著者
岩間 徳兼
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.237-248, 2023-06-20 (Released:2023-07-14)
参考文献数
18

近年,様々な学習場面において相互評価が用いられるようになっている.しかしながら,評価者特性や評価者における評価負担などの問題があり,教育評価のための利用はあまり行われていないのが実情である.そこで本研究では,厳しさや一貫性といった評価者特性を組み込んだ項目反応モデルの利用を前提に,モデル母数の推定精度の点から評価数をどの程度減らせるかを実践に即したシミュレーションから確認した.また,その結果に基づいて20名規模の大学の授業における教育実践として,評価数を計画的に減らして相互評価を行わせ,そのデータの分析を通じて教育評価のための情報を得ることを試みた.実データの分析から,評価数を抑えつつも,課題の特性,評価者の特性,能力について,教育改善に資するような情報が得られることが示された.
著者
岩間 徳兼
出版者
北海道大学高等教育推進機構高等教育研究部
雑誌
高等教育ジャーナル : 高等教育と生涯学習 (ISSN:13419374)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.121-127, 2022-03

High schools and secondary schools are major stakeholders in university entrance examinations. In order for the examinations to function properly, it is desirable for those schools and the university to understand each other’s activities and have a good relationship. This time, I planned regular surveys to achieve this. I gave them an interface function for exchanging opinions. In this paper, I report on the preliminary survey and the first main survey conducted in 2021. In the preliminary survey, I checked whether the purpose of main surveys would be acceptable by the school officials and confirmed several points that might cause problems in the implementation of the main surveys. The first main survey was conducted by utilizing the results of the preliminary survey, and no major problems were found in the implementation.
著者
豊田 秀樹 秋山 隆 岩間 徳兼
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.209-225, 2014

テストを構成している項目の性質を調べる際の有用な方法の一つとして項目特性図がある。項目特性図は設問項目における受験者の正答率を用いて, 当該項目がどのような性質, 特性を有していたのかを分析するための道具である。項目特性図作成の際に, 分析者は受験者を任意の数の群に分ける作業が必要となる。経験的に5群に分割されることが多いものの, 群数を決定するための明確な基準, 根拠は知られていない。群への分割数の選択について, 統計的な基準や根拠を与えることができれば, 項目特性図を用いて項目の性質を調べる上で便利である。本論文では項目特性図における情報量規準を用いた群数の選択法を論じる。シミュレーションを行い, 与えられた真の群数を推奨可能であることが示唆された。また, 実データへの適用例を通じて提案手法が妥当な群数を推奨可能であることを示す。