著者
藤原 克哉 中所 武司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.1202-1211, 2000-04-15
被引用文献数
6

近年,ワークステーションやパソコンの普及およびそれらをつなぐネッ トワークの普及とともに,業務の専門家が自ら情報システムを構築する 必要性が高まっている. また,今日の情報システム構築においては,フレームワークやデザイ ンパターン,コンポーネントウェアなどの構成要素からアプリケーショ ンを再帰的に構築していく技法が追求されている. 本研究では,業務の専門家が自らのアプリケーションの構築に利用で きるような窓口業務のアプリケーションフレームワークを開発した. 窓口業務の例題システムとして図書管理システムを構築し,窓口業務 に共通の部分と個々の窓口に依存する部分を明確に分離することによ り,窓口業務アプリケーションフレームワークを抽出した. さらに,そのフレームワークを利用して業務の専門家がアプリケーショ ンを構築する方法を確立し,実際に別のシステムに適用し,その評価 を行った.The number of end-users increases on the inside and outside ofoffices. This paper describes an application framework forwindow work in banks, city offices, travel agents, mail-ordercompanies, etc. based on the philosophy of ``All routine workboth at office and at home should be carried out bycomputers.''We developed the application framework of the window workwhich the business experts were able to use for buildingapplication.The window work application framework has been extracted fromthe library system which was developed as an example of thewindow work.Then, the framework was applied to another system, and wasevaluated.
著者
中所 武司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.292, pp.1-6, 2014-10-30

変化の激しい時代には,業務の知識を有するエンドユーザ主導のアプリケーション開発とその保守が重要になると考え,その技法を研究してきた.エンドユーザである業務の専門家が,自ら必要とするWebアプリケーションを,3層アーキテクチャを前提として開発するためには,フロントエンドのビジュアルなユーザインタフェースとバックエンドのデータベースの設計に加えて,アプリケーション固有のビジネスロジックの設計が重要である.エンドユーザには,ユーザインタフェース(UI)を起点とした業務処理内容の理解が容易と思われるので,ビジネスロジック処理(BL)やデータベース処理(DB)を{UI→BL→DB→BL→UI}という一連のワークフローの中に位置づけて定義するABC開発モデル(Application = Business logic + CRUD)を検討してきた.これまで,持続可能な社会実現の一環として,日常生活の中でのエコ活動に有用なシステムをその担当者白身が開発・運用できれば大きな効果が期待できるという観点から,この分野を例題として,ケーススタディを実施してきた.今回,これまでに得た知見を発展させるために,より広い適用分野として,マッチングドメインに注目し,考察する.
著者
青山 幹雄 西岡 健自 岸 知二 上原 三八 松岡 聡 中所 武司 深澤 良彰
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.84, pp.89-96, 1995-09-08

1995年6月1日(木)?2日(金)に情報処理学会ソフトウェア工学研究会の主催で,慶応義塾大学三田校舎新館でオブジェクト指向'95シンポジウム(O'9)が開催され,326名の参加者があった.「オブジェクト指向によるシステム開発の理論実践」をテーマに,基調講演,チュートリアル,一般講演,パネル討論と内容の充実したシンポジウムであった.本稿では,同シンポジウムのもようを,初日の事例セション、2日目のパネル討論を中心に報告する.なお,本シンポジウムは来年も同時期に開催の予定である.The Object-Oriented '95 Symposium was held on June 1 - 2, 1995 at Mita Campus of Keio University in Tokyo. Under the theme of "Theory and Practice of Object-Oriented Systems Development", opening speeches, tutorials, general sessions and panel session have covered a wide spectrum of development technologies based on object-orientation. This report highlightens the major topics of the symposium as well as two special sessions; one session presented the experience of object-oriented systems development and another was a panel on the theory and practice of object-oriented development technology.
著者
紺田 直幸 中所 武司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.4, pp.17-24, 2000-01-14
被引用文献数
1

近年,パソコンの普及と共に,業務の専門家が自ら情報システムを構築する必要性が高まっている.そのためには業務モデルを構築することが,そのまま情報システムの構築につながるような技術が必要であるという観点から,「業務モデルと計算モデルの一致」,「分析,設計,プログラミングの一体化」という二つの基本コンセプトを設定した.我々は,このコンセプトを達成するためにオブジェクト指向概念に基づくアプリケーション開発環境M-baseの実現を目指している.アプリケーションの開発はコンポーネントベースのビジュアルツールを用いて行い,また,自動生成されたユーザインターフェースの遷移図を用いることでアプリケーションの実行の流れをエンドユーザにも掴みやすくした.それにより,エンドユーザが主体となってアプリケーションを開発することを可能とした.本報告では,このアプリケーション開発環境に国際会議のプログラム委員長業務を例題として適用し,その有効性を示す.Explosive increase in enduser computing on distributed systems requires that endusers develop application software by themselves. One solution is given as a formula of "a domain model ≡ a computation model" and "analysys ≡ design ≡ programming". This formula implies that one task in a domain model of cooperative work corresponds to one object in a computation model based on an object-oriented model. Application development environment, M-base, supports this formula for cooperative systems such as groupware and work flow systems. Application is developed with visual tool based on components. Automatic User-interface generation. and transition diagram is also generated automatically. end-users can understand application-flow with this diagram. Therefore Enduser-initiative application development technique are archived.