- 著者
-
斎藤 綾乃
鈴木 浩明
白戸 宏明
藤浪 浩平
遠藤 広晴
松岡 茂樹
平井 俊江
斎藤 和彦
- 出版者
- Japan Human Factors and Ergonomics Society
- 雑誌
- 人間工学 (ISSN:05494974)
- 巻号頁・発行日
- vol.42, no.1, pp.9-21, 2006-02-15 (Released:2010-03-15)
- 参考文献数
- 19
- 被引用文献数
-
4
3
振動環境下で通勤近郊列車の支持具の使いやすさを検討した. 列車の走行振動を模擬できるシミュレータ内に, 車内設備を取り付け, 幅広い身長の利用者に, 様々な寸法のつり革や手すりを評価させた. つり革全体の長さは275mm, 375mm, 475mmの3水準, 床からのつり革高さは靴を履いた身長に対する比 (以降, 身長比) 80~120%まで5%間隔とした. つり革長さ275mmの場合, 身長比99%が最適であり, 90~105%が推奨範囲であった. つり革が長くなると推奨範囲が狭まった. 推奨範囲外となる人の割合を最少にする観点から, いくつかの推奨値の組合せを提案した. 手すりについては, 座面前縁から150mmの距離をとったものが, 現行 (座面前縁からの距離0mm) と比較して, 姿勢維持の有効性や立ち上がりやすさが向上することを確認した. 乗降性は悪化しなかった.