著者
日向野 智子 小口 孝司
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.133-142, 2007 (Released:2007-09-05)
参考文献数
47

本研究では,児童が学級集団の中で,友だちの行いを注意しなければならない場面で覚える対面苦手意識(対人場面におけるわずらわしさや不快感,懸念を特徴とする)を取り上げた。本研究の主たる目的は,ソシオメトリック地位により,児童の対面苦手意識が異なるのかを検討することであった。小学校4年生から6年生の児童(男子102名,女子96名)が,児童用対面苦手意識尺度(注意場面版),肯定的ソシオメトリック指名法,パーソナリティ尺度から成る調査票に回答した。ソシオメトリック・テストの肯定的指名件数から,児童の学級集団内地位(スター群,平均群,孤立群)を定めた。分析の結果,スター群は孤立群よりも,児童用対面苦手意識尺度のわずらわしさ得点が有意に低かった。さらに,対面苦手意識は,シャイネスや公的自己意識との間に有意な正の相関があった。
著者
日向野 智子
出版者
立正大学心理学研究所
雑誌
立正大学心理学研究所紀要 (ISSN:13482777)
巻号頁・発行日
no.8, pp.65-75, 2010

本研究では、特定の他者に対する対人苦手意識に影響を及ぼす要因として、対人苦手意識の発生原因に対する認知である「対人苦手意識の原因帰属」と、日ごろの「人づきあいにおける苦手意識」とを取り上げ検討を行った。研究1では、対人苦手意識の原因帰属によって、対人苦手意識における自己否定・他者否定の感情が異なるか検討した。多くの回答者が、同級生やクラスメイトなど、身近な存在に対して対人苦手意識を感じており、その原因は両者にあると認識されていた。また、対人苦手意識における自己否定の傾向は、対人苦手意識が自分または両者の相互作用の結果として生じていると考える女性ほど高いことが明らかになった。このような傾向は男性にはみられず、対人苦手意識における自己否定と対人苦手意識の原因帰属との関連について、性差が確認された。これに対して、対人苦手意識における他者否定の傾向には性差はなく、相手のせいで対人苦手意識が生じていると感じるほど、他者否定の傾向が高まることが見出された。研究2では、日ごろの人づきあいが対人苦手意識に及ぼす影響にについて検討を行った。主たる結果として、人づきあいにおける懸念の高さが対人苦手意識の自己否定を高めることが明らかになり、人づきあいにおける苦手意識と対人苦手意識との関連が明らかになった。
著者
日向野 智子 金山 富貴子 大井 晴策
出版者
立正大学心理学部
雑誌
立正大学心理学研究年報 (ISSN:21851069)
巻号頁・発行日
no.3, pp.1-17, 2012

The purpose of this study was to examine whether college students had done an annoying behavior in a train. We investigated to 198 college students, and asked the degree that to make an 17 annoying behavior in a train, and examined a reason to make or a reason not to make an annoying behavior. Result of analysis revealed that most people did not to "makeup"," call with the cell-phone", "sit on the floor" and" flirt by a couple" in a train. The reason was annoying and was a manner, unpleasantness, embarrassment. They did so the behavior in some cases about" eat food" ," talk aloud"," handed over a seat to an elderly person". In any case it seemed to be thought that these behavior were annoying. However, an opinion was divided whether they" keep on having worn a bag". Therefore, as for such behavior, it is thought that a judgment a annoying behavior was divided by a person.