著者
苅谷 嘉顕 本間 雅 鈴木 洋史
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.415-419, 2018 (Released:2018-05-01)
参考文献数
11

分子標的薬は、副作用発現により治療中断となる場合があり、副作用機序解析や予測の基盤確立は大きな課題である。生体を多階層システム的に捉える手法には、チロシンキナーゼ阻害薬の副作用解析など複数の成功例があり、システムファーマコロジー手法は副作用解析に有効と考えられる。現在、in silico解析を含む様々な手法が開発されつつあり、システムファーマコロジーに基づく副作用解析や予測は更なる発展が期待される。
著者
苅谷 嘉顕 本間 雅 鈴木 洋史
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.147, no.2, pp.89-94, 2016 (Released:2016-02-10)
参考文献数
10
被引用文献数
1 2

臨床現場における薬物副作用出現は,その症状に伴った臨機応変な対応が求められるのみならず,減量や休薬などにより治療効果を減弱させる場合があり,大きな問題となっている.そのため,治療効果を減弱させないマネージメント法の提案や,開発段階から副作用を回避する薬物を探索する手法構築は極めて重要な課題である.しかしながら,薬物副作用は,主作用と異なり起因分子が明確でないことが多いため,メカニズム解明やその出現予測は一般に困難である.本稿ではまず,副作用解析アプローチを,チロシンキナーゼ阻害薬erlotinibやsunitinibに対する副作用解析を具体例として紹介している.これらの薬物副作用解析において,生体を分子レベル,細胞レベル,組織レベル,個体レベルと階層性に基づき理解し,ベースと考えられる分子レベルでの薬物親和性に関する網羅的解析により,副作用を誘導する候補分子を同定し,システム生物学的手法により細胞レベルでの応答を理解することで,副作用メカニズムを同定することが可能となった.このアプローチを,より広範な薬物副作用解析に応用するためには,複雑なシステムである細胞内分子ネットワークの〝動的〟挙動解析に関する技術開発が今後の課題と考えられた.また,副作用予測に関しては,副作用発現に関わる細胞レベルでの網羅的で複雑な分子連関を解析することにより予測可能と期待されるが,このアプローチにおいても複雑システムの解析が重要となることが想定される.〝動的〟挙動解析は,副作用解析および予測のどちらにおいても強力なツールとなると考えられるが,これまでの解析技術では,シミュレーションモデルにおけるパラメータの信頼性や解析対象モデルの複雑性による解析困難といった課題がある.これらの克服が,副作用解析および副作用予測へのブレイクスルーになると考えられる.
著者
本間 雅都 齋藤 敏雄
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2014年春季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.77-80, 2014 (Released:2014-08-06)

複数の種が生存する生態系では、種間の相互作用を通して種を構成する個体数は時間とともに循環変動する。本研究では、知識の変動と新陳代謝を生態系のそれと相似するものと捉える。すなわち、ある知識をもつ専門家の集団を生態系における種とみなし、複数の種が相互に作用しあうことで種を構成する専門家の集団がどのように変化するか、また外部知識が種の盛衰にどのような影響を及ぼすかを分析するためのモデルを作成する。
著者
本間 雅美 ホンマ マサミ Masami Honma
雑誌
経済と経営
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.63-86, 2006-11
著者
本間 雅行 田村 亮 戸川 望 柳澤 政生 大附 辰夫 佐藤 真琴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.224, pp.7-12, 2008-09-22

近年のディジタル機器においては,多種多様で,膨大なデータを短時間で処理することが要求されている.このような要求に応える新たなアーキテクチャとして,多数の演算器を並列に動作させることができる再構成型プロセッサがある.ここでは,ディジタルメディア処理向け動的再構成プロセッサFE-GA(Flexible Engine/Generic ALU array)に注目する.現在,FE-GAの開発ツールに関してはまだ確立されていない.そこで本稿では,FE-GAへの設計を容易にし,開発コストを軽減するFE-GAマッピングアルゴリズムを提案する.このアルゴリズムは特定のデータフローグラフ(DFG)を入力とすることで,FE-GAへのマッピング結果を生成,変換し,FE-GA専用のアセンブリ言語を自動生成するものである.この自動生成したアセンブリ言語をFEEditorと呼ばれる専用ツールに読み込ませることでマッピング自動化を実現する.提案手法では,DFGの入力側から出力側に向かってレベル順にノードを一つ一つFE-GAの演算セルアレイに配置配線していく.最初にマッピングするノードを優先的に左上にマッピングすることとし,それ以降のノードは,マッピングしたいノードの入力データを出力するノードの位置により,その位置を決定する.この過程を繰り返すことでマッピングを実現する.8つのDFGに対し提案手法を適用しサイクル数および実行時間を算出した.すべてのDFGでマッピングを実現することができた.