著者
山本 拓弥 久保 満 河田 佳樹 仁木 登 大松 広伸 柿沼 龍太郎 金子 昌弘 森山 紀之 江口 研二 森 清志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MI, 医用画像 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.172, pp.43-48, 2000-07-03
被引用文献数
6

肺がん集団検診で撮影された撮影日時の異なる2つのヘリカルCT画像のスライス差を, 自動的に算出する比較読影システムについて述べる.横隔膜部分は吸気量によって横隔膜の形状が異なるので, 肺形状を用いた従来のスライス差算出アルゴリズムでは横隔膜部を正確に合わせることが困難であった.そこで本研究では肺野領域における血管情報を使ったテンプレートマッチングによるスライス差算出アルゴリズムを作成し, 従来の手法と比較を行い, 有効性を示す
著者
井関 文一 バイガルマ ツァガーン 小畑 秀文 大松 広伸 柿沼 龍太郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.82, no.9, pp.1533-1535, 1999-09-25
被引用文献数
20

本研究では,胸部CT画像から肺野内の血管の3次元木構造を抽出する方法を示す.先に我々が提案した再帰的領域探索法を用いた方法では,必ず探索開始領域を探索に先立って決定する必要がある.今回我々は,肺野内の血管を抽出する際に,心臓から肺野内への血管の侵入部分である肺門部の位置を気管支形状との関係から推測し,肺門部における血管の断面領域を探索開始領域とするアルゴリズムを開発した.更に,このアルゴリズムにより,気管支と同様に血管の自動抽出が可能であることを示す.
著者
山本 拓弥 久保 満 河田 佳樹 仁木 登 大松 広伸 金子 昌弘 柿沼 龍太郎 森山 紀之 江口 研二 森 清志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MI, 医用画像 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.576, pp.77-82, 2003-01-16
被引用文献数
2

我が国の部位別がん死亡率の第一位は肺がんであるため,その死亡率減少を目的とした肺がんCT検診に大きな関心が寄せられている.これは同一被検者の撮影日時が異なる2つのCT画像を用いて比較読影を行い,経過観察することにより早期肺がんの診断をしている.この問題点は,読影の準備と大量の画像を読影することが,専門医に大きな負担となることである.この問題点を解決するため,同一被検者の複時相間の画像データを検索し,対応する画像同士の体軸方向の位置を合わせる処理が必要となる.本研究では集検用CT画像データを用いて,肺容量の経時変化の解析を行い,その結果に基づいて画像位置合わせアルゴリズムを作成,有効性を示す.
著者
山本 拓弥 久保 満 河田 佳樹 仁木 登 大松 広伸 柿沼 龍太郎 江口 研二 森 清志 金子 昌弘 森山 紀之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MI, 医用画像 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.213, pp.13-18, 2003-07-11
被引用文献数
2

我が国の部位別がん死亡率の第一位は肺がんであるため,その死亡率の減少を目的とした肺がんCT検診に大きな関心が寄せられている.これは同一被検者の経時CT画像を用いて経過観察することにより比較読影を行い,早期肺がんの診断をしている.この問題点は,読影のための準備と大量の画像を読影することが,読影医師に大きな負担となることである.そこで効率良く比較読影が行えるシステムの開発が望まれている.本研究では肺容量の経時変化の結果を解析し,その結果を元に構築した比較読影用位置合わせアルゴリズムを提案する.解析結果から,肺血管情報を基準としたテンプレートマッチングによる位置合わせアルゴリズムを構築し実験を行う.
著者
江口 研二 足立 秀治 池田 徳彦 柿沼 龍太郎 金子 昌弘 楠 洋子 佐川 元保 鈴木 隆一郎 早田 宏 祖父江 友孝 曽根 脩輔 高橋 里美 塚田 裕子 中川 徹 中林 武仁 中山 富雄 西井 研治 西山 祥行 原田 真雄 丸山 雄一郎 三澤 順
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.43, no.7, pp.985-992, 2003-12-30
被引用文献数
1 1

・低線量CT肺癌検診を実施することにより,非受診者群に比較して,受診者群の肺癌による死亡を有意に減少させるという成績は現在まで証明されていない.・低線量CT肺癌検診は,高危険群および非高危険群に対して,胸部写真による検診よりも末梢小型肺癌(腺癌)をより多く発見し,発見肺癌の6〜8割は病期I期肺癌である.・低線量CT肺癌検診では,受診者の被曝リスクを低減させるために,撮影条件,画像描出条件など読影環境を整備することが必要である.・低線量CT肺癌検診は,他のがん検診と同様に,検診の運営に際して,精度管理とその維持が必要である.・低線量CT肺癌検診の受診者には,検診一般の説明だけでなく,現状でCT検診の有用性に関するエビデンスの内容および想定される有害事象を含めて,説明と同意(インフォームドコンセント)を行うべきである.・医療経済学的な面も併せて,低線量CT肺癌検診の至適なあり方を確立するためには,解析可能な精度の高い実績を集積する必要がある.・本稿の低線量CT肺癌検診のあり方については現行の自治体検診時のCT検診,職域検診のみならず,人間ドックでのCT検診も念頭に置いたものである.