著者
松本 聡子
出版者
佛教大学福祉教育開発センター
雑誌
福祉教育開発センター紀要 (ISSN:13496646)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.107-122, 2017-03-31

本稿では、ハンセン病の患者であった人の家族による語りから動き出した家族訴訟を中心に、ハンセン病問題の残された課題について取り上げる。特に、ハンセン病についての差別・偏見は、ハンセン病療養所にいるハンセン病回復者と離れて暮らす家族にも直接向けられていた。そのため執拗ないじめを受けたり、親と引き離され孤児となったり、就職や結婚で苛烈な差別・偏見・迫害にさらされ、地域ではその居場所を奪われ住み続けることもできなくなり、自ら命を絶つまでに追い込まれた家族も少なくない。今なお、ハンセン病の患者であった人が身内にいる事実を、戸籍の上でも実生活の上でも隠さなければならない人々は数知れず、この被害は続いている。ここで取り上げる家族訴訟は、ハンセン病の患者であった人の家族である原告一人ひとりの尊厳を取りもどす回復の過程であり、国の誤ったハンセン病強制隔離に加担・協力した各界のみならず、社会の側ないし私たち市民にも人間の尊厳を問う重い課題を含んでいる。そのため、家族訴訟に至った経緯を整理し原告となった家族の語りにふれながら、この問題がらい予防法廃止から 20年も経つ今日まで、なぜ解決に踏み出せなかったのか、ハンセン病強制隔離政策の歴史を踏まえ家族の支援がどうであったか、社会福祉の観点からもあらためて検証を試みるものである。強制隔離政策無らい県運動ハンセン病家族訴訟れんげ草の会
著者
酒井 厚 江川 伊織 菅原 ますみ 松本 聡子 相澤 仁
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.90.17053, (Released:2018-12-25)
参考文献数
54

This study investigated the moderating effects of children’s conflicting relationships with their best friends on how positive parent-child relationships buffer against children’s externalizing problem behaviors directly or through their self-esteem. It also examined whether this moderating effect was conditional on children’s age. Nine hundred and twenty-six elementary and junior high school students completed the questionnaire, which covered their sense of trust in parents, self-esteem, conflicting relationships with best friends, and externalizing problem behaviors. The results of a mediation analysis revealed that children’s high sense of trust in parents buffered against externalizing problem behaviors by enhancing their self-esteem. However, moderated mediation analyses indicated that children with highly conflicting relationships with their best friends reduced the buffering effects of children’s sense of trust in parents on externalizing behaviors both directly and through their self-esteem. These findings were discussed in terms of the children’s conflicting relationships with their best friends and the children’s perception of ego-threat.
著者
松本 聡子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.53, no.7, pp.715-722, 2002-07-15 (Released:2010-04-23)
参考文献数
31
被引用文献数
2

本研究では, 住環境と子どもの発達の関連性を検討する第一段階として, 住環境と「育てる側」である母親との関連性について分析を行った.その結果, 住環境に関する母親の評価が, 母親の活動制限感に影響を及ぼすことによって, 母親の子どもに対する態度を変化させていることが示された.養育態度に影響を及ぼしているとされる様々な要因では説明できない残差の一部がこの住環境要因で説明可能と解釈できると推察されたことからも, 今回の調査の結果は意義のあるものだと言えるだろう.子育てのための住環境問題が深刻化している現在, 不適切な養育態度や育児ストレスの原因となる他の要因の改善と同様に, 今回の分析結果から得られた住環境要因, 特に住居内スペースの質の向上, すなわち, 「自分のためのスペース」の確保や使い易い間取りの工夫などの環境要因を特定・改善していくことは, 有効であると考えられる.
著者
松本 聡子 野村 俊明 奥村 雄介
出版者
東京大学大学院人文社会系研究科グローバルCOEプログラム「死生学の展開と組織化」
雑誌
死生学研究 (ISSN:18826024)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, 2010-12-15

Mental disorders are common among prison inmates. Article 26 of Japan's Mental Health and Welfare Law requires prison governors to report the impending release of inmates with mental disorders to the Prefectural governor; at the same time, documentary evidence of such inmates'psychiatric status must be submitted if they are assessed as likely to exhibit violent behavior. However, no research has been done on the implementation of this law. The goal of this study was to clarify the extent to which documentary evidence is actually included in reports issued by correctional institutions. It was found that documentary evidence is included high rates when inmates fall into 1 or more of the following 3 categories: the prison psychiatrist stated in the release report that hospitalization was necessary for psychiatric treatment; the risk of the inmate's inflicting harm on others is recognized; a violent nature and/or impulsiveness are recognized.
著者
吉武 尚美 松本 聡子 室橋 弘人 古荘 純一 菅原 ますみ
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.180-190, 2012

中学生や高校生が生活全般に抱く満足度評価(以下,生活満足度)に関連する要因として,パーソナリティや学力などのポジティブな個人内特性をはじめ,家族関係や友人関係などの対人関係が検討されてきたが,これらがどのように関連しあって生活満足度に結実するのかは明らかでない。そこで本研究は,ポジティブな個人内特性と対人関係が,生活満足度とそれぞれ独自に関連し,同時に対人関係は個人内特性にも関連するというモデルを構成し,両親の学歴と生徒の性別の影響を統制した上で検証した。加えて,モデルの変数間の関連性に発達的な違いが見られるか検討した。中学1年生(n=254)と高校1年生(n=368)の質問紙データを用い,共分散構造分析により仮説モデルの検証を行った結果,モデルの妥当性が確認され,さらに多母集団同時分析により仮説モデルは中学生と高校生でともに成立し,関連性の度合いもほぼ同程度であることが確認された。ただし,家族関係から個人内特性に引いたパス係数は中学生の方が高校生より有意に大きく,家族環境の良好さと個人内特性の関連性は中学生にとってより顕著であることが示唆された。
著者
松本 聡子 野村 俊明 土屋 悠華 奥村 雄介
出版者
東京大学グローバルCOEプログラム「死生学の展開と組織化」
雑誌
死生学研究 (ISSN:18826024)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, 2009-03-15 (Released:2012-04-11)

公開・国際シンポジウム「聖遺物とイメージの相関性 東西比較の試み」