著者
坂本 千科絵 李 温九 Chikae SAKAMOTO Onkoo RHEE 京都文教短期大学 名古屋経済大学 Kyoto Bunkyo Junior College Nagoya University of Economics
雑誌
京都文教短期大学研究紀要 = The Kenkyu kiyo (ISSN:03895467)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.141-146, 2014-03-12

学校給食は世界各国で実施されており、中でも、日本と韓国は教育政策の一環として「学校給食法」を制定し、児童が全員決まった時間に同じ給食を食べるというスタイルを確立している。本研究では、世界でも珍しい学校給食制度を確立している両国の学校給食について、その制度と献立内容を比較した。その結果、日本は自国の食文化だけでなく他国の食文化を多様に取り入れていること、韓国は自国の伝統的食文化を継承する場として学校給食を通して教育していることがわかった。
著者
鎌田 早紀子 李 温九 章 貞玉 冨田 圭子 大谷 貴美子
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.215-223, 2005 (Released:2006-08-04)
参考文献数
14
被引用文献数
2 1

Based on the hypothesis that the dishes school children to want to eat on their birthday must be the dishes that they love, the food preference of school children (in the 1st 6th grades) was investigated in Kyoto, Japan and in Seoul, Korea. Although the total number of varieties of menus drawn was more by the Japanese pupils than the Korean pupils, the number of menus drawn by one pupil was less by the Japanese pupils than the Korean pupils. This means that the preferred menus of Korean pupils more resembles each other, and that of the Japanese pupils were different from each other depending on their diet experiences. Through their drawings, the progress of socialization of the diet life of pupils and their food preference to Western-style dishes and meat dishes were shown to be promoted in both countries. Traditional dishes on special days in both countries were not the dishes that the pupils wanted to eat.
著者
饗庭 照美 尾崎 彩子 李 温九 章 貞玉 康 薔薇 松井 元子 南出 隆久 大谷 貴美子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.180-186, 2002-05-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
18
被引用文献数
2

要約本研究では,2種類の塗りの皿(黒色,朱色)に物相型を用いて形作った飯を盛り付けて日韓の学生に示し,それらに対するイメージ特性をSD法によって調査した. 物相型は日本料理で伝統的に用いられている丸梅,もみじ,末広と,日本料理では用いられることのないハート型を加えた5種類を使用した. パネルは,日韓の食物系の女子学生である. 評価尺度は「上品な - 下品な」,「美しい一みにくい」などの形容詞対30項目を設定し,7段階評価で行った. その結果,日本と韓国では異なるイメージがあることが示されたため,統計処理にSPSSを用いて因子分析を行った. 日本で抽出された第1因子(α=.799)を構成する形容詞対は『情緒的感覚の因子』,第2因子(α=.779)の形容詞対は『華やかさの因子』と名付けた. 韓国で抽出された第1因子(α=. 899)は『嗜好性の因子』,第2因子(α =.844)は『目立ちやすさの因子』と名付けた. 抽出されたこれらの因子について日韓で比較してみると,日本において物相飯は季節感やハレ(めでたさ)を演出している情緒があるものというイメージが示唆された. しかし,韓国では物相飯を単に形のイメージとしてとらえ,その形の嗜好で評価が行なわれていた. 本研究から,食物の形や色に対する評価は,日常的に接しているその国の食文化に影響を受けていることが示唆された.