著者
若林 哲宇 丸山 誠太 星野 遼 森 達哉 後藤 滋樹 衣川 昌宏 林 優一
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2017論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.2, 2017-10-16

電波再帰反射攻撃(RFRA: RF Retroreflector Attack)とはサイドチャネル攻撃の一種である.盗聴を行いたいターゲットにFETとアンテナから構成されるハードウェアトロイ(HT)を埋め込み,そこへ電波を照射するとHTを流れる信号が反射波で変調されて漏洩する.攻撃者はこの反射波を復調することでターゲットの信号を盗聴することが可能となる.反射波の復調にはSDR(Software Defined Radio)を利用する方法が安価で簡単であるが,性能の限界が専用ハードウェアと比較して低い.本研究ではSDRによる電波再帰反射攻撃の脅威を示すとともにその限界を調査した.
著者
野上 晋平 下田 晃弘 後藤 滋樹
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.72, pp.225-226, 2010-03-08
参考文献数
2

従来のインターネットではネットワーク内部の情報がほとんど開示されない。その一方でネットワーク中立性の観点から情報開示を求める声が高まっている。例えば米連邦通信委員会(FCC)はインターネットの中立性に関する規則の制定を目指している。本研究は様々な情報を持つルータが内部の情報を開示する方法を提案して、その情報を活用する例を示す。具体的には、ルータを通過するフロー情報を用いてDOS攻撃の検知を行う。本論文ではフローの数や接続の状態からDOS攻撃を検知する手法を提案する。また複数のルータのフローの情報を取得して比較することにより、従来は困難であったDoS攻撃の送信元を絞り込む。
著者
森 達哉 エスキベル ホリー アキラ アディティヤ 下田 晃弘 後藤 滋樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.137, pp.53-58, 2009-07-10

2008年11月11日に実施されたホスティング会社McColo社の上位ISPによる遮断は,世界の至るところでスパム流量を半分あるいはそれ以上減少させるという画期的な効果をもたらした.2007年夏以降の世界的なスパム流量の爆発的増大を引き起こした主要因とされるスパムボット,Srizbiをはじめ,今日の主要なスパムボットのC&Cサーバが同社によってホスティングされていたことが明らかになっている.本研究では世界最大規模のスパムボットであるSrizbiの全体像把握,およびインターネットエッジサイトの視点からスパムボットC&Cを標的とした制御の有効性を定量化することを狙いとする.分析には2007年7月から2009年4月にかけて3箇所の異なるネットワークで計測された広範なデータを用いた.本研究の主要な貢献は次の通りである.(1)Srizbiの世界的な規模を確率的な方法によって推定した.(2)Srizbiボットネットから送信されたスパムの流量とそのインパクト,およびMcColo社遮断による効果をインターネットエッジサイトの視点から定量化した.(3)Srizbiの勃興と衰退,そしてMcColo社の遮断前後におけるバージョン遷移など,スパムボットの全体像把握に有用な発見を明らかにした.
著者
持永 大 小林 克志 工藤 知宏 村瀬 一郎 後藤 滋樹
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J94-B, no.10, pp.1293-1302, 2011-10-01

本研究は2030年までのネットワークが消費する電力を検討することを目標とする.消費電力の低減を検討するためにネットワークの構成を見直して,現在のパケット交換方式だけでなく,消費電力削減効果が期待できる光回線交換方式やコンテンツ配信ネットワークも活用した将来のネットワークの構成を想定する.この構成の特徴はアクセス回線網,広域中継網,中核拠点網に階層化することである.本論文では,インターネット上で転送されるコンテンツの大きさによって通信方式を変化させる手法を活用して,提案する方式の消費電力を従来のパケット交換方式と比較する.この消費電力の算出にあたっては,通信方式による効果だけでなく通信量・利用者数の将来の伸び,技術進化による省電力化効果も算入している.従来のパケット交換方式に加えて光回線交換方式,コンテンツ配信ネットワーク(CDN)方式を組み合わせたネットワーク構成の消費電力を検討した結果,いずれの方式においても消費電力を削減可能であり,パケット交換方式と回線交換方式を併用すれば,従来のパケット交換方式と比較して,67.7%の省電力化が達成できることが分かった.