著者
板橋 義三
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009-04-01

本年度は予定通りに著書刊行した。平成21年度から24年度までのフィールド調査の結果をまとめ,それを著書の一章として取り込み、以前の2つの科研費による調査(H12~H15「樺太アイヌ語の母音の長短と北海道アイヌ語の高さアクセントの史的関係の解明」(H16~H19「東北地方におけるマタギ語彙の研究とマタギ語辞典の編纂」)を基盤として一章として組み入れた。その他アイヌ語に関する論文やそれを傍証する遺伝学、人類学、考古学、地名学などを援用し、学際的アプローチから上梓した。著書名は「アイヌ語・日本語の形成過程の解明に向けての研究」―地域言語学、言語類型論、通時言語学を基盤にした学際的アプローチーとした。
著者
板橋 義三
出版者
日本生理人類学会
雑誌
日本生理人類学会誌 (ISSN:13423215)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.45-53, 2015-02-25 (Released:2017-07-28)

This paper is an attempt to deal with the origins and formation of the Japanese language, in the light of mostly linguistic aspects of the neighboring languages, such as Old Korean, Old Chinese, Proto-Austronesian, and some archeological aspects. This notion is also based on a linguistic theory that the Japanese is formed through time with language contacts with the neighboring languages mentioned above. This also discusses the particular aspects of language contact of each language and language family in order to suggest that Japanese has been formed by language contacts with those languages.
著者
板橋 義三
出版者
日本生理人類学会
雑誌
日本生理人類学会誌 (ISSN:13423215)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.45-53, 2015

This paper is an attempt to deal with the origins and formation of the Japanese language, in the light of mostly linguistic aspects of the neighboring languages, such as Old Korean, Old Chinese, Proto-Austronesian, and some archeological aspects. This notion is also based on a linguistic theory that the Japanese is formed through time with language contacts with the neighboring languages mentioned above. This also discusses the particular aspects of language contact of each language and language family in order to suggest that Japanese has been formed by language contacts with those languages.
著者
板橋 義三
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

東北地方、特に秋田(阿仁地域)、青森(西目屋地域)のマタギ語の語彙を詳細にフィールド調査した。調査した言語学的レベルは語彙・意味だけでなく句や節、アクセント、イントネーションも含み文レベルである。また調査した語彙領域は日常生活マタギ語彙と談話、狩猟関連語彙、食文化語彙、儀礼・儀式関連語彙、その他必要と思われる語彙(インタビューと語彙調査)である。アイヌ語との関連も念頭において、これらの語彙をビデオとICレコーダーに収録したが、山での談話に関しては収録ができなかった。調査して収録できた語彙はすべて文字化し、それをデータベース化し、アルファベット順にまとめた。その語彙データベースを用いその分析を行い、その特徴などをまとめて考察し、それを口頭発表すると共に投稿論文として著した。できる限り山でのマタギの生活で使用する衣服や道具は実際に身に付けてもらい、マタギに関連する文化財はすべてカメラに収めた。それらの品とその解説記述を最終的にはマタギ語辞典に掲載した。既存のマタギ語の語彙文献も縦横に駆使し、現存するフィールド調査で得られた語彙は、様々な視点から分類し、それぞれの視点において詳細に分析し、アイヌ語との関連語彙は語源もできる限り明らかにし、マタギ語内のアイヌ語の語彙体系も詳しく分析した。アイヌ語と意味と形態素が近似する場合には、アクセントとイントネーションにも充分に気をつけ、その対応関係の有無も分析した。最終的にマタギ語の語彙をまとめ上げ、データベース化し、主に語レベルを中心に文レベルまで含め、包括的なマタギ語辞典を編纂した。
著者
板橋 義三
出版者
日本言語学会
雑誌
言語研究 (ISSN:00243914)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.120, pp.106-116, 2001-12-25 (Released:2007-10-23)
参考文献数
15