著者
松川 安樹 宮下 守 宮田 義一 朝倉 祝治
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会 論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.157, pp.1-9, 2010
参考文献数
16

冷温水や冷却水配管に使用した亜鉛めっき鋼管に,局部腐食による漏水トラブルが発生することが度々報告されている.この原因として,亜鉛と鋼の電位逆転現象が考えられているが,そのメカニズムと腐食対策は明らかにされていない.前報では,過去に行われた研究の歴史と筆者らが経験した腐食事例の解析結果から,水質の影響で亜鉛の電位が貴方向に変化することを示した.本研究では,亜鉛の電位が貴化する機構を電気化学的な測定により明らかにした.そして,これまでの研究で得た結果を基に亜鉛めっき鋼管に局部腐食が発生する要因を推察し,漏水トラブルを未然に防ぐ方法を提案した.
著者
松川 安樹 宮下 守 宮田 義一 朝倉 祝治
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.157, pp.1-9, 2010-04-05

冷温水や冷却水配管に使用した亜鉛めっき鋼管に,局部腐食による漏水トラブルが発生することが度々報告されている.この原因として,亜鉛と鋼の電位逆転現象が考えられているが,そのメカニズムと腐食対策は明らかにされていない.前報では,過去に行われた研究の歴史と筆者らが経験した腐食事例の解析結果から,水質の影響で亜鉛の電位が貴方向に変化することを示した.本研究では,亜鉛の電位が貴化する機構を電気化学的な測定により明らかにした.そして,これまでの研究で得た結果を基に亜鉛めっき鋼管に局部腐食が発生する要因を推察し,漏水トラブルを未然に防ぐ方法を提案した.
著者
松川 安樹 宮下 守 朝倉 祝治
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.57, no.9, pp.392-399, 2008-09-15 (Released:2009-03-20)
参考文献数
12
被引用文献数
3

本研究は,冷却水など建築設備配管として多用されている亜鉛めっき鋼管の腐食挙動を明らかにするために行った.実験では,40℃の水道水,純水,および各種アニオンを含む水溶液に純亜鉛を浸漬し,腐食速度,腐食電位,および腐食状態から,亜鉛の腐食挙動に対する各種アニオンの影響を評価した.実験の結果は,以下の通り要約される.HCO3-は亜鉛の腐食反応を抑制する.これは,亜鉛表面に生成する腐食生成物 (Zn4CO3(OH)6·H2O) がアノード反応を抑制するためである.一方,SO42-, Cl-,およびNO3-は亜鉛の腐食を加速する.水道水に含まれる各種アニオンの濃度範囲 (<1 mmol L-1) における腐食の促進度の順位は,SO42->Cl->NO3-の順である.SO42-とCl-が亜鉛の腐食を加速する要因は,表面に生成した保護皮膜の破壊による.NO3-については,その酸化性がカソード反応を促進することによるものと推測する.純水中の亜鉛の腐食速度は,つくば市水中のそれよりも必ずしも小さくない.これは,つくば水中に含まれる各種塩類により亜鉛表面に保護的な皮膜が形成されることが原因と考える.本報を基に,水道水の腐食性を論じることができる.
著者
中川 英元 岡崎 慎司 関本 慎二郎 朝倉 祝治 福田 健三 重盛 徹志 高橋 祥夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPM, 電子部品・材料
巻号頁・発行日
vol.98, no.154, pp.65-70, 1998-06-26
参考文献数
8

エバネッセント波吸収を応用してライン型水素センサを試作した。酸化タングステン(WO_3)が水素存在下でタングステンブロンズとなって青く発色する現象を感応膜として利用した。センサはWO_3粉末をシリコン樹脂中に分散させてクラッドとしたものと、ゾルゲル法でコア表面にWO_3薄膜を形成させたものを作成した。シリコン樹脂中に分散させたセンサは水素存在下で青く変色するにもかかわらず、光損失が減少した。ゾルゲル法で薄膜を形成したセンサは水素存在下で光損失が予想通り増大し、応答時間も常温で10分程度と比較的速く、ライン型センサとして有望であった。
著者
佐藤 讓 前川 英己 朝倉 祝治 岡部 徹 山口 勉功
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2003

カネミ油症事件を引き起こしたPCBや、ゴミ処理時に発生するダイオキシン等の有機ハロゲン化合物は、人体に有害で環境に深刻な影響を及ぼし、かつ処理困難である。本研究の目的はこれらをほぼ完全に分解することにある。有機ハロゲン化合物の処理で最も困難なものは、成分であるハロゲンを如何に効率よく無害な物質に変化させるかである。化学的に最も安定なハロゲン化合物はアルカリ金属等との無機塩である。そこで、これに最適な方法として塩基性の溶融塩による分解処理を選定した。本研究では、強塩基性の溶融塩としてKOH-K_2CO_3およびNaOH-Na_2CO_3混合塩を用い、これに被処理物の溶液とキャリアガスである模擬空気を混合して吹き込み、ガスクロマトグラフィー・マススペクトロメータ(MS/GC)を用いて排ガスの分析を行った。15年度においては四塩化炭素を対象にして、16年度においてはモノクロロ、ジクロロおよびトリクロロベンゼン等を対象として実験を行った。17年度においては、これらのクロロベンゼン類の確認実験を行うと共に、PCBの一種である4-4'ジクロロビフェニルベンゼンを対象として実験を行った。実験では試料を含む溶液をキャリアガス(模擬空気、酸素あるいは窒素)に混合して溶融塩中に吹き込んだ。これらの流量を独立のコントローラによって制御し、吹き込む混合物の流量・濃度を変化させた。トリクロロベンゼンおよび4-4'ジクロロビフェニルは常温で固体であるために溶媒に溶かし、比較的希薄な溶液とした。その結果、総ての化合物について700℃以下の低温で99.998%以上の分解効率を得た。またキャリアガスとして窒素用いた実験でも同程度の分解効率を得たが中間生成物が検出された。しかし、それらは何れも塩素を含まないものであり、CO_2やH_2Oまでの完全分解とは行かずとも無害化の観点からは有効であり、本方法のPCB分解処理への適用が有効であることが確認された。