著者
松浦 健治郎 津村 大揮
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.623-629, 2019-10-25 (Released:2019-11-06)
参考文献数
15

本研究では、近世城下町を基盤とする県庁所在都市のうち、昭和初期に城郭地区内に官庁街を形成した17都市を対象として、城郭地区内の境界と官庁街の変遷の関係性を明らかにすることを目的とする。具体的には、1)城郭地区内の境界の保存の程度を境界の種類や位置との関係から明らかにし、2)城郭地区内の官公庁施設及び市民利用施設の立地の変遷及びそれらと境界との関連性を明らかにすることを目的とする。 明らかになったのは、第1に、境界保存率について境界の位置に着目すると、内側から1・2番目の境界は保存され、3番目の境界は保存されない傾向にあり、境界の断面形態では台地型が、境界の構成要素では自然的境界が保存される傾向にあること、第2に、官公庁施設・市民利用施設の総数は、昭和40年代までは増加傾向にあったが、平成30年では減少しており、それらは階層3に多く立地していること、第3に、境界Cの境界保存率が低い8都市では周辺市街地と空間的連続性のある官庁街・シビックゾーンが階層3に形成され、境界Cの境界保存率が高い3都市では周辺市街地と明確な境界を有する官庁街・シビックゾーンが階層3に形成されていること、である。
著者
松浦 健治郎
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.71, no.602, pp.105-112, 2006-04-30 (Released:2017-02-17)
参考文献数
22
被引用文献数
1 1

This paper aims to clarify 3D spatial composition of Civic Center in the early Showa era with bird's-eye view pictures by YOSHIDA Hatsusaburo in cases of 18 prefectual capital cities based on Japanese Castle-Towns. First, I indicate necessity of complementing by topographical map, photographs and pictures in case of using bird's-eye view pictures by YOSHIDA Hatsusaburo as research material, because characteristic of them is deformation, and examine their possibility of research material. Findings are as follows: 1) We can grasp arrangement conditions and facades of each government and municipal offices, whole construction of Civic Center and physical state of surrounding Civic Center with bird's-eye view pictures, 2) As a result of analysis 3D spatial composition of Civic Center with bird's-eye view pictures in cases of 18 cities, there was principle of 3D Urban Design answer to spatial composition of Castle Districts such as main road, moat and skirt of mountain.
著者
松浦 健治郎 日下部 聡 横田 嘉宏 山口 庸介 浦山 益郎
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.70, no.588, pp.87-94, 2005-02-28 (Released:2017-02-11)
参考文献数
32
被引用文献数
4 2

This paper aims to clarify how to form Civic Center in Castle area in relation to Castle-Towns basis analyzing cases of prefectural capital 17 Cities based on Japanese Castle-Towns from Meiji and Taisho era to the early Showa era. Findings are as follows: 1) Government and municipal offices tended to be dispersed, 2) The whole government and municipal offices tended to be located outside Castle area, but those which formed Civic Center tended to be located inside Castle area, 3) Paying attention to "Class" and "Axis" as space elements of making Castle area, as a result of analyzing relationship between those and Civic Center, we discover various Urban Design method of Civic Center such as Discrimination by locating Prefectural office in the site of the main enclosure of a castle and making identified and symbolic Urban Space by locating government and municipal offices together along moat or skirts of a mountain or main streets.
著者
松浦 健治郎
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.920-925, 2015-10-25 (Released:2015-11-05)
参考文献数
6
被引用文献数
1

本研究では、城下町都市を対象として、堀の再生の現状を分析した上で、堀の再生手法・方法を明らかにすることを目的とする。明らかとなったのは、第1に、全体の1/4の都市で堀の再生が行われており、堀を再生することにより、城下町の風情が増し、市民の憩いの場となること、第2に、内側に城郭のある堀で復原や復元の再生が行われている事例が多いこと、第3に、段階的整備(平面的)・段階的整備(断面的)・他の遺構と一体的に再生・公共施設整備と連動して再生・堀の連続性を確保・既存の堀とは別に堀を再生・堀跡の線形表示という7つの再生方法があること、である。
著者
松浦 健治郎
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.583-588, 2012-10-25 (Released:2012-10-25)
参考文献数
13

本稿では、巡行型祝祭の代表例として日本三大曳山祭の一つである岐阜県高山市の秋の高山祭りを対象として、都市空間と祝祭空間との関係性を都市形態学的に明らかにすることを目的とする。明らかとなったのは、第1に、都市空間の変化に応答するように祝祭空間も柔軟に変化してきたこと、第2に、高山祭の特徴のひとつとして、建築の内部空間と街路空間とを簾や垂れ幕により明確に分離することにより、ハレの空間(街路空間)とケの空間(建築の内部空間)を演出していること、第3に、祝祭空間を都市空間と祭行事の内容により類型化することにより、特徴的な都市空間に合わせて効果的に祝祭空間を演出していることを理解できること、第4に、都市空間整備の一部は祝祭時の利用も考慮して行われていたこと、である。
著者
松浦 健治郎
出版者
Waseda University
巻号頁・発行日
2005-02

制度:新 ; 文部省報告番号:乙1951号 ; 学位の種類:博士(工学) ; 授与年月日:2005/3/3 ; 早大学位記番号:新4031
著者
松浦 健治郎 二之湯 裕久 巌佐 朋広 浦山 益郎
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 第42回学術研究論文発表会 (ISSN:1348284X)
巻号頁・発行日
pp.75, 2007 (Released:2007-11-06)

本研究は、近世城下町を基盤とする府県庁所在都市30を対象として、戦前の府県市庁舎が敷地内に保存された場合に、1)城下町基盤を活用した都市デザインが影響を及ぼしているのか、2)新庁舎をどのように増築しているのか、を明らかにするものである。 明らかとなったのは、1)「建築空間」の保存については、建築的条件(罹災が無いこと・耐火造・建築年が昭和以降)と立地的条件(敷地面積)が主要な要因となっていること、2)「都市空間」の保存については、都市デザイン的条件(主要街路のアイキャッチ・堀沿い等)が主要な要因であること、3)庁舎を保存するための工夫として、「新庁舎の高層化」・「重要な部分の保存」・「新庁舎を郊外に移転」の3つの手法が確認されたことである。
著者
福島 澄也 イア リムセアン 松浦 健治郎
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.925-930, 2020-10-25 (Released:2020-10-25)
参考文献数
17
被引用文献数
1

本論文は、千葉県館山市布良地区における令和元年房総半島台風による建物の外壁被害と風向・風速の関係を明らかにすることを目的とする。また、影響要因として地形要因や隣棟間隔が成立するか検証することも目的とする。調査結果は次のとおりである。第一に、風向・風速と外壁損傷の関係については、強風が予想されなくても外壁が損傷する可能性がある。海に面した外壁は損傷を受けやすい。第二に、被害率の変動は地形の影響を受けることが考えられる。第三に、隣棟間隔と外壁損傷との関係については、隣棟間隔が1m 以下だと被害が少なくなることが明らかになった。
著者
松浦 健治郎 巌佐 朋広 浦山 益郎
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.917-922, 2006

本研究は、39道県庁所在都市を対象として、明治・大正期における官庁街の立地特性及び都市デザイン手法を明らかにするものである。明らかとなったのは、1)近世城下町都市では城郭地区内に官庁街が形成され、それ以外の都市では主要街路沿い又は主要街路沿いに位置する商業地区の裏手に形成されること、2)城郭地区立地型・主要街路沿い立地型で主要街路を活用した4つの都市デザイン手法がみられたこと、3)主要街路から直交する引き込み街路を活用した4つの都市デザイン手法が商業地区裏手立地型で多くみられたこと、4)主要街路又は引き込み街路のアイキャッチに官公庁施設を置く都市デザイン手法は官庁街の立地特性や都市の成立起源に関わりなく、明治・大正期に広く用いられた都市デザイン手法だったこと、である。
著者
松浦 健治郎 二之湯 裕久 巌佐 朋広 浦山 益郎
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画. 別冊, 都市計画論文集 = City planning review. Special issue, Papers on city planning (ISSN:09131280)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.445-450, 2007-10-25
参考文献数
35
被引用文献数
1

本研究は、近世城下町を基盤とする府県庁所在都市30を対象として、戦前の府県市庁舎が敷地内に保存された場合に、1) 城下町基盤を活用した都市デザインが影響を及ぼしているのか、2) 新庁舎をどのように増築しているのか、を明らかにするものである。明らかとなったのは、1) 「建築空間」の保存については、建築的条件(罹災が無いこと・耐火造・建築年が昭和以降)と立地的条件(敷地面積)が主要な要因となっていること、2) 「都市空間」の保存については、都市デザイン的条件(主要街路のアイキャッチ・堀沿い等)が主要な要因であること、3) 庁舎を保存するための工夫として、「新庁舎の高層化」・「重要な部分の保存」・「新庁舎を郊外に移転」の3つの手法が確認されたことである。
著者
松浦 健治郎 横田 喜宏 日下部 聡 浦山 益郎 佐藤 滋
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.69, no.581, pp.67-74, 2004-07-30 (Released:2017-02-09)
参考文献数
59
被引用文献数
5 3

This paper aims to clarify how to form Civic Center for Urban Renewal analyzing cases of prefectural capital 27 Cities based on Japanese Castle-Towns in the Meiji and Taisho era Findings are as follows 1) Government and municipal offices tended to be nearby castle and gather each other to form Civic Center, 2)Just after replacing feudal domain system with prefecture system and operation of city organization sysytem, there were many cases of conversion of existing institutions to prefectural offices and city offices, 3)Nearby Civic Center, Castle Renewal such as reclaiming moats and creating new roads was done in many cities
著者
松浦 健治郎 巌佐 朋広 浦山 益郎
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.41.3, pp.917-922, 2006-10-25 (Released:2018-06-26)
参考文献数
24

本研究は、39道県庁所在都市を対象として、明治・大正期における官庁街の立地特性及び都市デザイン手法を明らかにするものである。明らかとなったのは、1)近世城下町都市では城郭地区内に官庁街が形成され、それ以外の都市では主要街路沿い又は主要街路沿いに位置する商業地区の裏手に形成されること、2)城郭地区立地型・主要街路沿い立地型で主要街路を活用した4つの都市デザイン手法がみられたこと、3)主要街路から直交する引き込み街路を活用した4つの都市デザイン手法が商業地区裏手立地型で多くみられたこと、4)主要街路又は引き込み街路のアイキャッチに官公庁施設を置く都市デザイン手法は官庁街の立地特性や都市の成立起源に関わりなく、明治・大正期に広く用いられた都市デザイン手法だったこと、である。