著者
菊池 真 舘 延忠 小塚 直樹 二宮 孝文 小林 正裕 堀本 佳誉 内田 英二 佐々木 公男 辰巳 治之
出版者
札幌医科大学医学部
雑誌
札幌医学雑誌 = The Sapporo medical journal = The Sapporo medical journal (ISSN:0036472X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.3, pp.39-44, 2005-08-01

Formalin is a main fixative in the field of pathology. Molecular biological analysis of formalin-fixed samples was difficult because formalin fixation decreased the quality of isolated DNA. Therefore, we compared the quality of DNA obtained by using DNA extraction kit (Sepa GeneR) to that using proteinase K. Using proteinase K, it was possible to extract high quality DNA, and obtain DNA from samples of 3 months fixative. Moreover, by proteinase K method, it was also possible to analyze aprataxin gene exon 5 in DNA extraction from formalin-fixed human brain tissues from a suspected case of early-onset ataxia with ocular motor apraxia and hypoalbuminemia (EAOH). The aprataxin gene exon 5 DNA sequences were obtained following in vitro gene amplification using nested-PCR. Mutation on aprataxin gene exon5 was not observed in the suspected case of EAOH; however, it was possible to perform sequence analysis of aprataxin gene exon5. This method was more useful for DNA extraction and direct sequencing of formalin-fixation samples than the kit method.
著者
菊池 真維子 中島 政信 室井 大人 高橋 雅一 山口 悟 佐々木 欣郎 土岡 丘 加藤 広行
出版者
日本外科系連合学会
雑誌
日本外科系連合学会誌 (ISSN:03857883)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.176-181, 2019 (Released:2020-04-30)
参考文献数
13
被引用文献数
1

食道癌根治切除術は他の消化器癌手術と比べ侵襲の高度な手術となり,不整脈などの術後合併症が重篤化することもしばしばで周術期管理は特に重要である.当科にて右開胸または胸腔鏡下での食道癌根治切除術を施行した症例中,術中および術後に120回/分以上の頻脈性不整脈の発現を19例に認め,術前から心電図異常を認め(p=0.0001),循環器疾患の既往を認めた症例(p=0.0061)で有意に頻脈性不整脈の発生を認めた.当科では頻脈性不整脈に対する治療の中で,19例中12例に短時間作用型β1選択的遮断薬である塩酸ランジオロール投与を行っており,12例に対する後方視的な検討を行った.塩酸ランジオロール投与により10例(83.3%)が洞調律への改善を認め,全例に血圧低下や呼吸状態の悪化は認めなかった.投与基準に従った食道癌周術期における頻脈性不整脈に対する塩酸ランジオロール投与は副作用を生じることなく安全に投与可能であり,術後成績向上の一助になると思われる.
著者
堀江 義則 菊池 真大 海老沼 浩利 志波 俊輔 谷木 信仁 褚 柏松 中本 伸宏 金井 隆典
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.57, no.10, pp.538-547, 2016-10-20 (Released:2016-11-04)
参考文献数
28
被引用文献数
2 2

本邦のアルコール総消費量は近年大きな変化はなく,欧米と同等の高い水準で推移している.今回,肝細胞癌(HCC)発症における飲酒の影響について検討した.全国の1496施設に対し,2014年度に診断・治療されたHCC患者についてアンケート調査を行った.7047例のHCC患者の成因は,HBV 13.9%,HCV 54.7%,HBV+HCV 3.6%,アルコール単独によるもの(ALD-HCC)13.9%,非アルコール性脂肪性肝疾患関連4.6%,その他9.5%で,2009年度と比較してALD-HCCの割合が増加傾向にあった.背景因子が確認された333例の初回診断ALD-HCCでは,平均年齢は69.8歳,男性が94%,糖尿病有病率50%,肝硬変合併率85%であった.AFP低値例が多く,66歳以上で肝硬変がない例とChild-PughスコアAの割合が多かった.肝予備能が保たれたまま長期に飲酒し,高齢になって肝発癌が増えたことが予測される.ALD-HCCへの対策としては早期介入による飲酒量の低減が根本的な課題ではあるが,画像診断等により早期にHCCを診断し,治療に結び付けることも今後の課題である.
著者
菊池 真一
出版者
甲南女子大学国文学会
雑誌
甲南国文 (ISSN:02881403)
巻号頁・発行日
no.60, pp.148-201, 2013-03
著者
堀本 佳誉 菊池 真 小塚 直樹 舘 延忠
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.B1567, 2008

【諸言】常染色体劣性遺伝性脊髄小脳変性症のひとつである、眼球運動失行を伴う失調症(AOA1)はaprataxin遺伝子の変異により起こる疾患である。この遺伝子の翻訳するタンパクは一本鎖遺伝子損傷修復機能を有することが確認されている。疾患の発症時期は10歳以前であり、発症早期より失調症状が認められ、その後、疾患の進行とともに末梢神経障害が著明となる。成人期AOA1患者の小脳症状と末梢神経障害の臨床症状を知ることは、予後を予測した理学療法を行うために重要である。また、一過性の過負荷の運動は遺伝子やタンパクの損傷を引き起こし、逆に規則的で適度な運動は損傷を一定に保つか減少させることが知られており、AOA1患者の臨床症状における遺伝子損傷レベルを知ることは適切な運動量・強度の処方の上で重要な指標となる。<BR>【方法】対象はAOA1患者(689insT)の姉妹(44歳、48歳)であった。末梢神経症状の量的評価として運動神経伝導速度の計測を行った。対象神経は、上肢は尺骨神経、下肢は腓骨神経とした。重症度は厚生省運動失調調査研究班によるSCDの重症度分類、小脳症状はInternational Cooperative Ataxia Rating Scale、末梢神経症状はNeuropathy Disability Score、筋力評価はMedical Research Council sum score(MRCS)を用い、質的評価を行った。遺伝子損傷レベルの測定は平常時の尿中8-ヒドロキシデオキシグアノシン(以下8-OHdG)濃度測定を行い、40代女性10名(43.3±2.1歳;41~46歳)を対照群とした。各被検者に対し、本研究の説明を行い、書面にて同意を得た。<BR>【結果】神経伝導速度は、尺骨神経では21.2m/s、20.5 m/s、腓骨神経では計測不能で、尺骨神経では20歳代から40歳代の約15年で20m/s程度の低下が認められた。質的評価により、重度の小脳失調と、特に末梢部・下肢に強い筋力低下が認められることが明らかとなった。尿中8-OHdGでは、対照群は3.7±1.2ng/mg、AOA1患者はそれぞれ4.0ng/mg、7.3ng/mgであり、対照群との差は認められなかった。<BR>【考察】成人期AOA1患者の臨床症状の評価により、より早期に小脳症状に対する理学療法のみでなく、末梢神経障害を考慮した身体局所の選択的筋力強化、関節変形・拘縮の予防的運動療法などの理学療法を行うことが重要になると考えられた。平常時の尿中8-OHdGは対照群との差が認められなかったが、過負荷な運動はAOA1患者の病状の進行を助長してしまう可能性があることを考慮すると、今後、理学療法前後の尿中8-OHdGの測定を行う必要があると考える。
著者
菊池 真一 小口 正信 宮川 俊夫 田部 洋 安田 正博 原 重夫
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.163-168, 1980-06-20 (Released:2011-08-11)
参考文献数
2

The authors investigated on determining sensitivity of phototypesetting films and papers, based on the exposure condition which the line-width of character could be correctly reproduced under.The line-width is faithfully reproduced under the following conditions;Film: The exposure to cause 2.0+ΔD density units.Paper: Three times exposure to cause 0.7+ΔD density units.(ΔD is fog-plus-base density)Finally, the authors propose to determine the sensitivity as follows;Film: Sf=100/E (E: lux·Esec at D=2.0+ΔD)Paper: Sp=100/3E (E: lux·Esec at D=0.7+ΔD)
著者
藤嶋 昭 本多 健一 菊池 真一
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
工業化学雑誌 (ISSN:00232734)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.108-113, 1969-01-05 (Released:2011-09-02)
参考文献数
22
被引用文献数
123

n型半導体であるTiO2(ルチル)を電極に用いて分極挙動を測定した。光照射しない時にはカソード分極下で水素発生が起こるが,アノード分極下ではほとんど電解電流が流れず顕著な電解整流作用を示した。TiO2電極表面に光照射すると,カソード電流は変化しないがアノード電流は著しく増加する。この電流はTiO2のバンドギァプ3.0eVに相当する415mμ以下の波長の光によってのみ生じ,また電流の大きさは光強度に比例する。立ち上り電位はpH4.7では-0.5V(vs.SCE)である。この電解酸化反応は従来n型半導体で報告されている電極自身の溶解反応ではなくて,水の電解による酸素の発生であることを確かめた。このことはいわゆる平衡電位より約1V以上も卑な電位で酸素発生がおこる“光増感電解酸化”であり,光のエネルギーを半導体が吸収したためである。またI-のI2への酸化も平衡電位より卑で起こることを確かめた。機構については半導体のバンドモデルから考察した。
著者
菊池真一 [ほか] 編
出版者
南江堂
巻号頁・発行日
1966

1 0 0 0 OA 都々逸 翻刻

著者
菊池 真一
出版者
甲南女子大学
雑誌
甲南女子大学研究紀要. 文学・文化編 (ISSN:1347121X)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.A17-A83, 2006-03-18

This is a presentation of dodoitsu (Japanese limericks). Dodoitsu is a song sung to the accompaniment of a shamisen (samisen). It was popular in the Edo, Meiji, Taisho and Showa periods.
著者
長谷川 洋 菊池 真里 竹中 佐和 斉藤 康幸 佐々木 寿子
出版者
筑波技術短期大学学術国際交流委員会
雑誌
筑波技術短期大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.57-63, 2001

本学の在学生を対象に聴覚障害児教育における分離教育(聾学校)と統合教育についてアンケートを実施した結果を報告する。統合教育における問題点は、授業が分からないことと友人との人間関係の構築が難しい点にある。統合教育を受けた学生の半数は難聴学級もない学校で学んでいる。それにも拘わらず、統合教育を受けて良かったと評価している。一方聾学校の場合は、学力が低い、人数が少なすぎる、通うのに遠いなどの問題がある。こうした結果をもとに、統合教育と分離教育のあり方について考察する。