著者
辻 隆 祖父江 義明 岡崎 廉治 川島 隆幸 齋藤 太郎 井本 英夫 新井 良一 雨宮 昭南 霜越 文夫 長谷川 修司 小嶋 壮介 下園 文雄 川村 正義 飯島 健 鈴木 英雄 佐藤 寅夫
出版者
東京大学大学院理学系研究科・理学部
雑誌
東京大学大学院理学系研究科・理学部廣報
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.4-21, 1998-03

低温度星の分光学とともに/辻先生を送る/東京大学を去るにあたって/岡崎廉治先生を送る/新しい化合物を求めた30年/齋藤太郎先生を送る/大学を去るにあたって/新井良一先生を送る/シモコシ・回路の完成を追い求めた日々/霜越さんを送る/再見!東大・小石川植物園/小嶋壮介事務主任を送る/云うべき事と云わざるべき事:流転/川村さんのこと/三崎臨海実験所退官にあたって/鈴木英夫さんを送る
著者
新井 良一 赤井 裕
出版者
国立科学博物館
雑誌
Bulletin of the National Science Museum Ser. A Zoology (ISSN:03852423)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.p199-213, 1988-12
被引用文献数
11

The fishes of the subfamily Acheilognathinae are classified into the three genera, Tanakia, Acheilognathus, and Rhodeus. Acheilognathus melanogaster BLEEKER, 1860,the type-species of Acheilognathus, is revived, and A. moriokae JORDAN et THOMPSON, 1914,is synonymized with it. Rhodeus oryzae JORDAN et SEALE, 1906,the type-species of Tanakia, is a name given to juveniles of Tanakia hmbata (TEMMINCK et SCHLEGEL, 1846)(=Acheilognathus limbatus).
著者
馬渕 浩司 新井 良一 西田 睦
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.87-95, 2002-11-25 (Released:2010-06-28)
参考文献数
31

Karyotypes and nuclear DNA contents of Pseudolabrus eoethinus and P. sieboldi were studied. Until a recent revision, the two species had been consid-ered a single species (Pseudolabrus japonicus), although two clearly distinct kary-otypes had been reported on several occasions. The karyotype of P. eoethinus was confirmed as 2M+2SM+44ST-A (2n=48, NF=52) and that of P. sieboldi, as 20M+8SM+14ST-A (2n=42, NF=70). Nuclear DNA content in the two Pseudolabrus species and 4 other labrid species from Japan was measured by flow cytometry, and provisionally expressed relative to that of a puffer fish, Canthigaster rivulata, used as an internal standard. The relative nuclear DNA content of P. eoethinus was 2.91±0.03 (n=5), that of P. sieboldi being 3.00±0.05 (n=6). Al-though the two values differed significantly (Mann-Whitney U test, P=0.01, Ucal=0.5), the very small difference between them (average value of latter 103% of former) together with karyotype comparisons suggested that both pericentric inver-sions and Robertsonian fusion had played a major role in the establishment of the more derived karyotype of P sieboldi.
著者
新井 良一 赤井 裕
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1995

本研究は、日本産タナゴ類の分岐分類によって提唱された3属について、分析形質セットの特徴から、3属の仮説が中国や朝鮮半島のタナゴ類にも適用されるか否かを検証することを目的とする。結論として、3属の仮説は中国や朝鮮半島のタナゴ類にも適用されることが、形態形質およびミトコンドリアの遺伝子による系統解析によっても反証されなかった。以下に具体的な研究成果を年度ごとに報告する。1.平成7年度は中国の採集標本および海外の博物館から借用した標本を基にして分類学的に混乱している種の整理をした。すなわち、Rhodcus sinensisの地理的変異、体色斑紋を研究、また、中国から初めてTanakia lanccolataを発見した(Arai et al,1995)。2.平成8年度は中国、浙江省で染色体数2n=46の種を発見した(Ueda et al.,1996)。また、アジア大陸および日本のタナゴ亜科魚類の系統解析のため、日本産15種-亜種、中国産9種-亜種、朝鮮半島産1種、ヨーロッパ産1種の頭部感覚管の比較解剖を行った。3.平成9年度はアジア産および日本産のタナゴ類のミトコンドリアの12S rRNA遺伝子の塩基配列を研究し、分子系統樹を構築した。その結果、形態および分子による系統樹に矛盾は見られず、Acheilognathus属の単系統性が確認された。また、中国産タナゴ2種の核型を明らかにする(Ucda et al.,1997)とともに、Rhodeus sinensisの種の整理を終えた(Akai and Arai,1998)。
著者
新井 良一 鍾 俊生 楊 君興 劉 煥章 伍 漢霖 解 玉浩 陳 宜ゆー 赤井 裕 鈴木 伸洋 大嶋 雄治 館田 英典 上田 高嘉 YANG Junxing LIU Huanzhang WU Hanling XIE Yuhao CHEN Yiyu ZHON Junsheng 陳 宣瑜 鐘 俊生 植田 徹
出版者
東京大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1995

中国大陸におけるコイ目タナゴ亜科魚類の系統分類と生物地理学的研究(平成7年度〜平成8年度)のため、平成7年度は、新井、赤井および研究協力者の石鍋は平成7年6月7日から7月12日まで、また大嶋は平成7年6月8日から6月27日まで、研究協力者の木村は平成7年6月8日から7月13日まで訪中し、上海市、浙江省奉化市、湖北省武漢市、雲南省昆明市で、それぞれタナゴ類の採集を行い、形態学的研究、核型およびDNA実験の一部を行った。また、武漢市の中国科学院水生生物研究所および昆明市の中国科学院動物研究所で中国各地のタナゴ類の保存標本を観察した。平成8年度は、新井、赤井および研究協力者の石鍋は平成8年9月3日から10月11日まで、また上田および研究協力者の滝沢は平成8年10月1日から10月11日まで、研究協力者の松井は平成8年9月3日から9月25日まで訪中し、山東省済南市、遼寧省遼陽市、湖北省武漢市、上海市、浙江省金華市で、それぞれタナゴ類の採集を行い、形態学的研究、核型およびDNA実験の一部をおこなった。また、天津市の自然史博物館および武漢市の中国科学院水生生物研究所で中国各地のタナゴ類の保存標本を観察した。平成7〜8年度の主な成果を以下に示す。1.浙江省で採集され、形態的特徴からRhodeus atremiusと同定された標本の染色体がn=23であることが判明した。n=23のタナゴ類は中国では初記録であり、核型からも、従来、九州特産とみなされていたカゼトゲタナゴが中国にも分布することが支持された(Ueda et al.,in press)。2.n=23と考えられるタナゴ類が山東省、遼寧省、湖北省でも採集された。3.Rhodeus lightiおよびTanakia himantegusの核型が詳しく調べられた(Ueda et al.,in press)。4.従来、中国の固有種と考えられていたRhodeus lightiおよび朝鮮半島の固有種と考えられていたR.uyekiiが中国産のR.sinensisと同一種であり、命名の古さから、R.sinensisが本種の有効名であることが判明した(Akai and Arai,in press)。5.Acheilo-gnathus meridianusのシノニムが整理された。A.meridianusの総基準標本は2種からなるので、後基準標本を指定し、急いで発表する必要がある。6.中国で無視され、これまで日本と朝鮮半島にのみ分布すると考えられていたヤリタナゴが遼寧省から再発見された(Arai and Akai,1995)。7.上海市から初めてアブラボテ属のタナゴ類が採集された。8.中国産のAcheilognathus tabiro(=A.tabira)を日本産のA.tabiraと比較研究した結果、中国産のA.tabiroは未記載種であることが判明した。9.中国で初めて秋に産卵するタナゴ類が発見された。10.中国産9種・亜種、日本産15種・亜種、朝鮮半島1種、ヨーロッパ産1種の成魚の頭部感覚管及び眼下骨の比較解剖を行い、頭部感覚管で9分析形質、眼下骨で6分析形質を識別することができた。バラタナゴ属では、幼魚の特徴を維持している種がみられることから、幼形成熟と種分化の関係が示唆された。11.頭部感覚管について、日本産より特殊化の進んだ種が中国産にみられた。なお、今回採集したタナゴ類のDNAおよび核型の分析を続行中である。
著者
新井 良一
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:18847374)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.33-35, 1971

バケヌメリ, <I>Draculo mirabilis</I> Snyderは1911年に北海道胆振支庁苫小牧市付近の海浜でとれた体長35mmの3標本に基づき新種として発表された種類である.本種はネズッポ科 (Callionymidae) の中では, 背鰭が一つしかない唯一の種類として特異であるが, その後, 中国の渤海湾で体長26-40.5mmの3尾, 北海道日高支庁門別町の沖で体長4.7-7.5mmの稚魚5尾の採集記録があるにすぎない.<BR>最近, 北海道・日高沿岸の様似町の海浜でバケヌメリの雌の成魚が5尾 (体長37.9-52.4mm), 縦15m, 横3mの手曳網で採集された.珍らしい魚なので採集標本の形態について報告した.
著者
辻 隆 祖父江 義明 岡崎 廉治 川島 隆幸 齋藤 太郎 井本 英夫 新井 良一 雨宮 昭南 霜越 文夫 長谷川 修司 小嶋 壮介 下園 文雄 川村 正義 飯島 健 鈴木 英雄 佐藤 寅夫
出版者
東京大学大学院理学系研究科・理学部
雑誌
東京大学大学院理学系研究科・理学部廣報
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.4-21, 1998-03

低温度星の分光学とともに/辻先生を送る/東京大学を去るにあたって/岡崎廉治先生を送る/新しい化合物を求めた30年/齋藤太郎先生を送る/大学を去るにあたって/新井良一先生を送る/シモコシ・回路の完成を追い求めた日々/霜越さんを送る/再見!東大・小石川植物園/小嶋壮介事務主任を送る/云うべき事と云わざるべき事:流転/川村さんのこと/三崎臨海実験所退官にあたって/鈴木英夫さんを送る
著者
新井 良一 小林 弘
出版者
日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.1-6, 1973-06-20 (Released:2010-06-28)
参考文献数
25

日本産ハゼ科魚類13種類の核型をコルヒチン処理した魚の鰐と消化管で観察した.体細胞の染色体数は2n=40, 2n=44, 2n=46, 2n=48の4型で, 各染色体の形態については, (1) すべての染色体がsubtelocentrics もしくはacrocentricsのものと, (2) metacentrics, submetacentricsおよびsubtelocentricsもしくはacrocentricsからなるものとが観察された.(1) のグループに属するものは, アシシロハゼAboma lactipes (Hilgendorf), 2n=40, マハゼAcanthogobius flayimanus (Temminck et Schlegel), 2n=44, ヨシノボリRhinogobius bruneus (Temmincket Schlegel), 2n=44, カワヨシノボリRhinogobiusflumineus (Mizuno), 2n=44, アゴノ・ゼChasmichthysdolichognathus (Hilgendorf), 2n=44, アベハゼMugilogobius abei (Jordan et Snyder), 2n=46, クモハゼBathygobius fuscus (Rüppell), 2n=48の7種類で, (2) のグループに属するハゼは, キヌバリPterogbius elapoides (Günther), 2n=44, ミミズハゼLuciogobius guttatus Gill, 2n=44, ヌマチチブTridentiger obscurus brevispinis Katsuyama, Aralet Nakamura, 2n=44, シマハゼTridentiger trigonocephalus (Gill), 2n=44, ウキゴリChaenogobiusannularis Gill, 2n=44, トビハゼPeriophthalmuscantonensis (Osbeck), 2n=46の6種類であった.