著者
大森 隆行 丸山 勝久 林 晋平 沢田 篤史
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.3_3-3_28, 2012-07-25 (Released:2012-09-25)

ソフトウェアは,利用者を満足させ続けるために絶えず進化しなければならない.本論文では,このようなソフトウェア進化に関連する研究を,手法,対象,目的という三つの視点から分類する基準を示す.その上で,それぞれの分類に基づき文献調査を行った結果を示す.この分類と調査の結果は,ソフトウェア進化分野の研究動向や研究の方向性を考察する足掛かりとなる.
著者
小林 隆志 林 晋平
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.3_13-3_23, 2010-07-27 (Released:2010-09-27)

本論文では,多量のソフトウェア関連データを用いたソフトウェアの構築・保守支援手法及びそのために必要なデータマイニング技術の動向を,既存の研究を概観しつつ紹介する.
著者
崔 恩瀞 藤原 賢二 吉田 則裕 林 晋平
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.1_47-1_59, 2015-01-26 (Released:2015-03-26)

リファクタリングとは,ソフトウェアの外部的振る舞いを変化させることなく,内部の構造を改善するプロセスを指す.研究者・実務者ともに,開発プロジェクトにおいて過去に実施されたリファクタリングを知りたいという要求がある.そこで,リファクタリングの実施を自動的に検出する手法(リファクタリング検出手法)が数多く提案されている.これらの手法は,多様な国際会議や論文誌において発表されており,研究者や実務者にとって研究成果を概観することは容易ではない.本稿では,リファクタリング検出手法の中でも,盛んに研究が行われている成果物の変更履歴解析に基づく手法を中心に紹介を行う.まず,本稿におけるリファクタリング検出の定義および分類について述べる.その後,成果物の変更履歴解析に基づく手法を紹介し,今後行われる研究の方向性について考察を行う.
著者
荒川 悦雄 フォグリ ヴォルフガング 小杉 聡 小林 晋平 鴨川 仁
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.107-117, 2019-07-31 (Released:2019-08-29)
参考文献数
47

重さ,重量,重力の大きさ,及び質量についての最近の法的な単位規制を紹介し,重力単位系時代からの慣例も踏まえて,現行の小学校の理科及び算数で取り扱われている重さの意味及び単位について調べた。義務教育諸学校は計量法に則した計量単位及びその記号に国際単位系(SI)を教科書採用している。小学校第3学年の理科及び算数に於いては重さを質量の意味とともに重力の大きさの意味で導入し,定量の際の単位には質量のグラムあるいはキログラムを使用している。小学校第6学年の算数では重さという用語はそのままで,質量という用語は導入されず国際キログラム原器による質量の定義の説明がなされている。学習指導要領によって小学校の重さという用語にグラムあるいはキログラムという単位を使用することは,教育上の観点から教育段階に配慮した対応と考え,発達段階に応じた概念の分化とされている。この状況はSIに代わる前の重力単位系による記述に似る。中学校以降ではSIの定義の通りに重さは単位をニュートンに変更して重力の大きさの意味に限定するとともに,新たに単位をキログラムとする質量の概念が導入され,重さと質量の違いを概念の違いとして区別する。現行カリキュラムでは重さの意味と単位は小学校から中学校に進学すると変わる。これらが変わる事は科学的な知識を連続的に積み上げていく学習の観点からは改善の余地がある。これに対して本稿は二通りの解決策を提案する。解決策の一案は,小学校にて重さを計測するための感覚表現と学術用語とを分けることにし,質量の用語を導入することである。解決策の別案は,小学校卒業以降も重さは質量の意味に留め,現在は重さと同義語とされる重量の方を重力の大きさの意味に限定することである。これらいずれかの提案によって,義務教育諸学校にて一貫した用語と単位を使い続けることができる。
著者
高橋 碧 セーリム ナッタウット 林 晋平 佐伯 元司
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.1040-1050, 2019-04-15

大規模なソフトウェア開発では,ある特定のバグを解決するために修正すべきソースコード箇所を見つけるBug Localizationが必要である.情報検索に基づくBug Localization手法(IR手法)は,バグに関して記述されたバグレポートとソースコード内のモジュールとのテキスト類似度を計算し,これに基づき修正すべきモジュールを特定する.しかし,この手法は各モジュールのバグ含有可能性を考慮していないため精度が低い.本論文では,ソースコード内のモジュールのバグ含有可能性として不吉な臭いを用い,これを既存のIR手法と組み合わせたBug Localization手法を提案する.提案手法では,不吉な臭いの深刻度と,ベクトル空間モデルに基づくテキスト類似度を統合した新しい評価値を定義している.これは深刻度の高い不吉な臭いとバグレポートとの高いテキスト類似性の両方を持つモジュールを上位に位置付け,バグを解決するために修正すべきモジュールを予測する.4つのOSSプロジェクトの過去のバグレポートを用いた評価では,いずれのプロジェクト,モジュール粒度においても提案手法の精度が既存のIR手法を上回り,クラスレベルとメソッドレベルでそれぞれ平均22%,137%の向上がみられた.また,不吉な臭いがBug Localizationに与える影響について調査を行った.
著者
星野 大樹 林 晋平 佐伯 元司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.9, pp.1-8, 2015-03-05

ソースコード編集履歴の理解性や利用性を向上させるための履歴リファクタリング手法が提案されている.しかし,既存手法ではどのような編集履歴をどのようにリファクタリングすべきか明確でない.本稿ではリファクタリングが必要となる履歴の特徴を 「履歴の臭い」 として定義し,また,履歴の臭いを判別するためのメトリクスを提案する.提案したメトリクスによって各編集操作の結びつきを捉え,臭いの自動検出を可能とする.検出の精度について評価を行い,適合度 0.86 など有用な結果を得た.History refactorings that improve the understandability and usability of a history of source code have been proposed. However, the proposed technique has not define where and how to refactor a history. We define bad smells in history and metrics for detecting them. Identifying the relationship between editing operations in a history by using the proposed metrics leads to automated detection of bad smells in history. We confirmed that our detection technique is useful due to its high accuracy.
著者
風戸 広史 林 晋平 岡田 敏 宮田 俊介 星野 隆 佐伯 元司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.165, pp.91-96, 2012-07-20

プログラムを変更する前に,開発者はまずFeature Locationにより機能に対応するソースコード上の実装箇所を特定し,続いてその箇所に関する静的構造や振る舞いを理解する.本稿では,実行トレースに系列マイニング,形式概念分析を組み合わせて適用することによって,機能の実装箇所を特定するだけではなく,その箇所の構造を半自動的に特定する手法を提案する.提案手法の支援ツールを試作し,Webアプリケーションの例題に適用した結果,提案手法が実現可能であり,また単に機能の実装箇所を特定するよりも理解に役立つことを確認した.