著者
川崎 剛志 仁木 夏実
出版者
就実大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

平安時代中期から鎌倉時代後期にかけて、山伏の修験から日本仏教の一道として修験道が成立する過程で、その正統性を支えるのに最も大きな役割を果たしたのが、史実とかけ離れた、現代の視点からすれば荒唐無稽とも映る、修験の起源と歴史を綴った縁起の類であった。本研究では、平安時代後期から鎌倉時代初期に現れたその主要な縁起『大峯縁起』『箕面寺縁起』『諸山縁起』『大菩提山等縁起』の成立と受容について精査し、その結果に基づいて、上記の偽史が修験道の正統性を創出し、さらに三国伝来の日本仏教の正統の系譜を更新した事実を解明する。
著者
阿部 泰郎 稲葉 伸道 山崎 誠 福島 金治 末木 文美士 岡田 荘司 川崎 剛志 近本 謙介
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

本研究の中心的対象である真福寺大須文庫の聖教典籍について、当初の方針にもとづき、基幹となる聖教を、全115合中50合まで調査を行い、カードに再訪し、そのうち40合まで、すなわち教相書の全てと事相書の前半部分にっいてデータ入力を終えた。そのうち20合までは報告書に略目録を収めた。調査の過程で発見した貴重な文献については、その一部を臨川書店『真福寺善本叢刊』第2期に影印翻刻と解題を付して、既に9巻を公刊している。本研究期間中には、『伝記験記集』『真福寺古目録集二』『法儀表白集』『伊勢神道集』『聖徳太子伝集』『中世先徳著作集』『性霊集注』の7巻が刊行された。本研究において真福寺の聖教典籍のうち、特に平安鎌倉期の諸宗の章疏や記録および神祇書については、二世信瑜を介した東大寺東南院伝来の文献群であることが明らかになり、中世真言教学興隆の中心的学僧であった頼瑜の著作群と併せて、真福寺の蔵書の価値が一層解明された。調査の一環として、未整理の大量の断簡について、平成16年度から予備調査を試み、その大半を閲覧し複数の分野で重要な文献を発見し、復原を試みた。その本格的な整理に、次年度からの科研費により着手を予定するが、これにより悉皆調査の基礎が築かれる。真福寺を軸として、中世寺院の経蔵が形成し蓄えた知的体系についての解明と歴史・宗教等諸学の研究との連携が進展し、その文献学一目録学的研究の重要性について学界共通の認識が醸成されつつある。特に説話文学会シンポジウム・ワークショップなどで文庫の保存の意義を社会に向けて発信した。なお関連する中世文学研究上の主題にっいて、本科研費の支援を得て毎年度公開研究集会を開催し、多大な成果を挙げた。勧修寺大経蔵聖教の調査については、入力されたデータの原本による確認を継続して遂行し全体の30%が完了している。
著者
川崎 剛
出版者
JAPAN ASSOCIATION OF INTERNATIONAL RELATIONS
雑誌
国際政治 (ISSN:04542215)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.154, pp.154_115-154_128, 2008-12-30 (Released:2011-01-26)
参考文献数
17

The study in Japan of modern Japanese foreign affairs has been dominated by diplomatic historians. Consequently, we still have a poor understanding as to how much Japanese diplomatic experiences actually support the general theories of international relations. This paper attempts to rectify the problem in the area of alliance formation. It tests Stephen Walt's balance-of-threat hypothesis while taking into account the “bandwagon for profit” argument advanced by Randall Schweller. Its core finding is that the Japanese cases overwhelmingly support the balance-of-threat hypothesis: Japan formed 12 alliances against threats out of its 14 threat-facing experiences (in the remaining 2 cases, Japan could not find alliance partners and did not bandwagon with the sources of threat). The paper also identifies one case of “bandwagon for profit” (the third Anglo-Japanese alliance). It furthermore has found many dual-purpose alliances in which Japan used its alliance not only as a military instrument against threats but also as a political tool to manage its hegemony over subordinate polities.
著者
川崎 剛志 曽根 正人 佐藤 明浩 近本 謙介
出版者
就実大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

まず行尊の伝記研究では、史実研究と偶像研究との双方を視野に入れて研究を進め、その成果として川崎が「行尊年譜(稿)」を作成した(『研究成果報告書』)。この年譜に基づいて考察すると、史実研究の面では、(1)行尊の宗教活動の中核には護持僧としての活動があり、熊野御幸先達の事績などもその枠組みの中で捉える必要があること、(2)行尊の験功の事例は天台宗寺門派の伝記よりもむしろ『真言伝』に多く記録されており、史実の解明にも有効であることが判明した。他方、偶像研究の面では、(3)天台宗寺門派においては長承三年(1134)園城寺金堂再興供養を最高潮とするかたちで行尊伝が構成されていることが判明し、以後の再興事業において行尊による再興が常に規範とされたことが推測される。上記については研究論文を準備している。次に行尊の詠歌研究では、佐藤がその表現を和歌史上に位置づけるべく試みた(『研究成果報告書』)。行尊の和歌表現は同時代のそれと共通するところが多く、特異な体験によって裏打ちされた特徴的な表現が微温的に現われている、というのが結論である。これらと並行して、行尊が活躍したのと同時期、院政期における他宗の山岳信仰にも目を配り、川崎が南都(興福寺及び真言律宗寺院)における葛木峯=金剛山信仰の展開を跡付けた。なお研究を進めるなかで、行尊の詠歌が、行尊の宗教活動、ひいては後代の天台宗寺門派による偶像化を支える重要な道具として機能したことも一層鮮明となったが、その論証は今後の課題とせざるをえなかった。
著者
石川 一 海野 圭介 川崎 剛志 広嶋 進 深井 紀夫 山本 秀樹 小川 剛生
出版者
人間文化研究機構国文学研究資料館
雑誌
調査研究報告 = Reserch and stady report (ISSN:02890410)
巻号頁・発行日
no.29, pp.215-226, 2009-03-31

はじめに正宗敦夫の生涯と学問蔵書の概要と特色目録と現状これまでの調査と目録の編纂について注附記凡例
著者
岡畑 恵雄 川崎 剛美
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.55, no.7, pp.486-487, 2006-07-01 (Released:2011-10-14)
参考文献数
3