著者
浦川 将 高本 考一 酒井 重数 堀 悦郎 松田 輝 田口 徹 水村 和枝 小野 武年 西条 寿夫
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.48100197-48100197, 2013

【はじめに、目的】激しい運動後、酷使した筋肉をアイシングにより冷却したり、逆に加温することにより筋機能の回復を図ることは、スポーツの現場で日常的に行われている。これら寒冷・温熱療法は、運動後の筋肉の痛みに対する理学療法として、野球を始めサッカー、水泳、ラグビーなど幅広いスポーツの現場や臨床で適用されている。しかし、その寒冷・温熱療法の効果や作用機序に関しては、十分な検討が行われていない。そこで我々は、寒冷・温熱療法が及ぼす効果とその機序解明を目的に、ラット腓腹筋の伸張性収縮による遅発性筋肉痛モデル用い、寒冷および温熱刺激が遅発性筋肉痛に与える影響を検討した。【方法】6 週齢のSD雄ラットを十分に馴化させ、痛み評価テストを事前に行った。痛みの行動学的評価は、von FreyテストとRandall-Selitto法を用いて、覚醒下のラット腓腹筋上の皮膚へ圧痛刺激を加え、逃避行動を起こす閾値を計測した。ついで、ペントバルビタール麻酔下にて腓腹筋へ電気刺激を加え、筋収縮を誘発するとともに他動的に筋を伸張させる運動(伸張性収縮運動)を500 サイクル繰返した。その後、ラットを運動終了直後から20 分間寒冷刺激を行う群(寒冷群)、温熱刺激を行う群(温熱群)、および刺激を加えない群(対照群)の3 群に分けた(合計N = 37)。寒冷・温熱刺激ともにゲル状パックを用い、それぞれ摂氏10 度および42 度に調整したものを、腓腹筋上の皮膚の上に静置した。これら伸張性収縮運動時とその後20 分間の腓腹筋表面温度(剃毛した皮膚上から)の変化をサーモグラフィにより測定した。伸張性収縮運動翌日から圧痛閾値の推移を計測した。【倫理的配慮】「国立大学法人富山大学動物実験取扱規則」の規定に基づき、厳格・適正な審査を受け承認を得た後、研究を行った。【結果】500 回の伸張性収縮運動により、腓腹筋表面温度が平均約3 度有意に上昇した。伸張性収縮運動に対する介入後、対照群では筋表面温度の変化が見られないのに対し、寒冷群では有意な温度低下を、温熱群では有意な温度上昇が認められた。対照群では、皮膚表層の圧痛閾値を反映するvon Freyテストにおいて伸張性収縮運動前後で閾値に変化が認められなかったが、深層の筋に及ぶ圧痛閾値を評価するRandall-Selitto法では、運動の2 日後から4 日後にかけて有意に閾値が低下し、遅発性筋痛の発現が確認された。寒冷刺激群では、Randall-Selitto法において4 日後のみ圧痛閾値が低下し、対照群との間に有意差は認められなかった。一方、温熱刺激群では、von FreyテストとRandall-Selitto法の双方において、運動前後で圧痛閾値に変化は認められず、運動3 日後(<i>P</i> = 0.083)および4 日後(<i>P</i> < 0.005)において対照群より閾値が上昇した。【考察】本研究では、伸張性収縮運動後に現れる遅発性筋痛に対する寒冷および温熱療法の効果を検討した。その結果、寒冷療法は対照群と比較して遅発性筋痛を抑制しなかった。今回の結果と同様に、組織学的(Takagi, R., et al, J Appl Physiol, 110, 2011)および筋出力(Ohnishi, N., et al, J Therm Biol, 29, 2004)の観点から、運動後の寒冷療法・アイシングの効果に関しては否定的な報告がある。これらのことから、運動後の筋肉冷却は今後検討を要すると考えられる。一方、温熱刺激では遅発性筋痛が抑制された。本研究の結果より伸張性収縮運動中には腓腹筋表面の温度が上昇していることから、収縮筋における代謝亢進と血流増加が示唆される。温熱療法は、加温することによりこの生理学的反応を促進し、筋の障害に対して保護的に作用することが示唆され、遅発性筋肉痛を抑制したと考えられる。今後、筋の代謝と血流変化の観点から検討を加えていく予定である。【理学療法学研究としての意義】骨格筋の痛みに対する寒冷療法、温熱療法の効果に関する知見と、今後の科学的機序解明への可能性を示した。
著者
松田 輝雄 永島 茂 後藤 征治
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
トンネル工学研究発表会論文・報告集 (ISSN:18849091)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.345-350, 1996-11-26 (Released:2011-06-27)
参考文献数
2

The Higashi-roppongi station is a new station of the Namboku-line which is under construction by the Teito Rapid Transit Authority. And this new station is situated in proximity to the metropolitan expressway structures and worked in the ground with high groundwater levels. Therefore it has been planed to carry out the pre-excavation timbering by transverse diaphragm and the wet excavation for safety works. This report will examine these special methods and analyze influences on the adjacent expressway structures.
著者
松田 輝美 津田 彰 Terumi Matsuda
出版者
久留米大学大学院心理学研究科
雑誌
久留米大学心理学研究 : 久留米大学文学部心理学科・大学院心理学研究科紀要 (ISSN:13481029)
巻号頁・発行日
no.12, pp.34-43, 2013

本研究の目的はジャーナル・アプローチが在日中国人留学生の精神的健康に及ぼす効果の検討とプログラムの評価を量的な質問紙調査と質的な面接を用いて行うことである。研究1では,中国人留学生19名を無作為にジャーナル・アプローチ介入群と待機群に分けた。3か月の介入前後にGeneralHealthQuestionnaire-28(GHQ-28)中国語版で精神的健康を測定した。2要因分散分析の結果,両群に有意差は認められなかった。介入群のうち半数が中断したが,彼らは受験が気がかり,あるいは周りの目が気になっていたことが明確になった。研究2では,プログラムの評価と介入中断の原因を特定するために,介入群の中国人留学生6名を対象に半構造化面接を行った。その結果,プログラムに参加した一部の留学生にストレスの緩和や気持ちの変化があることが示された。
著者
山田 和政 山田 恵 塩中 雅博 坂野 裕洋 梶原 史恵 松田 輝 植松 光俊
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.103-106, 2005 (Released:2005-07-27)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

本研究の目的は,閉眼および開眼片足立ち測定,Multi-Directional Reach Testの3評価結果における転倒群と非転倒群の比較,転倒回数との関連性および3評価結果間の相関について調べ,高齢者の転倒要因とされるバランス能力をどのような視点から捉えるべきか検討した。結果,いずれの評価結果においても転倒群が有意に少ない値を示し,また,転倒回数が多い者ほど値が少なかった。転倒群では,各評価結果間すべてにおいて有意な相関が認められた。以上より,転倒要因として圧中心保持能力と圧中心偏移能力の両方の視点からバランス能力を捉える必要のあることが示唆された。