著者
米澤 朋子 ブライアンクラークソン 間瀬 健二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.8, pp.2810-2820, 2002-08-15
参考文献数
12
被引用文献数
9

本論文では,文脈に応じた音楽表現を用いた,新しいぬいぐるみインタラクションを提案し,その効果を評価するものである.様々なセンサを埋め込んだぬいぐるみとの接触インタラクションにより,あらかじめ与えたぬいぐるみの内部状態を変化させ,その状態に応じた音楽を生成するシステムを実装した.また,人間同士のコミュニケーションにおける,本システムの音楽表現による効果を評価した.We present a sensor-doll capable of music expression as a sympathetic communication device. The doll has a computer and various sensors to recognize its own situation and the activities of the user. It also has the internal ``mind'' states to reflect different situated contexts.The user's multimodal interaction with the passive doll is translated into musical expressions that depend on the state of mind of the doll. Finally we evaluate the effect ofmusic expression to the human communication using the tactile doll.
著者
伊藤 直也 岡田 佑一 米澤 朋子
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2020-ICS-198, no.8, pp.1-8, 2020-02-29

本稿では,ユーザが SNS のつながりを通じ特定のジャンルの知識を獲得することを目指し,適切なレベルや範囲の知識を有した人たちを集めたコミュニティを形成する他ユーザとのつながりの最適化手法を提案する.Twitter ユーザのアカウントを大量に集め,各アカウントの知識量を算出し,アカウント数やツイート数を制約として与えながら知識量を最大化する最適化問題を解くことでコミュニティ構成を決定する.被験者実験の結果から,提案する最適化手法により得られたユーザ群はランダムに選ばれたユーザ群と比較して有意に当該ジャンルの知識が表れていると解釈されたことが示された.
著者
吉田直人 中谷友香梨 久保嶋健人 米澤朋子
雑誌
2014年度 情報処理学会関西支部 支部大会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, 2014-09-10

本研究では、擬似的な肺を内包したぬいぐるみロボットを用いて、腹部の膨張収縮と呼気の排出を一体とした呼吸運動を提案する。腹部の膨張と呼気による触覚提示がユーザの安心感とぬいぐるみロボットの「生きている」感覚に与える影響を検証する。
著者
木村圭裕 吉田侑矢 米澤朋子
出版者
[情報処理学会関西支部]
雑誌
2014年度 情報処理学会関西支部 支部大会 講演論文集 (ISSN:1884197X)
巻号頁・発行日
vol.2014, 2014-09-10

通常のライブ演奏では、観客の存在による演奏者の緊張や興奮など様々な感情への影響があると考えられる。本研究では、3DCGを用いたVRライブシミュレーションにおいて、観客エージェントを介した視聴者の存在が演奏者に対して与える影響を検討する。
著者
植田浩章 中谷友香梨 米澤朋子
雑誌
2014年度 情報処理学会関西支部 支部大会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, 2014-09-10

本研究は、母親型エージェントが代理でSNS上のメッセージ情報を編纂し、その内容に沿って会話形式でユーザーに伝達することを目的としたシステムである。これにより、多人数間の繋がりから発生するSNS疲れを軽減できると考えられる。
著者
清水 里美 郷間 英世 船曳 康子 米澤 朋子
出版者
平安女学院大学短期大学部
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

(1)1歳6ヵ月児健診、3歳児健診、および5歳児健診時における発達スクリーニングに適した項目と保護者向けの発達評価に関する問診項目を選定し、タブレットで反応を収集分析できるシステムを開発する(2)開発したタブレット版発達スクリーニング検査を各健診の該当年齢児に実施し、新版K式発達検査の2020年版の標準化データと比較する。また、タブレット版実施時に行動を直接観察評価し、タブレットによる取得情報と比較する。以上の分析を通じてタブレット版の有効性について検討する(3)クリニック等に協力を求め、臨床事例にタブレット版発達スクリーニング検査をおこない、適用可能性を検証する
著者
米澤 朋子 山添 大丈 内海 章 安部 伸治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.308, pp.5-12, 2007-11-04
被引用文献数
2

本稿では,遠隔視線検出技術により共同注視とアイコンタクトを用いぬいぐるみ型ロボットと人の視線コミュニケーションを実現したシステムを紹介する.ロボットは,1)ユーザがロボットの周辺を見ているときは,同一箇所へ顔を向け,2)ユーザがロボットを見たときは,目があったことを表すため身振りやうなずきといったジェスチャと音声を用いるといったように,ユーザの視線に応じて反応するよう設計された.遠隔視線検出は,単眼カメラにより顔特徴認識を行い,目の画像から3D眼球モデルを導出することで,非装着型を実現している.被験者実験の主観的/客観的評価により,i)ロボットの興味が想定される対象への被験者の共同注視行動,ii)ロボットの共同注視行動に喚起される,被験者のロボットへの興味,iii)被験者とのアイコンタクトに応じたロボットの反応に喚起される被験者のロボットへの好意,をそれぞれ確認した.
著者
山添 大丈 内海 章 米澤 朋子 安部 伸治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.94, no.6, pp.998-1006, 2011-06-01
被引用文献数
5

従来の視線推定手法のもつ制約を緩和した単眼カメラによる視線推定手法を提案する.これまでに多くの視線推定手法が提案されているが,キャリブレーションが必要,計測範囲が狭いなどの問題があり,その応用範囲はHCIにおける視線計測や視線を用いたインタフェースなどに限られてきた.提案手法では,虹彩と白目のアピアランスをもった三次元眼球モデルを用い,バンドル調整法のように複数フレームにおける観測画像とモデル投影画像の間の投影誤差が最小とすることにより,眼球モデルパラメータを推定する.従来の視線推定手法とは異なり,ユーザが決まった参照点を注視するといった特殊なキャリブレーション動作が必要ない.そのためユーザに視線推定を意識させることなく,自動的にキャリブレーション処理が完了できる.視線推定においても同様に,投影誤差を最小化することにより,視線方向を推定する.実験により,解像度QVGA(320×240)の画像で,約6度の推定精度が得られることを確認した.
著者
山添 大丈 内海 章 米澤 朋子 安部 伸治
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J94-D, no.6, pp.998-1006, 2011-06-01

従来の視線推定手法のもつ制約を緩和した単眼カメラによる視線推定手法を提案する.これまでに多くの視線推定手法が提案されているが,キャリブレーションが必要,計測範囲が狭いなどの問題があり,その応用範囲はHCIにおける視線計測や視線を用いたインタフェースなどに限られてきた.提案手法では,虹彩と白目のアピアランスをもった三次元眼球モデルを用い,バンドル調整法のように複数フレームにおける観測画像とモデル投影画像の間の投影誤差が最小とすることにより,眼球モデルパラメータを推定する.従来の視線推定手法とは異なり,ユーザが決まった参照点を注視するといった特殊なキャリブレーション動作が必要ない.そのためユーザに視線推定を意識させることなく,自動的にキャリブレーション処理が完了できる.視線推定においても同様に,投影誤差を最小化することにより,視線方向を推定する.実験により,解像度QVGA (320 × 240)の画像で,約6度の推定精度が得られることを確認した.
著者
米澤 朋子 鈴木 紀子 安部 伸治 間瀬 健二 小暮 潔
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.50, pp.25-30, 2008-05-21

擬人的媒体等とのインタラクションに伴う音声表現に,連続的な声色表情付与を狙いとし,STRAIGHT を用いた音声モーフィングを同一歌唱者の表情無し歌声-表情付き間歌声間に適用した.合成音の声色の表情強度に関して一対比較を行った結果,第一刺激に比べて第二刺激の表情強度が増す場合と減る場合で,刺激間の差分の知覚が異なることがわかった.これに基づき声色の表情付け手法を議論する.This paper proposes and evaluate a method for synthesizing continuous expressions in vocal timbre by gradually changing spectral parameters based on STRAIGHT speech morphing algorithm among differently expressed singing voices. In order to synthesize natural change of various and continuous strengths of singing voice expressions, a singing voice without expression, "normal," is used as the base of morphing, and singing voices of the particular singer with three different expressions, "dark," "whispery" and "wet," are used as targets. The results of the paired comparison between different strengths of vocal timbre suggested that the decrease of the expression in vocal timbre is more perceived than the increase in some expressions.
著者
山田 胡瓜 福地 健太郎 大澤 博隆 宮本 道人 江渡 浩一郎 倉本 到 渡邊 淳司 前田 太郎 中村 裕美 寺島 裕貴 加藤 淳 米澤 朋子 塩見 昌裕 新山 龍馬 宮本 隆史 水野 雄太 櫻井 翔
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.71-77, 2019-12-15

研究者に,漫画家・山田胡瓜流のSF作劇手法を学んでもらった上でSF作品を書いてもらうという『情報処理』特集記事「『AIの遺電子』に学ぶ未来構想術」に寄せられた内の12作品を対象に,山田胡瓜氏を囲んで実施された講評会の様子を記す.各作品に対して,山田氏に加えて講評会に参加した研究らが,その意義や現実の社会に与えうるインパクトについての議論がなされた.議論の中で,『AIの遺電子』に描かれなかった設定についても山田氏本人から語られる場面があった.
著者
竹村 響 石田 真子 米澤 朋子
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2022-MUS-134, no.56, pp.1-9, 2022-06-10

音楽要素の一つである和音には「明るい-暗い」,「安定-不安定」などの感覚を催させる効果があるとされる.本研究では,ユーザと一緒に音楽を聴くエージェントの表情やしぐさによる共感的表現により,音楽を聴く楽しみとして他者との音楽感情の共感やそれによる音楽自体への没入などの効果を狙う.具体的には,和音から推定される,明るさと興奮の 2 軸の感情強度に基づき,顔表情が変化するエージェントシステムを実装した.今回はユーザの音楽経験の有無により,エージェントの表情表出強度,エージェントの溜め息表現がもたらすユーザのエージェントに対する共感度や印象,音楽の印象にどのような影響がみられるかを検証した.その結果,音楽経験者の方が非経験者と比較してエージェントの表情に共感しエージェントの喜怒哀楽を知覚する傾向や,溜め息表現により音楽を豊かに感じる傾向があることが確認された.
著者
孟 曉順 吉田 直人 万 キン 米澤 朋子
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.742-756, 2021

<p>本論文では,鳥肌,発汗,および震えを用いたロボットの皮膚上のクロスモーダルな生理的表現に関する検証を紹介する.人間や他の生物は生理的現象を介して随意的,不随意的な状態を示し,視覚的かつ触覚的表現が皮膚に現れる.特に,上記の3つの不随意表現を組み合わせることにより,感情の表現性と本能的感情の要素や強度に焦点を当てた.検証の結果,ロボットの恐怖感情は,3つの異なる不随意表現のうち1つのみで伝達できたことから,各モダリティの強い有効性による天井効果が起きた可能性がある.この皮膚上のクロスモーダルな生理的表現はロボットの生物感とその他の印象にも影響する.因子分析の結果,恐怖の要素として4因子が抽出された.各因子の標準因子得点の分散分析から,それぞれの因子の表現において3種の不随意な生理表現が有効であること,および少量の発汗と多量の鳥肌表現量の組み合わせにおいて煩慌性が高くなるなど,複数の不随意表現の量的組み合わせにより異なる効果が示された.</p>
著者
秦野 真衣 米澤 朋子 吉井 直子 高田 雅美 城 和貴
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS)
巻号頁・発行日
vol.2012-MPS-87, no.33, pp.1-6, 2012-02-23

本稿では,子どもの空間認識能力を高めるための AR を用いた新たな学習方法を提案する.AR を用いる利点として,物体を実際に動かすことで子どもでも直感的に,動作と視覚の両方の感覚を使って扱うことができる点がある.また,空中に浮いている立体などの仮想立体でも提示することが可能である.本学習方法は,イメージの中で物体を回転させやすくなるような支援を行っている.学習者は AR 空間の中に表示された物体を別の角度から見る場合を想像し,想像された物体を新たに作成するものである.この学習方法による空間認識能力の学習効果を調べるために,小学生を対象とした実験と実験結果による分析を行っている.
著者
孟 曉順 吉田 直人 万 キン 米澤 朋子
出版者
ヒューマンインタフェース学会
雑誌
ヒューマンインタフェース学会論文誌 (ISSN:13447262)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.235-250, 2020-08-25 (Released:2020-08-25)
参考文献数
33

In this paper, we investigate a communication robot that can shows involuntary expressions appearing on its skin such as goose bumps and perspiration to explore the possibility of instinctive reactions of the robot. In communication with others, humans express not only feelings that can be recognized and expressed intentionally, but also instinctive emotions due to physiological reactions that appear reflective and involuntarily before intentional control. The human-robot communication based on the robot’s internal state may become realistic by the expressions of instinctive fear, tension, and relaxation. We verified the effectivenesses of the robot’s expressions of a) goose-bump-like emboss and b) perspiration-like water particles with the testbed robot.
著者
石野力 米澤朋子 中祐介 吉田侑矢
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2013-MUS-100, no.34, pp.1-6, 2013-08-24

本稿では参加者同士が交代で短い演奏情報をシーケンスに投入するネットセッションシステムを提案する.演奏知識や技術を持たなくても単純な音楽情報を交換することでメロディを連鎖させることが可能なシステムである.今回は 4 ステップのシーケンサを用いる手法と,4 本の指に曲げセンサを装着した手袋による手法を紹介する.従来のセッションとの違いは同時性である.本システムでは,非同期でありつつ短い音楽フレーズを投げ合い,つなげた連結フレーズをループ再生し続けることで,お互いの音を聞き,掛け合いのようにして楽しむことができる.これにより,簡単に相手と協調演奏ができる新たな音楽コミュニケーションを成立させることを狙う.