著者
藤岡 達也
出版者
上越教育大学
雑誌
上越教育大学研究紀要 (ISSN:09158162)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.1-10, 2008
被引用文献数
1

本稿では、近年の自然災害に関する防災・減災への国際的な取組の動向を国連の機関(UN/ISDR)を中心に概観し、持続可能な開発のための教育(ESD)が推進されていく上での意義と課題を探る。その中で、特に教育に期待されている内容に焦点をあて、兵庫行動枠組2005-2015(HFA)の観点から学校教育を中心に日本に期待される役割について論じる。また、HFAを構築する日本における自然災害の復興の例として、2007(平成19)年7月16日に生じた中越沖地震での柏崎市の学校と上越教育大学の支援活動を取り上げる。この支援活動の意義と課題を踏まえながら、ESD構築のための今後の地震等大規模災害時における学校安全や教員の役割等についても考察する。In this paper, in the first place, I would like to overview the international current for natural disaster reduction through the consideration of activities of United Nations International Strategy for Disaster Reduction (UN/ISDR). In the second place, especially I focus on the contexts concerning education and see the construction of Education for Sustainable Development (ESD) in Japan. After that, I discuss the safer school and roles of teachers from the Viewpoint of Hyogo Framework for Action 2005-2015 (HFA).\Furthermore I will take an example to illustrate the natural disaster reduction by the development of HFA in Japan, After The Niigataken Chuetsu-Oki Earthquake in 2007 occurred, Joetsu University of Education sends students for damaged primary schools in Kashiwazaki City. In addition to these considerations of the significance and problems of these activities, the safer schools and roles of school teachers after the natural disaster such as great earthquake will be brought to light for the construction of ESD in schools.
著者
五島 政一 小林 辰至 熊野 善介 下野 洋 品川 明 平田 大二 岡本 弥彦 三宅 征夫 鳩貝 太郎 立田 慶裕 田代 直幸 笹尾 幸夫 清原 清一 日置 光久 加納 誠 藤岡 達也 田口 公則 小川 義和 市川 智史
出版者
国立教育政策研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

子どもが主体的に学び、科学を好きになる教育実践プログラムを多数開発した。そして、その教育システムを開発するために、指導者である教の資質・能力を育成する生涯学習プログラムのモデルを開発した。
著者
脇島 修 猿田 茂 藤岡 達也 江坂 高志 山本 勝博 永尾 好輝 角谷 知彦 脇島 修 柚木 朋也
出版者
大阪府教育センター
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

PHS回線を利用した情報通信ネットワークを構築し、大阪府教育センターと研究協力員の小学校において、物理領域(1校)、化学領域(3校)、生物領域(2校)の遠隔実験授業を実践した。通信用のソフトウェアとしてはMicrosoft社のNetMeetingを使用している、画像等はデジタルビデオカメラで、音声はマイクでパソコンに取り込まれ、PHSで学校に配信される。通信速度が最大64kbsであるため、フレーム数は1秒間に1ないし2コマである。電波状態が良好な場合でも、速い現象には追随できない。動画は予め、ファイルで転送しておく。配信された画像やファイルはクラス全員が見やすいようにプロジェクターで拡大した。授業内容については、物理領域においては、「電流のはたらき」による発熱に焦点をあてた。発熱と発光に関連して、液体窒素中で炭素芯に電流を流し、発光させ、電球への仕組みへと発展させた。化学分野については「ものの溶け方」の項目の中で溶液からの巨大結晶づくりに関連するものであった。生物分野ではモンシロチョウの卵から成虫になる過程や昆虫の体のつくりを学習させた。特に、昆虫の食べ物や食べ方に焦点をあて、電子顕微鏡を用いた昆虫の口のつくりの観察を含めて小学校3年で2校実践した。授業実施後の児童へのアンケート調査によれば、今後も今回のような遠隔授業を受けたいと答えたものが96.7%あった。また、授業の内容がよくわかった及びだいたいわかったと答えたものの割合も81.5%あり、今回の授業の内容が発展的であることを考えあわせると、この遠隔授業により、児童の興味関心が引き出され、理解を進めたといえる。