著者
横山 拓 鈴木 宏昭 寺尾 敦
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.255-268, 2023-09-01 (Released:2023-09-15)
参考文献数
46

The purpose of this paper is to develop a model of meta learning in acquiring expertise in the field of insight problem solving. We gave 4 participants a series of 12 geometric insight problems and analyzed the process microscopically. By modeling causal relationships between observed variables using covariance structure analysis, we found that 1) an increase in both variety of trials and appropriateness of evaluation improves performance, 2) the variety of trials and appropriateness of evaluation are enhanced by activating cognitive coordination with external resources; that is, epistemic interaction with external resources to distribute the cognitive load to the environment and find information that is hidden or hard to compute mentally. These findings suggest that meta learning is a result of the activation of the interaction between the cognitive component (variety of trials and appropriateness of evaluation) and the situational-perceptual component (cognitive coordination with external resources).
著者
寺尾 敦
出版者
青山学院大学
雑誌
青山社会情報研究 (ISSN:18837638)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.1-15, 2010

This paper reports a case of "cognitive counseling" in which an undergraduate student received support and training for learning from a statistics textbook. She took a required introductory statistics course and had difficulty in understanding the textbook. The goal of the counseling sessions was to enhance her skills for understanding statistics textbooks and acquiring enough knowledge to pass the final examination. The support and training in the counseling sessions included the selection of learning topics, use of learning strategies, and understanding textbooks on her own. At the end of several sessions, she showed improvement in her skills in reading the statistics textbooks and she passed the final examination.
著者
アダムズ サム S. アレル イタマール バッハ ヨシャ クープ ロバート ファーラン ロッド ゲーツェル ベン ホール ジョシュ ストアズ サムソノヴィッチ アレクセイ ショイツ マティアス シュレジンガー マシュー シャピロ スチュアート ソワ ジョン 篠田 孝祐 市瀬 龍太郎 ジェプカ ラファウ 寺尾 敦 船越 孝太郎 松島 裕康 山川 宏
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能 (ISSN:21882266)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.241-257, 2014-05-01 (Released:2020-09-29)

本論文では人間レベルの汎用人工知能(Artificial General Intelligence:以下AGI)の実現に向けたロードマップの概要を述べる.AGI一般に関する議論から始め,実現への現実的な目標および特性と必要条件に関して基本的な定義を行い,AGIが備えるべき能力の起点となる展望(全体図)を示す.具体的には,発達心理学からAGIの主要テーマを導出し,数学的・生理学的・情報処理的観点から実装に必要な知見を得る.AGIの性能評価に適したタスクと環境を同定し,AGIの全体図上のロードマップを構成するマイルストーンとして七つのシナリオを示すことで,さらなるAGI研究や連携の方向性を提示する.
著者
寺尾 敦
出版者
日本デジタル教科書学会
雑誌
日本デジタル教科書学会年次大会発表原稿集 日本デジタル教科書学会第5回年次大会 (ISSN:2188062X)
巻号頁・発行日
pp.79-80, 2016 (Released:2017-06-14)
参考文献数
3

教職科目「教育方法の研究(中等教育)」において,デジタル教科書の利用法を教育する2回の授業をデザインした.出版社がウェブで公開しているデジタル教科書のサンプルを体験することで,動画の埋め込みなど,紙の教科書と比較してのデジタル教科書の基本的特徴は,学生が自力で発見することができた.タブレット端末がネットワークにつなげられることを利用した教育方法と,デジタル教科書導入の問題点については,講義を行った.後日,電子黒板を使用し,デジタル教科書との連携についての実習を行った.期末試験において,デジタル教科書の導入によりどのような授業が可能になるかを記述する問題を出題した.この教職科目の授業でとりあげた内容の多くは答案に反映されており,授業デザインは適切であったことが示された.
著者
室橋 春光 河西 哲子 正高 信男 豊巻 敦人 豊巻 敦人 間宮 正幸 松田 康子 柳生 一自 安達 潤 斉藤 真善 松本 敏治 寺尾 敦 奥村 安寿子 足立 明夏 岩田 みちる 土田 幸男 日高 茂暢 蓮沼 杏花 橋本 悟 佐藤 史人 坂井 恵 吉川 和幸
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

発達障害は生物学的基盤を背景とし、社会的環境の影響を強く受けて、非平均的な活動特性を生じ、成長途上並びに成人後においても様々な認知的・行動的問題を生ずる発達の一連のありかたである。本研究では発達障害特性に関する認知神経科学的諸検査及び、社会的環境・生活の質(QOL)に関する調査を実施した。脆弱性と回復性に関連する共通的背景メカニズムとして視覚系背側経路処理機能を基盤とした実行機能やワーキングメモリー機能を想定し、事象関連電位や眼球運動等の指標を分析して、個に応じた読みや書きなどの支援方法に関する検討を行った。また、QOLと障害特性調査結果の親子間の相違に基いた援助方法等を総合的に検討した。
著者
石井 志昂 山田 剛史 中原 敬広 村井 潤一郎 杉澤 武俊 寺尾 敦
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S45033, (Released:2021-09-27)
参考文献数
1

本研究は,ベイズ統計学に基づくデータ分析を学習可能な,統計ソフトR を用いた心理統計の自習用Web 教材の試作,及び評価を行った.教材評価は,(1)学習者の教材学習状況,(2)R,及びベイズ統計学に対するイメージの変化,(3)学習後のインタビュー調査から行った.結果より,本研究で試作したWeb 教材の学習によりR を身近に感じるようになるとともに,コードを書きながら学習可能な点に対し肯定的な意見が得られた.一方,学習を行った参加者の約半数が教材の最後まで学習を終えることができず,教材の導入部分や章ごとの問題量について課題が示唆された.
著者
山田 剛史 村井 潤一郎 杉澤 武俊 寺尾 敦
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究の目的は,心理統計担当教員間で共有できるテスト問題の項目データベースの開発を行うことであった。具体的な成果は,(1)これまでの研究成果(基盤研究(C)課題番号:17530478)を発展させ改良を加えた,心理統計テスト項目データベースの開発,(2)データベースのユーザビリティについて,全国の心理統計の講義を担当する大学教員を対象にした試験的運用,基礎データの収集を計画した,といったことをあげることができる。
著者
寺尾 敦 楠見 孝
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.461-472, 1998-12-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
50
被引用文献数
4 2

本レビューは数学的問題解決 (特に代数文章題の解決) における転移を促進する知識の獲得に焦点を当てたものである。数学の問題には「類似」目標課題と呼ばれるある難しい問題のクラスが存在する。どのような知識がこの類似目標課題への転移を促進するのかという問題の検討が本レビューの目的である。研究を整理するために, 獲得される知識の違いに関して,「例題アプローチ」「解法構造アプローチ」「構造生成アプローチ」という類別を用いた。「例題アプローチ」では, 獲得すべき知識は多数の例題とその解法であるとされる。このアプローチは類似問題への転移という問題に答えるものではなかった。「解法構造アプローチ」では, 獲得すべき知識は解法構造すなわち等式の形レベルの抽象的知識であるとされる。このアプローチにはこれを支持する実験的証拠が不足していた。「構造生成アプローチ」では, 獲得すべき知識は等式レベルより抽象的な解法生成のアイデアであるとされる。このアプローチは, まだ実験的証拠が十分でないものの, 最も有望なアプローチであると考えられた。我々は解法生成の知識の獲得に関して今後の研究課題を議論し, 獲得のプロセスを明らかにすることが必要であると主張した。
著者
アダムズ サム S. アレル イタマール バッハ ヨシャ クープ ロバート ファーラン ロッド ゲーツェル ベン ホール ジョシュ ストアズ サムソノヴィッチ アレクセイ ショイツ マティアス シュレジンガー マシュー シャピロ スチュアート ソワ ジョン 篠田 孝祐 市瀬 龍太郎 ジェプカ ラファウ 寺尾 敦 船越 孝太郎 松島 裕康 山川 宏
出版者
社団法人人工知能学会
雑誌
人工知能:人工知能学会誌 (ISSN:21882266)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.241-257, 2014-05-01

本論文では人間レベルの汎用人工知能(Artificial General Intelligence:以下AGI)の実現に向けたロードマップの概要を述べる.AGI一般に関する議論から始め,実現への現実的な目標および特性と必要条件に関して基本的な定義を行い,AGIが備えるべき能力の起点となる展望(全体図)を示す.具体的には,発達心理学からAGIの主要テーマを導出し,数学的・生理学的・情報処理的観点から実装に必要な知見を得る.AGIの性能評価に適したタスクと環境を同定し,AGIの全体図上のロードマップを構成するマイルストーンとして七つのシナリオを示すことで,さらなるAGI研究や連携の方向性を提示する.
著者
寺尾 敦 飯島 泰裕 宮治 裕 伊藤 一成
出版者
青山学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究の目的は,(1) 携帯端末を利用した授業のための学習環境の開発, (2) 携帯端末を利用した新しい教育方法の探求, (3) モバイルラーニングに適した学習ウェブサイトあるいはアプリケーションの開発,であった.スマートフォンやタブレットなどの携帯端末を利用した学習を行うための環境(学習管理システム)を開発した.デザイン科学のパラダイムに基づき,携帯端末を用いた授業のデザインを繰り返して,環境,教材,授業の改善を行った