著者
村山 孝道
出版者
京都文教短期大学
雑誌
京都文教短期大学研究紀要 (ISSN:03895467)
巻号頁・発行日
vol.59, pp.13-24, 2021-03-01

PTA の必要論・不要論の実態を明らかにするために、アンケート(n=948)の分析を行った。必要37.4% に対し不要が55.9%と過半数を上回った。自由記述の分析の結果、不要論に強い影響を与えたのは「存在意義・効果への疑義」「選出方法・強制感・理不尽さ」「人間関係・人権問題」であった。「負担感・不公平感・非効率さ」は要・不要論の双方が指摘しており、理念的な取り組みだけでは不十分で、具体的な業務改善が不可欠であることが明らかとなった。
著者
林 雅清
出版者
京都文教短期大学
雑誌
京都文教短期大学研究紀要 (ISSN:03895467)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.196-203, 2011

筆者が2011年3月に行ったスペイン各地(エル・エスコリアル、グラナダ、マドリッド、トレド)の修道院・宮殿図書館や国立図書館等に保管されている「漢籍」(中国古典籍)に関する個人調査の経過と結果について、日本・中国等に於ける当該分野の研究動向の紹介を兼ねつつ報告する。
著者
村上 俊男
出版者
京都文教短期大学
雑誌
京都文教短期大学研究紀要 (ISSN:03895467)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.93-102, 2017-03-01

活性酸素の害を防ぐことでその機能性が注目されている抗酸化食品について、DPPH ラジカル消去能の測定法による探索を試みた。その結果、野菜・果物やそれらの飲料は抗酸化力(Δ吸光度/g(ml))が数十前後から百強だったのに対して、香辛料(粉末)は一部を除き概ね数百から数千と高い値を示した。但し一食分を念頭に置くと両者の抗酸化力にほぼ差はなくなること、また強い抗酸化力を有する食品の摂取がヒトの健康に実効があるとの結論づけは時期尚早であることに言及した。
著者
今村 美邦子
出版者
京都文教短期大学
雑誌
京都文教短期大学研究紀要 (ISSN:03895467)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.149-151, 2007

20世紀の芸術現象を読み解く上で道標とされたグリーンバーグのモダニズム論への修正はこれまでも為されてきたが、本論文では、特に彼のカント理解の不備を指摘し、彼の理論に影響を受けた著名な批評家フリード、クラウス、ド・デューヴ、ダントーの芸術論を検討している。そして、美の分析と美的理念の拡張などのカントの芸術理解の捉え直しを通して、それをモダンアートの理解へ適切にもたらすことを模索している。こういった試みは、今日では終焉したとも捉られる美学という学問の活性化にも道を拓くものであろう。
著者
石野 美也子
出版者
京都文教短期大学
雑誌
京都文教短期大学研究紀要 (ISSN:03895467)
巻号頁・発行日
no.58, pp.69-78, 2020-03-01

現代を取り巻く多くの福祉の課題は、児童虐待、高齢者虐待、いじめ、児童の貧困など解決すべき問題は多岐にわたる。今後、福祉はどうあるべきかを社会事業から社会福祉に転換をはかり、近江学園を創設した糸賀一雄、池田太郎、田村一二の人間観、福祉観およびその思想形成の過程を振り返ることで考察する。
著者
伏見 強 安本 義正
出版者
京都文教短期大学
雑誌
京都文教短期大学研究紀要 (ISSN:03895467)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.1-11, 2010

二十五菩薩来迎会は、極楽浄土への人々の願いを具現化した「迎え講」を原点にし、1,000年以上の歴史を有する。筆者らは、臨終行儀の音・音楽の再現を目的に、現在も練供養として継承してきた5ヶ寺で現地調査を実施し、関連分野で活躍する専門家に取材した。また、本学で文化公演会(講演・実演)を開催し、来迎引接の核心を実演によって確認した。各寺で行われている練供養の類似点と相違点を中心に検証する。
著者
鳥丸 佐知子
出版者
京都文教短期大学
雑誌
京都文教短期大学研究紀要 (ISSN:03895467)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.39-48, 2017-03-01

本論は学生が考える「乳児」「幼児」イメージが、保育士養成のための関連授業を受講することでどう変化するのかを調査したものである。入学直後とすべての実習が終了した1 年半後を比較した結果、基礎知識の増加のみでなく、乳児は保育や援助が必要な存在であること、幼児は自分でできることが増え、友だちと遊ぶことができるなど、社会性の発達が見られるなど、具体的イメージが絞られてくることが明らかになった。
著者
宮島 幸子 Sachiko MIYAJIMA 京都文教短期大学非常勤 Kyoto Bunkyo Junior College
出版者
京都文教短期大学
雑誌
京都文教短期大学研究紀要 (ISSN:03895467)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.107-112, 2015

広島県尾道市にある因島で2015年3月、島内にある3つの小学校が児童数の減少にともない閉校することになった。3校とも100年以上の歴史があるが、校舎とともにそこで育まれた学校文化も消えてしまうことになる。校歌は学校文化の大きな要素である。「歌い継がれなくなった校歌」について、閉校式のフィールド・ワークを通して校歌の文化的役割について考察した。
著者
田中 是規
出版者
京都文教短期大学
雑誌
京都文教短期大学研究紀要 (ISSN:03895467)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.73-77, 2018

本年6 月29 日に、働き方改革関連法案が成立した。働き方改革の総合的かつ継続的な推進、長時間労働の是正と多様で柔軟な働き方の実現、雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保、などといった目標を掲げ、これらの目標を実現すべく労働関連法の改正を行うものである。また、9 月に行われた自民党総裁選挙後の新内閣で生涯現役社会の実現に向けた社会保障制度改革の基本方針が閣議決定され、70 歳まで定年延長が掲げられるなど、労働環境に大きな変化が起こりつつある。
著者
真下 知子 張 貞京 中村 博幸 Tomoko MASHIMO Jeongkyong CHANG Hiroyuki NAKAMURA 京都文教短期大学 京都文教短期大学 京都文教大学 Kyoto Bunkyo Junior College Kyoto Bunkyo Junior College Kyoto Bunkyo University
出版者
京都文教短期大学
雑誌
京都文教短期大学研究紀要 (ISSN:03895467)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.136-146, 2011

保育者-保護者間のコミュニケーションの改善をめざし、保育者養成課程においても現場での学びの礎となる取り組みが必要である。筆者らは、教材開発のための予備調査として、保護者からの相談の場面を設定したシナリオ形式の質問紙によるアンケート調査を実施した。現職の保育者による回答の分析より、保育者の答え方の特色として、1.「傾聴・共感」2.「具体的なアドバイス」3.「保育者として一緒に問題解決にあたる姿勢を示すこと」の3点が見られた。
著者
張 貞京 真下 知子
出版者
京都文教短期大学
雑誌
京都文教短期大学研究紀要
巻号頁・発行日
vol.57, pp.13-21, 2019-03-01

保護者が自身の子育てに自信をもつように支援する役割が保育者に求められている。しかし、保育者が保護者と安定した関係形成を図るため、日々のコミュニケーションを図ることは容易ではない。今回は、担任保育士のサポートを行っているフリー保育士にインタビューを実施し、日頃のコミュニケーションによる関係形成について分析を行った。フリーの立場と自分の子育て経験により、保護者理解を深め、客観的な視点で日頃の関係形成に務めていた。
著者
田中 是規
出版者
京都文教短期大学
雑誌
京都文教短期大学研究紀要 (ISSN:03895467)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.11-19, 2017

本年6 月9 日に、住宅宿泊事業法が通常国会で成立した。政府は10 月24 日、新法の施行日を2018年6 月15 日とすることを閣議決定した。これを受けて、各自治体では新法施行に向けて条例制定の動きが活発化している。京都市においても11 月2 日、宿泊税条例が市議会で可決された。また、新法施行に合わせて制定される民泊条例につき、京都市は来年2 月の市議会に提案し新法と同時に来年6 月の施行を目指す、としている。
著者
田中 惠子 坂本 裕子
出版者
京都文教短期大学
雑誌
京都文教短期大学研究紀要 (ISSN:03895467)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.73-82, 2018-03-01

京都府南部の幼児を持つ母親を対象に食の安全に関わる調査を実施した。幼児の食のリスクを適切に認識していない者、リスクを低減するための知識や習慣が身についていない者が一定の割合存在した。食品添加物のリスクを知覚する者の特徴から、リスクの低い問題に対しリスクを知覚することが、実質的にリスクの高い問題への意識を低める可能性が示唆された。母親を対象として、リスクリテラシーを身に付けることを含めた食の安全教育の必要性が示された。
著者
鳥丸 佐知子
出版者
京都文教短期大学
雑誌
京都文教短期大学研究紀要 (ISSN:03895467)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.1-12, 2015-03-13
著者
山下 篤央 久米 雅 森井 秀樹 Atsuo YAMASHITA Masashi KUME Hideki MORII 京都文教短期大学 京都文教短期大学 京都文教短期大学 Kyoto Bunkyo Junior College Kyoto Bunkyo Junior College Kyoto Bunkyo Junior College
出版者
京都文教短期大学
雑誌
京都文教短期大学研究紀要 (ISSN:03895467)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.87-91, 2012

フィギュアスケート歴12年の女子ジュニア選手における2回転と3回転フリップジャンプの動作解析を行った。その結果、ジャンプの回転数の増加に伴い、Take-off時の膝関節伸展角度および回転運動の跳躍幅と時間の増加が認められた。これらの変化には、角運動量を増加するためのスキルが関連していると考えられる。また、Take-off時の左膝伸展角度が右膝伸展角度に比べ、高いことから左脚がジャンプ動作(跳躍高)に大きく貢献していることが示唆された。
著者
今村 美邦子
出版者
京都文教短期大学
雑誌
京都文教短期大学研究紀要 (ISSN:03895467)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.172-179, 2008

このワグナーの論文で取り上げられたC.ボルタンスキー(1944 〜)、S.ジガードソン(1943 〜)、A.キーファー(1945 〜)は、現在活躍中の造形作家であり、特に第三帝国に関わる歴史の記憶を物質的素材に留める作品を創作している。彼らは、高速で現実を複製し続けるメディア社会にあって、文字や画像だけに頼らない記憶の留め方を模索しつつ、忘却および既存の歴史概念に抵抗する素材を選び出し、そこに排斥され無にされた者達の証言を読みとろうとするのである。