著者
西上 欽也 田所 敬一 永井 悟 水野 高志 加納 靖之 平松 良浩
出版者
Tokyo Geographical Society
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.111, no.2, pp.268-276, 2002-04-25 (Released:2009-11-12)
参考文献数
21
被引用文献数
1 1

This paper briefly reviews the triggering characteristics of injection-induced seismicity. Water injection experiments were carried out in the Nojima fault, southwest Japan in 1997 and 2000 to detect the healing process of the fault zone after being ruptured by the MJMA 7.3 Hyogo-ken Nanbu (Kobe) earthquake in 1995. During the experiment in 2000, ultramicroearthquakes of M-1.2 to 1.0 were induced at about 2.5-4.5 km from the injection point and about 4-6 days after the beginning of injection. This space-time migration can be explained by a 2-D diffusion process of pore water pressure. Permeability estimated near the surface, at about 540-800 m depth, is extrapolated well to a depth of 2-4 km where induced events occurred. Other experiments at Matsushiro, central Japan and KTB, Germany also showed similar space-time relationships of induced seismicity. From observations in the Nojima experiment, we obtained characteristic states that suggest differences in the generating process between induced and normal (tectonic) earthquakes. Our findings are as follows : (1) high-frequency component is richer in the waveforms of tectonic events, and (2) the clustering of hypocenters is more dominant in induced events. Further analyses of these observations will lead to elucidating the generating process of induced earthquakes by increasing pore water pressure.
著者
中村 衛 松本 剛 古川 雅英 古本 宗充 田所 敬一 田所 敬一 安藤 雅孝 古川 雅英 松本 剛 古本 宗充
出版者
琉球大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

琉球海溝に固着域が存在するか否かを明らかにするため、中部琉球海溝で海底地殻変動観測を開始し、琉球海溝付近前孤側でのプレート間カップリングを検出する試みをおこなった。2年間の観測から、海底局群が沖縄本島に対して北西方向に7cm/yrで移動したことが明らかになった。予想される固着域の幅は約30-50kmである。このように琉球海溝の海溝軸付近には固着域が存在しプレート間カップリング領域が形成されていることが明らかになった。
著者
所 敬 山崎 斉 川崎 勉 奥山 文雄 大頭 仁 上川床 総一郎 百野 伊恵
出版者
東京医科歯科大学
雑誌
試験研究(B)
巻号頁・発行日
1992

本研究の目的は,視標の移動方向が前後方向,水平方向の2方向に移動でき,呈示時間が設定できる動体視力装置を開発することにあった。この3要素を設定できるので3次元動体視力計と名付けた。この装置の特徴を以下に挙げる。(1)視標速度は市販の機器よりも広い範囲で可変であり,静止〜100Km/hまで前後と水平方向の両方向で7段階に設定できる。(2)視標呈示位置は前後方向70〜4m,水平方向±2.0度である。(3)短時間呈示は1/1000〜1secまて7段階に設定できる。(4)これら以外に視標サイズは4種,色は白,赤,緑,青,黄の5種,背景照度は0.1〜200cd/m^2まで8段階まで設定できる。この装置を制作し,調整を行い上記の性能を得ることを確認した。さらにこの装置を用いて測定をしたところ,前後方向の動体視力は視標速度を静止から100Km/hまで変えると低下することがわかった。背景輝度の影響は,背景輝度を0.3から200cd/m^2まで変えることで得られ,動体視力は輝度が0.3cd/m^2から100cd/m^2まで増加するが200cd/m^2では減少することもわかった。今後の課題は,高速道路の交通眼科や航空医学への応用を計るために,視標速度をさらに150Km/hまて向上させる必要がある。また,環境が動体視力に与える影響が大きいため,視標の種類,背景,背景照度などを考慮する必要がある。この装置は今後,眼精疲労や交通眼科の問題解決に役立つ機器である。