著者
平林 秀光 清水 幹夫 森田 洋 柳澤 信夫 三村 昭平
出版者
The Japanese Society of Intensive Care Medicine
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.363-370, 1997-10-01 (Released:2009-03-27)
参考文献数
7

1994年6月27日深夜,松本市内の住宅街でサリン中毒患者が発生し,現場で5名の死亡が確認され,市内病院受診者の総数は264名(病院死亡2名)に及んだ。われわれは,264名の患者について初診時の臨床データおよび4か月後の症状について検討した。発症当初の血漿(偽性)コリンエステラーゼ(pseudo cholinesterase; ChE)値低下例は23.9%(53/222例)で,このうち20例は高度低下例であった。縮瞳は69.4%(152/219例)に認あられた。縮瞳の程度とChE値の問に有意な相関が認められたが,顕著な縮瞳を認めた症例でChE値が正常域であった症例も多く,眼球結膜への局所作用と考えられた。血液化学検査に関しては血清クレアチンキナーゼ(serum creatine kinase; CK)値上昇,白血球数増加,血清カリウム(値)低下,血清クロール(値)低下を示した症例でそれぞれ有意にChE値が低下していた。4か月後の調査では依然「眼の疲れ」,「眩しさ」などの眼症状や全身倦怠感,微熱などを訴えており,今後も経過観察が必要であることを確認した。
著者
和田 成一 倉林 秀光 小林 泰彦 舟山 知夫 夏堀 雅宏 山本 和夫 伊藤 伸彦
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.471-477, 2003-04-25
被引用文献数
2 18

三種類の細胞, CHO-K1, HMV-IIおよびL5178Yを用いてγ線照射によるDNA損傷と細胞死との関係を調べた.細胞の生存率はクローン形成法によって求められた.放射線照射によるDNA鎖切断とその再結合はアルカリ及び中性コメット法で測定された.三種類の細胞の中ではL5178Yが最も放射線感受性で,CHO-K1とHMV-IIは放射線抵抗性であった.これらの細胞の放射線感受性(2Gy照射時の生存率)と,アルカリ条件下での単位線量あたりの初期DNA損傷生成率の間には負の関係が認められた.一般に細胞の放射線感受性に関連すると考えられているDNA二本鎖切断の単位線量あたりの残存量(照射4時間後)と放射線感受性との間にも負の関係が認められた.今回用いた分析条件では,DNA初期損傷の評価にはアルカリ条件が,残存損傷の評価には中性条件が適することが分かった.今回用いたコメット法は,放射線によるDNA損傷を検出する他の方法よりも簡便で迅速であるので,放射線感受性を予測する方法として有用であると思われる.
著者
林 秀光
出版者
慶應義塾大学法学研究会
雑誌
法学研究 = Journal of law, politics and sociology (ISSN:03890538)
巻号頁・発行日
vol.89, no.12, pp.1-25, 2016-12

はじめに第一節 国民政府の三峡ダム開発との関連 1 水力発電工程総処の接収と三峡ダム技術者の留用 2 朝鮮戦争への参戦と「留用人員」の三峡ダム否定 第二節 水力開発主管部門としての水電工程局第三節 長江「まずは支流, のちに主流」開発方針と陳雲の賛同第四節 水力発電部門のジレンマと局面の打開 1 李鋭と張鉄錚の高いモチベーションと厳しい現実 2 火力部門と水利部門の狭間であえぐ水力発電部門 3 水力発電総局への格上げと権限の拡大 ① ソ連専門家の助言と燃料工業部内の調整難航 ② 李鋭と陳雲のコネクションによる問題解決第五節 ソ連訪問中の「三峡ダムをやる余力はない」という判断おわりに論説
著者
林 秀光
出版者
慶應義塾大学法学研究会
雑誌
法学研究 (ISSN:03890538)
巻号頁・発行日
vol.80, no.8, pp.29-73, 2007-08

論説一 はじめに二 華電と怒江の水力開発 1 取り残された怒江の開発 2 華電の競争力の増大 3 西部大開発の優遇政策三 華電の利益獲得の動態 1 華電の動きと計画 2 総経理賀恭の雲南省における人脈四 華電による資本投入と地方政府の狙い 1 雲南省の電源開発と「西電東送」 2 怒江州の貧困脱却 3 怒江州政府の動きと役割五 華電と中央官僚部門 1 国家発展改革委員会にとっての怒江開発 2 「環境保護評価法」による国家環境保護総局の権限拡大六 怒江開発をめぐる攻防と手段 1 NGO団体と業界団体の役割 2 シンポジウムの開催 3 現地視察 4 最高指導部や国際機関への嘆願書七 おわりに
著者
小林 秀光 馬場 七草 永田 友美
出版者
九州女子大学・九州女子短期大学
雑誌
九州女子大学紀要. 自然科学編 (ISSN:0916216X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.15-23, 2002-03

病原性酵母Candida catenulata IFO 0745の細胞壁由来のマンノプロテインから、β-脱離反応(100mM NaOH、25℃、18時間処理)によって得られたO-結合型糖鎖の化学構造を同定した。この処理によって、精製マンノブロテインより3種のオリゴ糖(四糖、三糖、二糖)と単糖が遊離した。これらの生成物をBio-Gel P-2を用いたゲル濾過法によって分離精製後、^1H-NMR法で分析したところ、四糖、三糖および二糖は、すべてα結合マンノース残基から構成されるMan α 1-3Man α 1-2Man α 1-2Man、Man α 1-2Man α 1-2ManおよびMan α 1-2Manであり、単糖はD-マンノースであることが明らかになった。