- 著者
-
岸本 覚
- 出版者
- 鳥取大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2011-04-28
18世紀中期~19世紀初頭は、武家に限らずさまざまな個人や集団が祖先への崇敬を具体的に形に表した時期である。本研究では、薩摩藩島津家と長州藩毛利家を事例として、明治維新期の藩祖神格化の特徴を考察した。その結果、西欧文明やキリシタンへの脅威に対抗するかたちで、明治維新期における藩祖の神格化を進行することが明らかになった。さらに、そこには神仏分離過程および戦没者追悼儀礼など明治政権の宗教政策全体を見渡す視点が関係することも指摘した。