective for supporting human divergent thinking or not. Using the prototype system, we conducted subjective experiments and evaluated results based on the evaluation method. By these experiments, we got the following results : Using the outsider model, (1) medium relevant as well as medium unexpected information can effectively be gotten, (2) Furthermore, there is possibility to obtain highly relevant as well as highly unexpected information, too. Such information is expected to effectively stimulate human divergent thinking and is hard to be gotten without any mechanism like the outsider model to obtain hidden relevance along with relevance.