著者
平岡 喜代典 高橋 和徳 中原 敏雄 寺脇 利信 岡田 光正
出版者
社団法人 環境科学会
雑誌
環境科学会誌 (ISSN:09150048)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.391-396, 2000-08-31 (Released:2010-06-28)
参考文献数
17
被引用文献数
5

岩国飛行場地先において,アマモ場内の裸地(水深0,1,2m)にアマモ草体を移植することにより,アマモの生育制限要因を検討した。水深0mのアマモ場対照地では,株密度は春から夏の高波浪時に減少し,水深1,2mと異なる季節変化を示した。水深2m(アマモの分布下限付近)の水中光量は,年間平均で3E/m2 /dayと推定され,光量がアマモの生育制限要因と考えられた。水深0mの移植株は,台風襲来後波浪による攪乱によって消失したが,水深1,2mでは株密度は対照地とほぼ同水準で推移し,移植後致命的な攪乱がなかったことを示した。また,アマモ場の生育地と近接する裸地は,底質が同様であっても底質内部の貝殻の出現状況に違いがあった。これらの結果から,波浪による攪乱,水中光量及び底質中の物理的性質がアマモの分布に影響する主要な要因と考えられた。
著者
岡田 光正 木下 富雄 吉良 龍夫 黒岩 澄雄 篠崎 吉郎 島津 康男 寺本 英 森下 正明 山口 昌哉 増山 博行 永平 幸雄
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.65-102, 1975-05-20

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。
著者
山根 晶子 岡田 光正 村上 昭彦
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水質汚濁研究 (ISSN:03872025)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.48-53,28, 1990-01-10 (Released:2009-09-10)
参考文献数
9

栄養塩内包マイクロカプセルを海面に散布して, 流出した原油の海洋石油分解菌による分解を積極的に促進して処理する方法を検討した。すなわち, 海洋表面を模擬した上下揺動振盤装置を用いて, 海洋より単離した石油分解菌 Pseudomonas sp.に4種の原油, Arabian light, Berri, Murban, Khafjiを生分解させたところ, 21日間での分解除去率は海水のみでは約20%であったが, マイクロカプセルを投与した場合には43~56%に促進された。活性アルミナカラムクロマトグラフィーによる分画から, 原油成分のうち飽和分が最もよく分解され (75~85%), ついで芳香族分が分解される (55~60%) ことが分かった。各原油5gに対して21日間での分解除去率は1回当りの投与量が116mgでほぼ最大に達した。また7日間での分解除去率 (投与総量116mg) は全除去率の80%以上を示した。投与間隔は7日間までは除去率に影響ないがそれ以上の間隔になると除去率は低下した。
著者
細見 正明 岡田 光正 須藤 隆一
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
衛生工学研究論文集 (ISSN:09134069)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.151-166, 1988 (Released:2010-03-17)
参考文献数
30
被引用文献数
1

An ecological model of Lake Yunoko, a dimictic lake, was developed to obtain quantitative information on the nutrient cycle in Lake Yunoko, particularly the sediment-waterinteractions and to assess various programs for eutrophication control. A multi-component dynamic model for nutrients in the bottom sediment-water system was incorporated into the model, one dimensional water temperature-water quality-ecological model. Good agreement between the model calculations and observed nutrients, chlorophyll-a, and dissolved oxygen concentrations in the water and nutrients concentrations in the bottom sediment was noted. The agreement between the model calculations and the measured nutrient flux from bottom sediment during the summer stagnation period was good. The effectiveness of eutrophication control programson chlorophyll-a concentration in the surface water and dissolved oxygen concentration in the bottom water was assessed using the calibrated model. Sediment dredging decreased nutrient flux from bottom sediment. As a result, chlorophyll-a concentrations in the surface water at autumncirculation period decreased in comparison with those of the control simulation. However, sediment dredging had not an effect on the depression of nutrient release flux after 4 years as compared with the control simulation. The depletion of dissolved oxygen in the bottom water during the summer stagnation period was scarcely restored by dredging only. Artificial circulation increased dissolved oxgen in the bottom water more than 5.2 mg 1-1 throughout the year, whereas chlorophyll-a concentration in the surface water scarcely decreased compared with the control simulation.In the case of 50 percent reduction of external phosphorus loading from the wastewater treatment facility, the annual average chlorophyll-a concentration in the surface water decreased to 79 percentof that of the control simulation for the 4 th year.
著者
鈴木 基之 迫田 章義 藤江 幸一 花木 啓祐 黒田 正和 梶内 俊夫 岡田 光正
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1996

本研究は、使用水のリサイクル推進が、異なる局面で招く恐れのある処理設備および資源・エネルギー消費の増大を定量的に解析し、トータルな環境負荷を増大させない効率的な水再利用プロセス像を明らかにするとともに、そのための今後の技術開発の方向に関して提言を行うことを目的としている。水多消費型の主要産業に対してその排水量・排水性状、現状処理方法、処理水質、リサイクル状況およびエネルギー消費などについて調査を実施した。この調査結果に基づいて、排水および処理水の水質、処理方法と所要エネルギーの関係を示し、エネルギー消費の観点から今後のCOD削減、すなわち処理水質向上目標の設定および処理プロセスの選択のための指針を提案した。生活・事務系排水の循環利用状況の調査結果をもとに、各排水処理システムの設計条件と製造コストを検討し、水の処理レベルと再生水の用途、単位操作の組み合わせ方法とエネルギー消費との関係を解析した。中水道用の水処理プロセスに対して二酸化炭素排出量を指標にライフサイクルアセスメントを行い、膜分離方式は設置面積が小さく、処理水質が優れているが、建設時と運用時の環境負荷が大きいことが定量的に明らかになった。雨水利用についても、ある実例についてその業績を詳細に検討し、処理コストとエネルギー消費の解析を行うとともに、大規模建築物における雨水の利用における水のバランスなどを検討した。加えて、最も広く利用されている好気性生物処理法や、今後導入が期待される生物活性炭処理法と膜分離法などについて、その処理対象物質および処理最適濃度・到達できる処理水質・所要エネルギーとコストについて定量的評価を行い、エネルギー効率を向上できる操作条件を示した。さらに、既存の窒素・リン除去技術の適用範囲、処理能力とエネルギー消費特性を明らかにし、最適な窒素・リン除去方式を選択するため基礎データが得られた。
著者
清木 徹 伊達 悦二 岡田 光正
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.678-687, 2008-07-15
被引用文献数
1 5

干潟及び沿岸海底の脱窒と窒素固定が環境水中でのN収支に果たす役割を調べる目的で,それらの現場速度や環境因子との関係を検討した。定期的に調査した島しょ部の干潟では両プロセスの物質収支がNソースとなっていたが,不定期測定を行った他の干潟ではNシンクのものの方が多く,干潟により両速度の相対的関係は異なっていた。一方,湾海底は全地点シンク作用を示した。また,両速度とも水温と有意な相関が認められ,脱窒速度は水温以外に水中の硝酸濃度及び底泥中のベントス現存量とも有意な相関を示した。脱窒速度とベントスとの関係は,底泥に棲息しているベントスが脱窒菌に何らかの影響を及ぼし脱窒活性を高めている事を示唆していた。
著者
岡田 光正 吉田 勝行 柏原 士郎
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会論文報告集 (ISSN:03871185)
巻号頁・発行日
no.169, pp.79-86, 95, 1970-03-30
被引用文献数
1

In this paper, we report such results of time studies about hospitals, parking places and railway stations as follows. 1. a. At Osaka Univ. Hospital, the number of patients entering this hospital is 1, 929. The peak of arrival is between 9 : 30 and 9 : 35 and the ratio of concentration in 30min. is about 20%. Here, the ratio of concentration is proportion of number of persons entering in 30min. to total accumulation in one day. b. At Osaka City Univ. Hospital, the number of patients entering this hospital is 658. The ratio of concentration in 30min. is about 26%. 2. a. At Nagahori parking place in Osaka, the number of cars entering this parking place is about 1, 500. The ratio of concentration in 60min. is about 13%. b. At Azuchimachi parking place in Osaka, the number of cars entering this parking place is about 500. The ratio of concentration in 60min. is about 14%. 3. a. At. Osaka City underground railway stations, the ratio of concentration in 60min. is about 25%. b. At Japan national railway stations, the ratio of concentration in 60% is about 17%.