著者
杉森 正義 川本 義海 本多 義明
出版者
The Japanese Society of Snow and Ice
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.179-189, 2005-03-15 (Released:2009-08-07)
参考文献数
9

1945年(昭和20)の地方新聞の記事から,同年寒候期の雪および雪と社会との関わりを調べた.年最大積雪深は161cmで,当時では既往5位,現在では7位である.歴史的には,太平洋戦争の末期で,社会状況は現在からみると異常なものであった.収録の対象は,雪に関係する記事すべてとし,145件あった.記事の特性を調べるため,地域,雪との関係(雪の記事とした根拠),内容,記事のヒーロー,および記事の動機の5個の軸項目で整理し,さらに軸項目間のクロス集計をとった.雪との関係の割合は,雪害発生(6.2%),雪害予防(4.8%),雪対策(35.2%),で,他は雪が介在または背景の記事であった.内容分類では,鉄道,居住地および道路,農業,林業の順で多かった.記事の中で注目を集める誰かをヒーローとすると,地域住民,行政,児童生徒の順であった.記事の動機は,勤労奉仕,事実の報道,職務精励の順であった.以上から,鉄道や農業などの雪対策において,地域住民や児童生徒の勤労奉仕が賞賛されているパターンのものが多く,雪の記事は当時の社会状況を強く反映していることがわかった.また,本報告の解析方法により今の雪問題の議論との接点ができた.
著者
川本 義海 田辺 毅 川上 洋司 KAWAMOTO Yoshimi TANABE Takeshi KAWAKAMI Yoji
出版者
福井大学工学部
雑誌
福井大学工学部研究報告 (ISSN:04298373)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.163-172, 1998-09

This paper aims to grasp and evaluate the present condition of the main streets in central Taipei City that was once under the occupation of japan. At frrst,the way of utilization, the structure and so on of each street are investigated by the field surveys. Then, the streets are evaluated from the viewpoints of safety,smoothness,scenery,location etc. based on japanese and Taiwanese students' consciousness. As the results, it is made clear that japanese students tend to regard "location" as more important factor and Taiwanese students tend to regard "safety" as more important factor in the evaluation of the streets.
著者
川本 義海 川上 祥代 柏 貴子
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2012, 2012

本稿は平成24年3月に敦賀市で実施された福井県原子力防災総合訓練を事例として、福島第一原発事故をふまえた最初の防災訓練の中でもとくに住民の避難と参加の状況に着目し、従前の訓練と今回の訓練の内容および意識の変化を整理・把握する。具体的には、敦賀原発から5キロ圏の全住民を対象とした避難訓練当日の避難対象地区およびオフサイトセンターなどの現場視察、訓練直後に県が参加者に対して実施したアンケートの結果概要、訓練前後の報道記事および訓練後約2ヶ月時の避難対象地区区長などへのアンケートをもとに、今回の訓練から得られた成果と課題を明らかにする。これらにより、今後国の正式な防災指針の見直しを受けて策定されることになる県の原子力防災計画策定の一助とすべき現状を共有化することを目的とする。
著者
川本 義海 伊豆原 浩二 本多 義明
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
no.16, pp.801-808, 1999

本研究は、地域構造分析により交通制約の大きい県境部の道路整備の方向性を提起することを目的としたものである。ここではまず県境部の道路の実状を把握した。次に北陸3県 (富山県、石川県、福井県) において、社会・経済指標の時系列データを用いて地域特性を説明する諸要因を明らかにした。さらにこれらの地域特性を説明する諸要因から市郡を分類し、北陸3県と隣接する中部・近畿の県との県境市郡の地域特性を示すとともに、県境部の道路整備状況との対比により県境地域の課題を示した。最後にケーススタディを通じて、県境地域において地域間の交流と連携を進めるに当たって重要とされる項目とそれらの相互関係をデマテル法により相対的に示し、県境部の道路整備の方向性を示した。
著者
堀井 茂毅 川口 充康 川本 義海 川上 洋司
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
no.22, pp.677-684, 2005

本研究は, 2年余りの運行休止を経て「えちぜん鉄道」として運行再開した地方鉄道に焦点を当て, 鉄道の運行休止・再開が地域にもたらした影響・効果を把握すること, それらを踏まえて今後の利用促進の検討に資する知見を得ることを目的としたものである. 利用者および沿線住民アンケート調査結果にもとづき, 鉄道の運行有一無一有の3つの状況下における人々の交通行動・生活活動, 意識面の変化について分析した結果, 交通手段選択だけでなく, それを通して生活活動面にも多大な影響を及ぼしたこと, 利用者のみならず非利用者に対しても送迎機会の増減や心理面的負荷の増減といった面で影響を及ぼしたこと等を明らかにするとともに, 今後の利用促進に向けてのいくつかの提案を行っている.
著者
杉森 正義 川本 義海 本多 義明
出版者
The Japanese Society of Snow and Ice
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.179-189, 2005-03-15

1945年(昭和20)の地方新聞の記事から,同年寒候期の雪および雪と社会との関わりを調べた.年最大積雪深は161cmで,当時では既往5位,現在では7位である.歴史的には,太平洋戦争の末期で,社会状況は現在からみると異常なものであった.収録の対象は,雪に関係する記事すべてとし,145件あった.記事の特性を調べるため,地域,雪との関係(雪の記事とした根拠),内容,記事のヒーロー,および記事の動機の5個の軸項目で整理し,さらに軸項目間のクロス集計をとった.雪との関係の割合は,雪害発生(6.2%),雪害予防(4.8%),雪対策(35.2%),で,他は雪が介在または背景の記事であった.内容分類では,鉄道,居住地および道路,農業,林業の順で多かった.記事の中で注目を集める誰かをヒーローとすると,地域住民,行政,児童生徒の順であった.記事の動機は,勤労奉仕,事実の報道,職務精励の順であった.以上から,鉄道や農業などの雪対策において,地域住民や児童生徒の勤労奉仕が賞賛されているパターンのものが多く,雪の記事は当時の社会状況を強く反映していることがわかった.また,本報告の解析方法により今の雪問題の議論との接点ができた.
著者
川本 義海
出版者
福井大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

まず道路管理者、交通管理者および道路利用者から指摘された問題点に対するハード面(道路構造面)における対策はそれほど進んでいなく抜本的な改善は困難な状況を把握し、とくにソフト面での対応の重要性を確認した。次にソフト面において対策の要点と考えられる雪道の情報提供による交通マネジメントの方法を提案するために、運転者に有効とされる情報内容、情報入手媒体、情報入手タイミングを検討した。その結果、移動中のタイムリーかつ正確な交通情報の必要性が明らかとなり、とくに道路上で提供されている道路交通情報板が重要であることが確認された。そこで現在提供されている情報の諸問題のうち、これまであまり指摘されることのなかった提供される情報のあいまいさおよび運転者の認識不足に着目し、情報提供側の改善点はもちろん、運転者側の改善点も明らかにすべく、運転者に対して情報の正確な認識と判断の観点から、運転者に対するアンケート調査を通じて提供されている情報に対する運転者からみた評価のランク付けをおこなった。あわせて従来体系的に整理されることのなかった情報の内容をそのレベルに応じて規制、警戒、指示、案内の4つに分類した。これら情報の分類と評価ランクという概念を用いて道路交通情報板で提供されている内容の標示方法の是非、内容の是非についても検討できる基準を提示したとともに、標示の組み合わせによる効果的な情報提供の具体例についても提案した。これにより、情報提供者側の意図と運転者の理解の差を少なくすることが可能となり、より分かりやすく有効な情報提供と享受による冬期の道路交通マネジメントに資することにつながることを示した。