- 著者
-
小沢 聖
桑形 恒男
藤巻 晴行
一柳 錦平
登尾 浩助
後藤 慎吉
徐 健青
- 出版者
- 独立行政法人国際農林水産業研究センター
- 雑誌
- 基盤研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2008
この原因を解明するとともに、この地下水を有効に利用する栽培システムを開発することである。東北タイの落水水田の土壌水の同位体比(δ18O/δ16O)は、深さ50cmで0時と12時に低下し、深さ70cmでは逆に0時と12時に増加する日変化を示した。この結果は、水蒸気態で深さ30-50cmの土壌水分が0時と12時ころ増えることを示唆する。作物根を深く伸ばすことで12時ころ上昇する土壌水を有効に利用でき、この方法として、溝栽培、穴栽培が有効なことを、石垣、東北タイの圃場実験で証明した。落水水田に存在する地下水は周辺の地下水とは独立しており、雨期に凹地に蓄積されたローカルな資源であった。したがって、その場の落水水田で有効に利用することが望ましい。深さ50cm を対象に、水フラックスを計算したが、水蒸気態による移動は極めてわずかと推察され、水移動の原因、フラックスの解析法等を再検討する必要がある。