著者
岡部 寿男 中沢 実
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.61, no.6, pp.548-551, 2020-05-15

情報処理学会では2020年3月情報処理学会では,新型コロナウィルス感染症への対策として,第82回全国大会の現地開催を中止し,一般・学生セッションについてオンライン開催を行った.本稿では,急遽オンライン開催を決定した経緯と運営の考え方,当日の状況について報告する.
著者
柏崎 礼生 坂根 栄作 込山 悠介 宮崎 純 中沢 実 岡部 寿男
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2020-IOT-49, no.7, pp.1-8, 2020-05-07

新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の日本国内での蔓延に伴い,2020 年 2 月中旬以降に開催が予定されていた大規模な集客を見込むイベントは中止,延期を余儀なくされた.学術においても状況は同様であり,日本国内においては特に卒論・修論発表会の終わった 2 月中旬から 3 月下旬まで学会・研究会が集中して開催される時期である.本稿では 3 月上旬に開催された,参加人数が例年 500 人を超える規模のイベントがどのようにオンライン開催の意思決定を行い,そのための準備を進め,運用を行ったのか情報共有を行い,同様の有事が発生する未来に対する議論と提言を行う.
著者
中沢 実 鷹箸 孝典 阿部 拓真
雑誌
研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:21888906)
巻号頁・発行日
vol.2015-DPS-163, no.14, pp.1-8, 2015-05-21

近年,人の脳活動を読み取る研究の発展は目覚ましい.脳活動を読み取るには脳 (EEG) や機能的磁気共鳴画像法 (fMRI) など,いくつかの方法が存在する.非侵襲的な EEG においては,リアルタイムで利用者の思考や感情,表情の検出や脳波の生データへ容易にアクセスできる製品が世の中に出ている.また,これらの脳波データを用いた工業用製品も徐々にではあるが,登場してきている.そこで,本論文では,既存の基礎研究に基づいて,福祉分野における人の脳活動の活用を現実世界で適用させることを目的とし,利用者が初めて訪れる施設であっても脳波から利用者の意図を読み取り,容易に目的地まで辿り着くシステムの実現を目的とする.
著者
小原 裕輝 中沢 実
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.246-253, 2021-01-15

単体のレーザレンジファインダ(LRF)を用いた人の検出手法は,貨物運搬ロボットなどに使われる.これらの検出では,入力が検出対象であるかどうかの判定に,hand-crafted特徴量と正であるか偽であるか分類する1クラス分類モデルを使用した手法が適用されている.本論文では,1クラス分類モデルへの入力をhand-crafted特徴量ではなく,深層学習モデルによって生成された特徴量に置き換えた手法を提案する.実験では,hand-crafted特徴を使用した手法との検出率の比較を行い,パフォーマンスが一部向上したことを示す.また,ロボットの利用など実応用のために,Jetson Nanoを使用して提案手法の処理速度の評価を行い実用可能性を評価した.
著者
久野 敦司 大野 広視 中沢 実 服部 進実
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.3, pp.75-80, 2005-01-20
被引用文献数
1

ユビキタスセンサネットワークの多くの研究は、多数のセンサをインターネットに接続するために、無線ネットワークを用いている。しかし、現状のユビキタスセンサネットワークは我々の社会に大きな問題をもたらす可能性がある。もし、多種類のセンサが我々の社会のいたる所に配置されると、我々はプライバシーを保てなくなる。そこで、本稿では植物をセンサとして用いることで、この問題を解決できることを提案する。植物の出力信号は植物にとっての教師としての役割を果たす人間によって実行される学習プロセスの実行によってのみ、センシングデータとすることができると考える。すなわち、植物は人間の協力無しには、センシング能力を得ることができないのである。もし、人間によって十分な個数の植物にセンシング能力が与えられたならば、複数のセンサ出力に対する多数決論理によって生成される教師データを用いた学習によって、そのセンシング能力を維持できることについて提案する。Almost of researches about a ubiquitous sensor network uses a wireless network that connects many sensors with Internet. But there may bebig problems on this ubiquitous sensor network for our human society. If many kinds of sensors are deployed everywhere in our society, we can not keep our privacy. If we use a plant as a sensor, we are able to solve this problem, because the output signal from plant can be used as a sensing data only after a learning process that is performed by a human who acts as a teacher for a plant. So, a plant can not have a sensing ability without human's cooperation. If enough number of plants is given a sensing ability by human, the sensing ability can be maintained by learning process with the teaching data that is generated by majority logic on a plurality of sensor outputs.
著者
酒井 宏三 中沢 実 服部 進実
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク
巻号頁・発行日
vol.97, no.564, pp.89-96, 1998-02-20

本稿では, マルチエージェントやモバイルエージェント技術を含んだシステム構築に対して, それらの位置管理・通信方式の統一化・通信方式の自律的選択を行なえる新しいネットワークアーキテクチャDORAEMON(Distributed Object Request Broker in Agent Mobile Network)について述べる.本システムではネットワーク上で分散・移動している複数のモバイルエージェント間の通信機能を支援するための位置管理, またマルチエージェントやモバイルエージェント間の通信方法であるRPC(Remote Procedure Call)・RP(Remote Programming)両通信方式に対する統一的なインタフェース, さらに, これらの通信方式の戦略的且つ自律的な選択を実現することで, 動的なネットワーク形態・サービス形態に対して, 柔軟で且つシームレスなネットワークアーキテクチャの構築を行なうことを目的としている.
著者
増田 尚之 中沢 実
雑誌
研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:21888906)
巻号頁・発行日
vol.2023-DPS-197, no.12, pp.1-6, 2023-12-14

情報通信技術の向上に伴い,XR 技術を用いたコンテンツの実用化が本格化しつつある.XR 技術は,人間が観測する実空間を拡張する手段の一つである.XR 技術の一つに,Location-based AR がある.これは,GPS や BLE ビーコンなど,クライアントの位置情報を取得できる機器を用いて,クライアントの位置に基づいた AR オブジェクトを配信する技術である.実際にゲームやナビゲーションシステムに多く取り入れられている.しかし,既存のシステムでは描画する AR オブジェクトを取得する場合,インターネット環境がなければ正常にシステムを動かすことができない.また,クライアントの位置情報をもとに描画する AR オブジェクトが変化するため,位置情報を取得できない場合正常にシステムが動作しない.本提案では,災害時や屋内など,GPS やインターネット通信を利用できない環境でも動作する Location-based AR を提案する.
著者
中野 勝章 渡辺 魁 中沢 実
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.64, no.7, pp.1164-1172, 2023-07-15

近年,カメラ動画像から画像認識技術を用いて道路交通量調査を行う研究が活発になっている.交差点におけるカメラ画像を用いた交通量調査では,単路環境に比べてカメラでとらえるべき範囲が広いため,従来の固定型カメラ(CCTVカメラ)ではなく,可搬性を有する携帯型のカメラを用いることで交差点内の複数位置に設置することができる.複数位置から最適なカメラ設置位置を決めることで計測精度の向上が見込める.しかしながら,実際問題として交差点内に設置した携帯型カメラに対して,現地で最適なカメラ設置位置を評価する基準がなく,人手による経験的または直感的なカメラ配置となっている.そこで,本研究では,短時間のカメラ動画像から交差点における車両の流入口の位置関係に基づき,計測精度に影響を与える指標を算出し,それを利用することで最適なカメラ設置基準の判定を行う手法を提案する.さらに,提案指標とOpenDataCamのカウンターライン機能を用いた計測精度との比較を実地検証を行い,提案した指標の妥当性を評価した.
著者
山下 正人 中沢 実
雑誌
第25回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.218-220, 2017-10-04

近年,人の脳活動を利用して,人とのコミュニケーションやロボット操作を行っていくBrain Machine Interface(BMI) の技術が盛んに研究されてきている.リアルタイムで脳波(EEG)の生データを計測することができる非侵襲型の脳波計デバイスが世の中に出ている.本研究では,BMI を利用する際の認証システムとして,非侵襲型の脳波計デバイスを用いて,EEG を利用した個人認証のシステムを提案する.本論文では,従来の基礎研究に基づいて,画像刺激を利用したEEG における個人認証をディジタルフィルタ,エポッキング,アーチファクト対策の組み合わせを考慮することで,被験者の状態が変化していても,認証することが可能となる精度の高い認証精度の実現を目的とする.
著者
安達 聡子 坂本 真仁 中沢 実
雑誌
研究報告高度交通システムとスマートコミュニティ(ITS) (ISSN:21888965)
巻号頁・発行日
vol.2022-ITS-89, no.4, pp.1-7, 2022-05-19

遠距離恋愛では主なコミュニケーションの方法としてチャットや電話が使用される.しかし,直接会わないとできないことがある点や時間を合わせることが難しい点は寂しさや物足りなさを感じる原因になると考える.特にスキンシップのような物理的なつながりをノンバーバルコミュニケーションとして得られないことで寂しさを感じやすくなる.そこで,本研究では人型の抱き枕を用いて離れている相手の心拍音,体温,抱きしめる動作をリアルタイムで再現するシステムを作成した.心拍音は Web アプリ,体温は電気ヒーター,抱きしめる動作は腕に入れるバネを用いた軸を動かす機構で再現し,考察を行った.
著者
鈴木 大志 鷹合 大輔 中沢 実
雑誌
研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:21888906)
巻号頁・発行日
vol.2021-DPS-189, no.5, pp.1-6, 2021-12-13

声質変換とは,人物の声の声質のみを別人の声質に変換する技術である.その中でも,ゼロショット声質変換は,変換モデルの学習した音声にない声質間での変換が可能な手法である.AutoVC は,ゼロショット声質変換モデルで,入力話者の声のメルスペクトログラムと入出力話者の話者埋め込みベクトルを入力する事で,話者らの声を学習しているか否か関わらず,出力話者の声質のメルスペクトログラムを出力する.これを,音声波形に復元する際に,音既存手法では WaveNet や Griffin-Lim などの多くの計算時間を要する手法を用いておりリアルタイムな声質変換の弊害となっている.そこで,本研究ではメルスペクトログラムに代えて,スペクトル包絡を用いた.そして,波形の復元は WORLD を用いる事でリアルタイムな声質変換を実現した.
著者
常田 友貴 中沢 実
雑誌
第29回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ論文集
巻号頁・発行日
pp.57-63, 2021-10-18

昨今,新型コロナウイルス感染症の影響により,オンライン上でコミュニケーションを行う機会が多くなった.しかし,オンライン上でのコミュニケーション機能の不足が問題になっている.特に,プレゼンテーションのような相互の親密なコミュニケーションが必要になる場合では,満足度低下の要因となっ ている.このような問題を解決するために脳波を用いたオンライン講演の感情フィードバック手法を考案 する.しかし,現状オンライン上の相互コミュニケーションを対象としたデータセットが存在せず,脳波 を利用した感情分類データセットにおいても分類する感情の種類が少なく,作成したモデルから脳波特性の分析まで行っている研究は少ない.そこで本研究では,TED 視聴時の脳波を「通常(Neutral)」,「困惑(Confused)」,「面白い(Interested)」,「退屈(Bored)」という 4 つの感情で評価したデータセットを作成し,XGBoost を利用して感情分類を行った.また, AI モデルを説明することができる SHAP を利用して今回の研究で作成したXGBoost モデルから脳波特徴を分析した.その結果,感情分類分類では 72.47% の精度を得ることができた.さらに,SHAP を利用した分析では全てのクラスにおいて前頭葉周辺から取 得した脳波の貢献度が高く,最も貢献度が高い額右側面の脳波(F4)に関しては「困惑(Confused)」クラ スで脳波の周波数帯と貢献度が正の相関があり,「退屈(Bored)」クラスで負の相関があるということがわかった.
著者
安達 聡子 間山 美和 栁澤 理紗 中沢 実
雑誌
第28回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ論文集
巻号頁・発行日
pp.169-171, 2020-11-04

本研究では,頻繁に電話ができなくても相手とのつながりを感じ,離れているという不安感を払拭することを目的に,相手の生体情報を抱き枕で再現することで,安心感を得る遠距離恋愛支援システム,HALOPを提案する.相手と時間を合わせることなく,つながり感を感じることができるため海外との遠距離恋愛でも使用することが可能である.
著者
中沢 実 鷹箸 孝典 阿部 拓真
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとパーベイシブシステム(MBL) (ISSN:21888817)
巻号頁・発行日
vol.2015-MBL-75, no.14, pp.1-8, 2015-05-21

近年,人の脳活動を読み取る研究の発展は目覚ましい.脳活動を読み取るには脳 (EEG) や機能的磁気共鳴画像法 (fMRI) など,いくつかの方法が存在する.非侵襲的な EEG においては,リアルタイムで利用者の思考や感情,表情の検出や脳波の生データへ容易にアクセスできる製品が世の中に出ている.また,これらの脳波データを用いた工業用製品も徐々にではあるが,登場してきている.そこで,本論文では,既存の基礎研究に基づいて,福祉分野における人の脳活動の活用を現実世界で適用させることを目的とし,利用者が初めて訪れる施設であっても脳波から利用者の意図を読み取り,容易に目的地まで辿り着くシステムの実現を目的とする.
著者
徳浜 元弘 中沢 実 服部 進実
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.26, pp.215-220, 2006-03-17

本論文はユビキタスネットワークで想定されるノードの参加・離脱に対して分散ハッシュテーブルを用いたP2Pシステムの適用性を論じたものである.分散ハッシュテーブルはインデックス情報をノードに分散させて保持する方式で種々の方式が提案されている.今回は経路表形式と木構造形式のP2Pシステムに注目して,その構成と実装法について考察した.さらに,コンピュータシミュレーションを通してこれらのシステムの定常時とノードの離脱・参加時におけるノード検索の性能を計測し比較分析を行った.その結果,木構造形式のシステムがノードの参加・離脱において管理コストが少なく,ノード検索性能も低下しないことを示す.This paper describes the applicability of the P2P system which uses the distributed hash table for participation and secession of the node assumed by ubiquitous network. The distributed hash table is a method for the decentralization of information to the node. There are various methods to form the distributed hash table. We explain the composition and implementation method of the routing table form and the tree structure form of the P2P system. We compared the performance of node retrieval when the node of the system participates, secedes, and during its regular operation by computer simulation. As a result, it turned out that the system of the tree structure form doesn't decrease the node retrieval performance.