著者
五十嵐 康人 大河内 博 北 和之 石塚 正秀 吉田 尚弘 三上 正男 里村 雄彦 川島 洋人 田中 泰宙 関山 剛 眞木 貴史 山田 桂太 財前 祐二 足立 光司 中井 泉 山田 豊 宇谷 啓介 西口 講平 阿部 善也 三上 正男 羽田野 祐子 緒方 裕子 吉川 知里 青山 智夫 豊田 栄 服部 祥平 村上 茂樹 梶野 瑞王 新村 信雄 渡邊 明 長田 直之 谷田貝 亜紀代 牧 輝弥 佐藤 志彦
出版者
気象庁気象研究所
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2012-06-28

初期の放射性Cs放出には従来想定されていた水溶性サブミクロン粒子に加え,直径数μmの不溶性粗大球状粒子が存在することを初めて明らかにした。典型的な里山では再飛散由来のCs濃度は,都市部での結果と異なり,夏季に上昇し,冬季には低かった。夏季のCs担体は大部分が生物由来であることを初めて見出した。放射性Csの再飛散簡略スキームを開発し,領域エアロゾル輸送モデルを用いて森林生態系からの生物学的粒子による再飛散,ならびに事故サイトから継続する一次漏えいも含め,フラックス定量化-収支解析を行った。その結果、他のプロセス同様、再飛散は、地表に沈着したCsの減少や移動にほとんど寄与しないことがわかった。
著者
新村 信雄
出版者
茨城大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2009

頭書テーマのモデルタンパク質としてDeath-associated protein kinase(DAPK)を選定1.(DAPK)の発現(1)宿主である大腸菌の使用コドンに従い最適化したDAPKリン酸化領域をコードするDNAをプラスミドベクターpET-20b(+)のNdel-Xholサイトにサブクローニングし、BL21(DE3)大腸菌株に形質転換し、大量培養する事によってDAPKを得た。(2)DAPKの精製はNi Sepharose FF担体を用いた金属アフィニティ精製とHiPrep Sephacryl S-100 HRを用いたゲルろ過クロマトグラフィーで行った。2.DAPKのATP結合状態、および非結合状態(Apo状態)の結晶育成(1)PEG1000、硫酸アンモニウム、硫酸リチウムの三条件を重点的に最適化し単結晶を得る事が出来た。(2)ATPアナログ物質としてアデニリル-イミド二リン酸(AMP-PNP)、アデノシン二リン酸(ADP)、アデノシンγチオ三リン酸(ATP-γS)を使用した。3.DAPKのATP結合状態、および非結合状態(Apo状態)での水和水構造の違い。(1)DAPKのX線結晶構造解析:DAPKに結合しているATPアナログ物質は10個以上の水分子と水和構造を形成している。これらの水分子は良くオーダーされており、はっきりと観測する事が出来たと言えるだろう。しかしAMP-PNP及びATP-γSのγ-リン酸基はディスオーダーしており、確実な原子位置を特定出来ているとは言い難い。(2)DAPKの中性子結晶構造解析:中性子回折法での見かけの水和水構造はその運動状態を反映して、ブーメラン状、棒状、ボール状にそれぞれ見える。ATP結合状態とApo状態での水和水配向の自由度(エントロピー)の差に寄与るると考えられる。ATP結合状態、および非結合状態(Apo状態)、非ATP結合タンパク質の水分子の構造を求め、3状態での構造の違いを比較し、ATPと水分子との相互作用を解明する。引き続き中性子結晶構造解析のための大型結晶育成実施中。
著者
新村 信雄
出版者
日本中性子科学会
雑誌
波紋 (ISSN:1349046X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.282-287, 2013 (Released:2018-11-14)
参考文献数
22

The biological mechanism of the physiological function such as the enzymatic reaction is well understood by studying protonation states of the catalytic polar amino acid residues, which can be identified by neutron protein crystallography. It is proposed that the protonation states should be systematically discussed from the view point of the pKa values of the amino acid residues in proteins. Several examples of the protonation states of the catalytic residues determined by neutron protein crystallography, such as serine proteases (trypsin, elastase, thrombin, & acromobacter protease I), insulin, hen egg white lysozyme, RNase A, and HIV-1 protease were introduced and discussed on the basis of the pKa values.