著者
菊池 真 舘 延忠 小塚 直樹 二宮 孝文 小林 正裕 堀本 佳誉 内田 英二 佐々木 公男 辰巳 治之
出版者
札幌医科大学医学部
雑誌
札幌医学雑誌 = The Sapporo medical journal = The Sapporo medical journal (ISSN:0036472X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.3, pp.39-44, 2005-08-01

Formalin is a main fixative in the field of pathology. Molecular biological analysis of formalin-fixed samples was difficult because formalin fixation decreased the quality of isolated DNA. Therefore, we compared the quality of DNA obtained by using DNA extraction kit (Sepa GeneR) to that using proteinase K. Using proteinase K, it was possible to extract high quality DNA, and obtain DNA from samples of 3 months fixative. Moreover, by proteinase K method, it was also possible to analyze aprataxin gene exon 5 in DNA extraction from formalin-fixed human brain tissues from a suspected case of early-onset ataxia with ocular motor apraxia and hypoalbuminemia (EAOH). The aprataxin gene exon 5 DNA sequences were obtained following in vitro gene amplification using nested-PCR. Mutation on aprataxin gene exon5 was not observed in the suspected case of EAOH; however, it was possible to perform sequence analysis of aprataxin gene exon5. This method was more useful for DNA extraction and direct sequencing of formalin-fixation samples than the kit method.
著者
阿部 真比古 小林 正裕 玉城 泉也 藤吉 栄次 菊地 則雄
出版者
水産増殖談話会
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.497-503, 2008 (Released:2011-12-19)

アサクサノリと変種オオバアサクサノリを判別することを目的とし、ミトコンドリアATP6遺伝子に関連したミトコンドリアDNA部分塩基配列(670塩基)をマーカーに解析を試みた。その結果、オオバアサクサノリ3株において塩基配列が完全に一致し、ITS-1領域で変異が見られたアサクサノリ系統3株においても本領域の塩基配列は完全に一致した。また、アサクサノリ系統とオオバアサクサノリの間で1塩基置換が確認された。このことから、本領域はオオバアサクサノリの判別に有効なマーカーとなる可能性があることが示唆された。また、本領域はアサクサノリとナラワスサビノリの間でも20-21塩基置換が認められた。これらのことから、オオバアサクサノリの判別だけでなく、アマノリ類の種判別技術開発に活用できるマーカーとなる可能性もある。
著者
尾田 成幸 上妻 智行 藤吉 栄次 玉城 泉也 小林 正裕 吉田 吾郎 菊池 則雄
出版者
福岡県水産海洋技術センター
雑誌
福岡県水産海洋技術センター研究報告 = Bulletin of Fukuoka Fisheries and Marine Technology Research Center (ISSN:09192468)
巻号頁・発行日
no.22, pp.77-81, 2012-03

海域環境に適合したノリ養殖対象種および育種素材を探索するため,2010年と2011年の3月に福岡県豊前海沿岸の16河川の河口域でアサクサノリPorphyra tenera Kjellmanの分布状況を調査した。その結果,奥畑川(北九州市門司区大積)と近衛川(京都郡苅田町新浜町),および長野間川(行橋市稲童浜)の3河川でアマノリ属の生育が確認された。3河川で採取されたアマノリ属の葉状体は,奥畑川で採取されたソメワケアマノリPorphyra katadae Miura等を除き,形態的特徴とDNA分析結果からアサクサノリと判断された。アサクサノリはアシ原などの自然環境が残る干潟付近で生育が認められることが多い。近衛川は工業団地を流れ両県を護岸に囲まれた人工的な小河川で、長野間川についても護岸に囲まれた小河川であったが,いずれの河川も共通して河口域に広い感潮域が形成されていた。福岡県内でアサクサノリの生育が発見されたのは初めてである。今後は養殖対象種および育種素材として利用できるか否かを評価する必要がある。
著者
尾田 成幸 上妻 智行 藤吉 栄次 玉城 泉也 小林 正裕 吉田 吾郎 菊池 則雄
出版者
福岡県水産海洋技術センター
雑誌
福岡県水産海洋技術センター研究報告 (ISSN:09192468)
巻号頁・発行日
no.22, pp.77-81, 2012-03

海域環境に適合したノリ養殖対象種および育種素材を探索するため,2010年と2011年の3月に福岡県豊前海沿岸の16河川の河口域でアサクサノリPorphyra tenera Kjellmanの分布状況を調査した。その結果,奥畑川(北九州市門司区大積)と近衛川(京都郡苅田町新浜町),および長野間川(行橋市稲童浜)の3河川でアマノリ属の生育が確認された。3河川で採取されたアマノリ属の葉状体は,奥畑川で採取されたソメワケアマノリPorphyra katadae Miura等を除き,形態的特徴とDNA分析結果からアサクサノリと判断された。アサクサノリはアシ原などの自然環境が残る干潟付近で生育が認められることが多い。近衛川は工業団地を流れ両県を護岸に囲まれた人工的な小河川で、長野間川についても護岸に囲まれた小河川であったが,いずれの河川も共通して河口域に広い感潮域が形成されていた。福岡県内でアサクサノリの生育が発見されたのは初めてである。今後は養殖対象種および育種素材として利用できるか否かを評価する必要がある。
著者
伊藤 龍星 原 朋之 樋下 雄一 藤吉 栄次 玉城 泉也 小林 正裕 阿部 真比古 吉田 吾郎 菊地 則雄
出版者
大分県農林水産研究指導センター水産研究部
雑誌
大分県農林水産研究指導センター研究報告. 水産研究部編 = Bulletin of Oita Prefectural Agriculture, Forestry and Fisheries Research Center (Fisheries Research Division) (ISSN:2186098X)
巻号頁・発行日
no.4, pp.9-22, 2014-07

国東半島及び別府湾の沿岸で、アサクサノリほか希少アマノリ類の分布について調査した。1. 採集した葉状体は形態観察を行い、アサクサノリと思われるものはさらにPCR-RFLP分析による種同定を行った。2. 調査を行った46地点のうち、国東半島10地点、別府湾2地点の計12地点で採集したアマノリ葉状体がアサクサノリと判断された。3. 国東半島の1地点で採集したアマノリ葉状体がイチマツノリと判断された。4. 国東半島の3地点で採集したアマノリ葉状体がソメワケアマノリと判断された。5. アサクサノリは環境省の「絶滅危惧I類」、水産庁の「絶滅危惧種」に、イチマツノリは水産庁の「絶滅危惧種」に、ソメワケアマノリは環境省の「準絶滅危惧種」、水産庁の「絶滅危惧種」に選定されており、国東半島及び別府湾には、貴重な絶滅危惧種アマノリ類が分布していることが判明した。
著者
小林 正裕 中山 英久 Ansari Nirwan 加藤 寧
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.221, pp.131-136, 2007-09-13
参考文献数
17

IPマルチキャストに代わるストリーム配信技術として,各ノードのストリーミングアプリケーションに依存してマルチキャストツリーを構成するApplication Layer Multicast(ALM)技術に注目が集まっている.ALMでは配信ツリーを構成し,そのツリー構造に従ってストリームを配信する.そのため,ツリーの上位に位置するノードの離脱により,そのノードよりも下位に位置するノードヘストリームが配信されない場合が生じる.そのような問題点に対して,Topology-aware Hierarchical Arrangement Graph(THAG)を利用してALMを実現するストリーム配信手法が提案されている.THAGでは,Multiple Description Coding(MDC)により,ストリームを複数の部分ストリームに分割しそれぞれの部分ストリームに対して,Arrangement Graph(AG)から独立にツリーを構成して配送する.しかし,THAGではすべて同じサイズのAGを用いるため,ネットワーク帯域が不均一な環境では帯域に適したストリームを配信できない可能性がある.本稿では,ネットワークの利用可能帯域に応じてAGのサイズを動的に変更する方法を提案する.提案手法は,THAGをネットワーク帯域が不均一な環境に適応させた手法である.ns-2を用いたシミュレーションにおいて,トータルスループットとBandwidth Satisfaction Rate(BSR)による評価では,THAGよりも提案手法が優れていることを示す.
著者
林 正裕
出版者
長崎大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2004

深海生物を供試材料として深海環境を模した装置を用いて、高CO_2環境が深海生物に及ぼす影響を室内実験で把握する手法を開発し、その手法を用いて生物影響を調査することを主目的として実験を行い、今年度は以下の成果を得ることができた。1、深海魚のCO_2耐性を把握するために、底生性深海魚ザラビクニンCareproctus trachysomaを用いて、数段階のCO_2レベルでの曝露実験(水温2℃)を実施した。ザラビクニンの急性(72時間)致死CO_2レベルは、2%CO_2(CO_2分圧≒2kPa)であることが分かった。そして、ザラビクニンのCO_2耐性は浅海魚(ヒラメ・イシガレイ)に比べて弱い可能性があった。2、深海魚の生理機能に対するCO_2影響を調査するために、高CO_2環境下でのザラビクニンの呼吸頻度の変化を調べた。2%CO_2曝露によって、ザラビクニンの呼吸頻度は、曝露開始後3時間で曝露前の値31.6±5.2(N=3)回/minから18.7±5.0回/min(3時間)まで低下し、その後試験終了時まで上昇し続けた(72時間;27.0回/min(N=2))。これまでの知見において、ザラビクニン以外の全ての魚類で、環境水のCO_2増加に伴い呼吸頻度は上昇しており、高CO_2環境下において、魚類の呼吸頻度が低下した前例はない。3、魚類において呼吸や酸排泄を担う鰓の形態計測をザラビクニンで実施した。ザラビクニンの一次鰓弁長は5.1±0.6mm(N=4)、一次鰓密度は17.5±1.3本/cm、二次鰓弁表面積は0.090mm^2、二次鰓弁密度は13.9±0.8枚/mm及び鰓表面積94±24mm^2/gであった。4、ザラビクニンを高圧実験装置に収容し、高水圧下における心拍数の変化を調査した。ザラビクニンの心拍数は、常圧時の22.2回/minから20atmで26回/minに増加した。さらに40atmで27回/minになり、最終的に100atmで25回/minとなった。
著者
小林 正裕 亀井 聡 斎藤 洋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.373, pp.25-30, 2011-01-13
被引用文献数
1

ビデオトラヒックの増加により,通信事業者では設備コスト削減に向け,キャッシュ技術に再び注目が集まっている.しかし,動画共有サイトにおけるUGC(User Generated Contents)の増加により,現在のビデオコンテンツは,大容量化に加え,人気度がロングテール化し,さらに短期的に人気コンテンツが変動するため,キャッシュ効果が得難い.本稿では,動画共有サイトにおけるコンテンツアクセス傾向情報を利用し,上記の特性を持つビデオコンテンツに対するキャッシュ連携方式の有効性評価を行う.そして,評価結果を基に,効率的なビデオコンテンツキャッシュシステムについて考察する.
著者
古丸 明 堀 寿子 柳瀬 泰宏 尾之内 健次 加藤 武 石橋 亮 河村 功一 小林 正裕 西田 睦
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.76, no.4, pp.621-629, 2010 (Released:2010-10-11)
参考文献数
16
被引用文献数
4 6

シジミ属(Corbicula)の種判別を目的とし,日本,中国,朝鮮半島産 4 種(C. japonica, C. fluminea, C. largillierti, C. leana)と不明種 (C. sp.) mtDNA16S rDNA の配列(437 bp)を比較した。ヤマトシジミ C. japonica と淡水産シジミ類間の塩基置換率は平均 5.98%(5.26-6.41%)で判別は容易であった。日本産と朝鮮半島産ヤマトシジミ間の置換率は低かった(0-1.14%)が,ハプロタイプ頻度の相違から産地判別は可能であった。