著者
戸次 大介 峯島 宏次 金子 貴美 田中 リベカ 谷中 瞳 木下 恵梨子 伊藤 友里菜 簗 有紀子
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第31回全国大会(2017)
巻号頁・発行日
pp.2B3OS07a4, 2017 (Released:2018-07-30)

自然言語の意味論はモンタギュー以来、モデル理論的意味論が主流であったが、ランタらによる証明論的意味論の流れが存在する。特に近年、著者ら自身の研究を含む理論的進展により、証明論的意味論の経験的、計算的優位性が明らかにされつつある。本発表では、証明論的意味論の中心的枠組みの一つである依存型意味論(DTS)を紹介するとともに、その言語学的意義、哲学的位置付け、自然言語処理への応用などについて解説する。
著者
鈴木 莉子 吉川 将司 谷中 瞳 峯島 宏次 戸次 大介
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.2L1J903, 2019 (Released:2019-06-01)

近年、モダリティの異なるデータ間での推論によって新たな知識を獲得するマルチモーダル推論に関する研究が盛んになっている。画像情報を自然言語の意味表現と接続可能な形式で表すことができれば、自然言語テキスト間の推論と同様の高度な推論を、テキストデータと画像情報の間で行うことができる。本論文では、画像情報とキャプションを一階述語論理 (FOL)のモデルと論理式を用いて表現することで、画像から数量表現や否定を含む複雑な文を推論するシステムを提案する。画像情報とキャプションにより拡張されたFOLモデルを用いることで、意味的に複雑な文に加え、物体の状態を表す関係を含む文も推論できるようになった。
著者
戸次 大介 峯島 宏次 金子 貴美 田中 リベカ 谷中 瞳 木下 恵梨子 伊藤 友里菜 簗 有紀子
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

自然言語の意味論はモンタギュー以来、モデル理論的意味論が主流であったが、ランタらによる証明論的意味論の流れが存在する。特に近年、著者ら自身の研究を含む理論的進展により、証明論的意味論の経験的、計算的優位性が明らかにされつつある。本発表では、証明論的意味論の中心的枠組みの一つである依存型意味論(DTS)を紹介するとともに、その言語学的意義、哲学的位置付け、自然言語処理への応用などについて解説する。
著者
戸次 大介
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第23回全国大会(2009)
巻号頁・発行日
pp.3M1OS16, 2009 (Released:2018-07-30)

90年代初頭に登場した動的論理は、古典論理の意味論を差し替えることによって、文脈に依存した現象を構成的意味計算に落とし込むことに成功した。しかし同時に、古典論理を支えていた証明論との良好な関係(健全性・完全性)を失うこととなった。本発表では、型付きラムダ計算から構成できる動的論理を提示し、この問題への解決法を示す。同時に、この動的論理が自然言語の意味論における幾つかのパズルを解消することを述べる。
著者
谷中 瞳 峯島 宏次 Pascual Martínez-Gómez 戸次 大介
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.295-324, 2018-06-15 (Released:2018-09-15)
参考文献数
45

文と文がどのような意味的関係にあるかという文間の関連性の計算は,情報検索や文書分類,質問応答などの自然言語処理の基盤を築く重要な技術である.文の意味をベクトルや数値で表現する手法は未だ発展途上であり,自然言語処理分野においては,様々な機械学習による手法が活発に研究されている.これらの手法では,文字や単語を単位としたベクトルを入力として,それらの表層的な出現パターンとその振る舞いを学習することで,文ベクトルを獲得している.しかし,否定表現を含む文など,文の構造的意味を正確に表現できるかは自明ではない.一方で,形式意味論においては,表現力の高い高階論理に基づいて意味の分析を行う研究が発展しているが,文間の関連性のような,連続的な意味的関係を表現することが困難である.そこで本研究では,機械学習と論理推論という二つの手法を組み合わせて文間の関連性を計算する手法を提案する.具体的には,文間の含意関係を高階論理の推論によって判定するシステムの実行過程から,文間の関連性に寄与する特徴を抽出し,文間の関連性を学習する.文間類似度学習と含意関係認識という2つの自然言語処理タスクに関して提案手法の評価を行った結果,推論の過程に関する情報を特徴量に用いることによって,いずれのタスクにおいても精度が向上した.また,含意関係認識用データセットの一つであるSICKデータセットの評価では,最高精度を達成した.
著者
中野 悠紀 戸次 大介
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

高階依存型理論の研究はMartin-L"of型理論にさかのぼるが,自然言語への応用についてはRanta(1994)などがあり,その後も様々な拡張が行われている. 自然言語の意味論は高階依存型理論によって解決しうる問題がいくつかあるが,本研究は高階依存型理論を用いてCategorial Grammarを拡張する手法を提案する.
著者
戸次 大介
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.23, 2009

90年代初頭に登場した動的論理は、古典論理の意味論を差し替えることによって、文脈に依存した現象を構成的意味計算に落とし込むことに成功した。しかし同時に、古典論理を支えていた証明論との良好な関係(健全性・完全性)を失うこととなった。本発表では、型付きラムダ計算から構成できる動的論理を提示し、この問題への解決法を示す。同時に、この動的論理が自然言語の意味論における幾つかのパズルを解消することを述べる。
著者
戸次 大介
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究の目的は、メタラムダ計算とモナドを用いて、意味・談話情報を統一的に記述することである。具体的な研究項目は、1) メタラムダ計算とモナドの基礎理論、2) モナドによる意味・談話情報の記述と経験的検証、の二つからなる。1) については、メタラムダ計算の型付き言語としての形式的性質(圏論的意味論、代入操作の健全性、αβη変換の健全性、等)を示し、2)については、メタラムダ計算においては「非決定性モナド」「大域変数モナド」「継続モナド」「慣習の含意のモナド」の四つのモナドを用いることによって、意味・談話の境界に位置する複数の言語現象を統一的に表現できることを示した。
著者
外園 康智 長谷川 貴博 渡邉 知樹 馬目 華奈 簗 有紀子 谷中 瞳 田中 リベカ Mart'ınez-G'omez Pascual 峯島 宏次 戸次 大介
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

本稿では、日本語・英語のテキストを論理式に変換し、自動推論を行う意味解析システムccg2lambdaの基本的な機能を解説し、特にこのシステムを金融ドキュメントの処理へと応用する試みについて紹介する。ccg2lambdaでは、統語・意味解析から推論までの各モジュールが明確に区別されており、統語情報・意味合成・意味表現をCCG導出木としてグラフィカルに表現する機能をサポートしている。このため、処理プロセスのどの部分で解析エラーが起こったのかを容易に同定することが可能である。ccg2lambdaの意味解析と推論システムについて紹介した上で、特に金融ドキュメントを対象とした含意関係認識と矛盾検知について具体例に基づいて説明する。
著者
叢悠悠 浅井健一 戸次大介
雑誌
研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2013-NL-214, no.19, pp.1-6, 2013-11-07

プログラミングにおける 「継続」 とは,残りの計算,すなわちある部分項に対する文脈のことを指す.この概念を自然言語の意味論に取り入れることで,様々な言語現象の意味を記述することができる.本研究では,限定継続命令 shift/reset を用いた副詞 only のフォーカスの分析 (Bekki and Asai (2010)) を OCaml で実装し,一つのフォーカスを含む文の意味表示を正しく計算できることを確認した.しかし,フォーカスが複数存在する場合への非対応など,今回の実装にはいくつかの問題があり,それらについても考察する.
著者
金子 貴美 戸次 大介 宮尾 祐介
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

含意関係を計算機に正しく認識させるためには、より基本的な含意関係の連鎖として書き下したデータとその構築手法が必要であるが、そのような日本語評価データとその構築手法が存在しないという問題がある。その問題点を踏まえ、本論文では日本語評価データの構築手法を提案する。また、既存研究と比較することにより、本手法の妥当性を考察する。
著者
戸次 大介
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.66(2002-NL-150), pp.69-76, 2002-07-15

型付き動的論理(TDL)[2]は、動的述語論理[8]と複数形論理[5]の両方の利点を備えた論理言語である.本論文では、TDLを日本語の形式意味論に応用し 量化子の分配/累積読み 照応子の変項束縛/Eタイプ読みなどの分析における 他の意味論への優位性を示す.
著者
外園 康智 長谷川 貴博 渡邉 知樹 馬目 華奈 簗 有紀子 谷中 瞳 田中 リベカ Mart'ınez-G'omez Pascual 峯島 宏次 戸次 大介
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.3G105, 2018 (Released:2018-07-30)

本稿では、日本語・英語のテキストを論理式に変換し、自動推論を行う意味解析システムccg2lambdaの基本的な機能を解説し、特にこのシステムを金融ドキュメントの処理へと応用する試みについて紹介する。ccg2lambdaでは、統語・意味解析から推論までの各モジュールが明確に区別されており、統語情報・意味合成・意味表現をCCG導出木としてグラフィカルに表現する機能をサポートしている。このため、処理プロセスのどの部分で解析エラーが起こったのかを容易に同定することが可能である。ccg2lambdaの意味解析と推論システムについて紹介した上で、特に金融ドキュメントを対象とした含意関係認識と矛盾検知について具体例に基づいて説明する。
著者
石下 裕里 戸次 大介
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

本研究の目的は、「前提」を形式的に記述することである。Heim(1983)以来、動的論理を用いた前提の分析が主流であり、戸次(2010)では複数オブジェクトや量化を扱えるように拡張されている。しかし、戸次(2010)の証明システムは動的論理に対して間接的である。そこで本研究では、Harel(2000)等に見られる、動的命題を様相演算子とみなす考え方に基づき、直接的な証明システムの構築を試みる。