著者
師 茂樹
出版者
春秋社
雑誌
春秋 (ISSN:13436198)
巻号頁・発行日
no.533, pp.20-23, 2011-11
著者
安岡 孝一 ウィッテルン クリスティアン 守岡 知彦 池田 巧 山崎 直樹 二階堂 善弘 鈴木 慎吾 師 茂樹 藤田 一乘
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.355-363, 2022-02-15

Universal Dependenciesに基づいて,『孟子』『論語』『禮記』『十八史略』の依存構造(係り受け)コーパスを製作した.さらに,このコーパスを用いて,古典中国語の文切り・形態素解析・係り受け解析を統合的に行う解析システムも開発した.Universal Dependenciesは,書写言語における品詞・形態素属性・依存構造(係り受け情報)を,言語に依存せず記述する手法である.Universal Dependenciesの係り受け記述は,いわゆる動詞中心主義であり,言語横断的であると同時に,古典中国語における動賓終構造の記述にも適している.ただし,Universal Dependenciesにおけるコピュラ文の記述方法は,古典中国語のコピュラ文との間で微妙に齟齬があり,結果として,補語が節であるようなコピュラ文(約1.6%)に関しては,記述は行えるものの記法上の問題が残った.
著者
師 茂樹
出版者
日本印度学仏教学会
雑誌
印度學佛教學研究 (ISSN:00194344)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.1-9, 2017-12-20 (Released:2019-01-11)
参考文献数
19
被引用文献数
5

According to his stūpa inscription (Tang Chanzhisi gu dade fashi Chongjun ta ming bing xu唐禅智寺故大徳法師崇俊塔銘并序; Based on the glass dry plates of Tokyo National Research Institute for Cultural Properties), Chongjun (696–760) of the Chanzhisi temple in Yang province learned Yogācāra, Buddhist logic, the Lotus sūtra and Nirvāna sūtra from Zhizhou 智周,and traveled to Tufan 吐蕃 or Tibet. Faqing (or Faxiang), his immediate disciple, a Buddhist layman, responded to a Tōketsu 唐決 (Questions to the Chinese Buddhists) brought by Japanese monk Tokushō 徳清,according to Zōshun’s 蔵俊 Inmyō daisho shō 因明大疏抄 and Gen’ei’s 玄叡 Daijō sanron daigishō 大乗三論大義鈔.Although it is said that there was no doctrinal development of Chinese Yogācāra after Zhizhou, we can see the international interactions between the Chinese Yogācāra school and the surrounding areas in the 8th century.
著者
安岡 孝一 山崎 直樹 二階堂 善弘 師 茂樹 Wittern C. 池田 巧 守岡 知彦 鈴木 慎吾
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

古典漢文における動詞の作用域、すなわち「動詞の後に置かれる項」のまとまりを、自動抽出する手法の開発をおこなった。具体的には、Universal Dependenciesと呼ばれる文法記述手法を用いて、いわゆる四書(『孟子』『論語』『大學』『中庸』)の係り受けコーパスを制作し、これを用いて、古典漢文の形態素解析と依存文法解析(係り受け解析)をおこなうツールUD-Kanbunを作成した。さらに、このツールを発展させて、動詞の作用域を元に返り点の自動生成をおこない、日本語の活用語尾と助詞を自動で付加することで、自動的に訓読をおこなうツールUD-Kundokuを試作した。
著者
師 茂樹
出版者
Japanese Association of Indian and Buddhist Studies
雑誌
印度學佛教學研究 (ISSN:00194344)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.1126-1132, 2015-03-25 (Released:2017-09-01)

雲英晃耀(きら・こうよう,1831-1910)は,幕末から明治時代にかけて活躍した浄土真宗大谷派の僧侶で,キリスト教を批判した『護法総論』(1869)の著者として,また因明の研究者・教育者として知られる.特にその因明学については,『因明入正理論疏方隅録』のような註釈書だけでなく,『因明初歩』『因明大意』などの入門書が知られているが,その内容についてはこれまでほとんど研究されてこなかった.雲英晃耀の因明学については,いくつかの特徴が見られる.一つは実践的,応用的な面である.雲英は国会開設の詔(1881)以来,因明の入門書等を多数出版しているが,そのなかで共和制(反天皇制)批判などの例をあげながら因明を解説している.また,議会や裁判所などで因明が活用できるという信念から因明学協会を設立し,政治家や法曹関係者への普及活動を積極的に行った.もう一つは,西洋の論理学(当時はJ. S. ミルの『論理学体系』)をふまえた因明の再解釈である.雲英は,演繹法・帰納法と因明とを比較しながら,西洋論理学には悟他がないこと,演繹法・帰納法は因明の一部にすぎないことなどを論じ,西洋論理学に比して因明がいかに勝れているかを繰り返し主張していた.そして,三段論法に合わせる形で三支作法の順序を変えるなどの提案(新々因明)を行った.この提案は西洋論理学の研究者である大西祝や,弟子の村上専精から批判されることになる.雲英による因明の普及は失敗したものの,因明を仏教から独立させようとした点,演繹法・帰納法との比較など,後の因明学・仏教論理学研究に大きな影響を与える部分もあったと考えられる.
著者
石井 公成 森 博達 金 文京 瀬間 正之 奥野 光賢 師 茂樹 董 志翹 鄭 在永 崔 鈆植 馬 駿
出版者
駒澤大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、変格漢文について研究している日本・韓国・中国の専門家たちが参加し、メールの交換や毎年開催した国際研究集会を通じて研究を推進してきた。その結果、古代の日本と韓国における変格漢文の多様なあり方が明らかになり、『日本書紀』や聖徳太子の作とされる三経義疏には、これまで報告されていた用例よりはるかに多い変格漢文の用例が見られることが知られた。これは、『日本書紀』の各部分の著者たちや三経義疏の著者を判定するうえで、きわめて有益な発見である。さらに、新羅の変格漢文についても様々な発見をすることができ、日本への影響と日本への違いを明らかにすることができた。
著者
赤間 亮 川村 清志 後藤 真 野村 英登 師 茂樹
雑誌
じんもんこん2004論文集
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.259-267, 2004-12-09

このパネルディスカッションは、デジタルアーカイブに「人文系からの視点が欠けている」という本シンポジウムの問題意識を受け、その人文科学における意義を改めて問い直し、「真の活用」の道筋をさぐるための議論を行うことを目的とする。本稿は最初の師による問題提起に続けて、各パネリストのポジションペーパーを五十音順でならべている。
著者
師 茂樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.51, pp.31-37, 2005-05-27
被引用文献数
4

デジタルアーカイブの目的として「文化の次世代への正しい継承」ということがしばしば言われる。しかし、文化が変化を前提としていると考えれば、デジタルアーカイブによって「次世代への正しい継承」はできず、場合によってはそれを阻害する可能性もある。また、デジタルアーカイブによる「次世代への正しい継承」という言説の背景には、研究者やデジタル技術による特定イデオロギーへの権威付けや、国家政策との関連が見出される。デジタルアーカイブは、むしろ、このような運動を相対化する方向で活用されるべきではないだろうか。``The right succession to the next generation of culture'' is often said as a purpose of digital archives. However, given that culture always changes, ``the right succession'' can not be attained by digital archives, but may be disturbed in some cases. Moreover, investigating the background of ``the right succession,'' we can find the authorization to the specific ideologies by the researchers or the digital technologies, and relation with a national policy. We suggest that digital archives should be developed and utilized in order to deconstruct such movements.