著者
小坂 崇之 宮下 芳明 服部 進実
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.12, pp.3827-3835, 2007-12-15

本稿では,仮想現実感の拡張を目指す手法の1 つとして没入型三次元風覚ディスプレイを開発し,頭部?上半身部位に対する風覚について評価実験を行った.ドーム状の骨組みに配置した25 個のブロアファンのうち,どこから風が出力されているかを問う正答率と,風が来たことを知覚する反応時間について,3 種の風速を用いて計測した.その結果,左右に比べて前後の正答率が低く,仰角が45 度以上のところでは反応時間が遅いなど,空間方位的に不均一な風覚が行われていることが明らかになった.
著者
蜷川 繁 津田 伸生 服部 進実
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.517-520, 2000-02-15
被引用文献数
1

うわさに代表されるような集団における情報の伝播を調べるために,構成要素間にランダムに張りめぐらされたネットワーク上を情報が伝播する,うわさの伝播モデルを提案し,個人の間の関係と情報の伝播との関係を計算機シミュレーションを用いて調べた結果,各個人が平均して3人に情報を伝達すると,ほぼ集団全体に情報が伝搬することが明らかになった.この結果から,物理的あるいは経済的な制約条件によって構成要素間の接続が限られているようなネットワークで,ほぼ全体に情報を行きわたらせるためには,各構成要素から3本の出力を出し,それをランダムに接続すればよいことが分かる.We propose a model of information diffusion in a community, that is,a network in which the individuals are connected at random andeach individual passes information on to one's acquaintances.We investigate the spread of information with the modelwhen the number of the connections between the individuals varies.The computer simulation reveals that if each individual passesinformation on to three acquaintances on average,information spreads over almost whole community.The result tells that we can construct a networkin which each node connects to other three nodes at randomin order to diffuse information almost always in the almost whole network.
著者
久野 敦司 大野 広視 中沢 実 服部 進実
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.3, pp.75-80, 2005-01-20
被引用文献数
1

ユビキタスセンサネットワークの多くの研究は、多数のセンサをインターネットに接続するために、無線ネットワークを用いている。しかし、現状のユビキタスセンサネットワークは我々の社会に大きな問題をもたらす可能性がある。もし、多種類のセンサが我々の社会のいたる所に配置されると、我々はプライバシーを保てなくなる。そこで、本稿では植物をセンサとして用いることで、この問題を解決できることを提案する。植物の出力信号は植物にとっての教師としての役割を果たす人間によって実行される学習プロセスの実行によってのみ、センシングデータとすることができると考える。すなわち、植物は人間の協力無しには、センシング能力を得ることができないのである。もし、人間によって十分な個数の植物にセンシング能力が与えられたならば、複数のセンサ出力に対する多数決論理によって生成される教師データを用いた学習によって、そのセンシング能力を維持できることについて提案する。Almost of researches about a ubiquitous sensor network uses a wireless network that connects many sensors with Internet. But there may bebig problems on this ubiquitous sensor network for our human society. If many kinds of sensors are deployed everywhere in our society, we can not keep our privacy. If we use a plant as a sensor, we are able to solve this problem, because the output signal from plant can be used as a sensing data only after a learning process that is performed by a human who acts as a teacher for a plant. So, a plant can not have a sensing ability without human's cooperation. If enough number of plants is given a sensing ability by human, the sensing ability can be maintained by learning process with the teaching data that is generated by majority logic on a plurality of sensor outputs.
著者
酒井 宏三 中沢 実 服部 進実
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク
巻号頁・発行日
vol.97, no.564, pp.89-96, 1998-02-20

本稿では, マルチエージェントやモバイルエージェント技術を含んだシステム構築に対して, それらの位置管理・通信方式の統一化・通信方式の自律的選択を行なえる新しいネットワークアーキテクチャDORAEMON(Distributed Object Request Broker in Agent Mobile Network)について述べる.本システムではネットワーク上で分散・移動している複数のモバイルエージェント間の通信機能を支援するための位置管理, またマルチエージェントやモバイルエージェント間の通信方法であるRPC(Remote Procedure Call)・RP(Remote Programming)両通信方式に対する統一的なインタフェース, さらに, これらの通信方式の戦略的且つ自律的な選択を実現することで, 動的なネットワーク形態・サービス形態に対して, 柔軟で且つシームレスなネットワークアーキテクチャの構築を行なうことを目的としている.
著者
荒木伸也 阿部倫之 服部進実
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.453-454, 2014-03-11

反響ツイートを利用してテレビ番組の評判を推定し予測するための手法を提案し、そのシステム構成と実験結果について述べる。本システムでは、TwitterのストリーミングAPIを用いてツイートをリアルタイムに収集しており、反響ツイートの時間帯を視聴前、視聴中、視聴後に分けて、否定的ツイート(デマを含む)と肯定的ツイート(デマ訂正を含む)の出現頻度や出現パターンを捕捉する。特に視聴中については、コマーシャル中における反響ツイートの特性に注目しており、番組終了後の評判に対する寄与度等について考察する。
著者
蜷川 繁 津田 伸生 服部 進実
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.517-520, 2000-02-15

うわさに代表されるような集団における情報の伝播を調べるために,構成要素間にランダムに張りめぐらされたネットワーク上を情報が伝播する,うわさの伝播モデルを提案し,個人の間の関係と情報の伝播との関係を計算機シミュレーションを用いて調べた結果,各個人が平均して3人に情報を伝達すると,ほぼ集団全体に情報が伝搬することが明らかになった.この結果から,物理的あるいは経済的な制約条件によって構成要素間の接続が限られているようなネットワークで,ほぼ全体に情報を行きわたらせるためには,各構成要素から3本の出力を出し,それをランダムに接続すればよいことが分かる.
著者
黒瀬 浩 服部 進実
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.91, pp.77-82, 2008-09-18

学習者が解決すべき課題を設定して,発表と他学習者からの指摘に対する考察を繰り返す課題解決型学習において,学習者の課題解決プロセスの活性化を支援するシステムを提案する.議事録に記載された質問,指摘から Wiki コンテンツを検索し,課題解決の対応状況を可視化する.また,フォークソノミータグを用いて課題解決のプロセスを共有し,学習者のリフレクション促進と学習者間のインタラクションの活性化を支援する.In this paper, we have developed a reflection support system with wiki and folksonomy tags for learning process that problems to be set by graduate student are repeatedly proposed and some solutions are pointed out by other students, in order to get reflective consideration to the student. Interaction and reflection process of the graduate student can be activated by visualization and sharing of problem solving process information with wiki contents and folksonomy tags.
著者
徳浜 元弘 中沢 実 服部 進実
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.26, pp.215-220, 2006-03-17

本論文はユビキタスネットワークで想定されるノードの参加・離脱に対して分散ハッシュテーブルを用いたP2Pシステムの適用性を論じたものである.分散ハッシュテーブルはインデックス情報をノードに分散させて保持する方式で種々の方式が提案されている.今回は経路表形式と木構造形式のP2Pシステムに注目して,その構成と実装法について考察した.さらに,コンピュータシミュレーションを通してこれらのシステムの定常時とノードの離脱・参加時におけるノード検索の性能を計測し比較分析を行った.その結果,木構造形式のシステムがノードの参加・離脱において管理コストが少なく,ノード検索性能も低下しないことを示す.This paper describes the applicability of the P2P system which uses the distributed hash table for participation and secession of the node assumed by ubiquitous network. The distributed hash table is a method for the decentralization of information to the node. There are various methods to form the distributed hash table. We explain the composition and implementation method of the routing table form and the tree structure form of the P2P system. We compared the performance of node retrieval when the node of the system participates, secedes, and during its regular operation by computer simulation. As a result, it turned out that the system of the tree structure form doesn't decrease the node retrieval performance.