- 著者
-
岩間 徳兼
- 出版者
- 一般社団法人 日本教育工学会
- 雑誌
- 日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
- 巻号頁・発行日
- vol.47, no.2, pp.237-248, 2023-06-20 (Released:2023-07-14)
- 参考文献数
- 18
近年,様々な学習場面において相互評価が用いられるようになっている.しかしながら,評価者特性や評価者における評価負担などの問題があり,教育評価のための利用はあまり行われていないのが実情である.そこで本研究では,厳しさや一貫性といった評価者特性を組み込んだ項目反応モデルの利用を前提に,モデル母数の推定精度の点から評価数をどの程度減らせるかを実践に即したシミュレーションから確認した.また,その結果に基づいて20名規模の大学の授業における教育実践として,評価数を計画的に減らして相互評価を行わせ,そのデータの分析を通じて教育評価のための情報を得ることを試みた.実データの分析から,評価数を抑えつつも,課題の特性,評価者の特性,能力について,教育改善に資するような情報が得られることが示された.