著者
外間 ゆき 桂 正子 東盛 キヨ子 金城 須美子 宮城 節子 尚 弘子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.331-336, 1987-12-20
被引用文献数
1

琉球料理における豚肉の部位別加熱調理による脂質成分の変動について実験を行い、次のような結果を得た。1. 豚肉各部位の廃棄率は骨付きの豚足で最も大きく、次に肺臓、腎臓の順で大きかった。2. 加熱調理による重量変化値は筋肉組織で高く、皮部と結合組織の大きい部位では低かった。3. 一般成分は生肉に比べて調理肉では概して水分パーセントが減少し、たんぱく質の割合は増加した。脂質は肋骨肉、胃腸でその割合の減少がみられた。4. 総コレステロールは内臓に多量に含まれていた。5. 加熱調理による脂質量と総コレステロール量間の変動は正の相関が高く、p<0.01で有意であった。6. 皮付き三枚肉の長時間加熱による脂質量の経時変化では加熱初期の30分で4%、その後徐々に減少し4時間加熱で15%減少した。さらに調味加熱することで減少率は高くなった。7. 琉球料理における豚肉料理では、長時間加熱を行うことで脂質成分の減少の高いことが明らかになった。
著者
外間 ゆき 新垣 博子 尚 弘子 宮城 節子 桂 正子 金城 須美子 東盛 キヨ子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.145-153, 1980-04-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
14

In an attempt to assess the actual condition of everyday food taken by the people in Okinawa during the period covering from the late Meiji through the early Taisho eras, the following two approaches were taken; (1) A survey of existing old literatures, (2) Fact-finding interviews with 72 persons of old ages. The main findings of our studies are as follows : 1) From the survey of literatures, it was judged that the food intakes of the ordinary people during the late Meiji era were very poor and meager.2) The physical measurement of school children were below the national norms and the difference became larger as the age progressed, and the children as a group showed a body type with a relatively bigger chest measurement compared with the height.3) The production of the sweet-potatoes being predominant, the typical meal regardless of the time of meals during the day consisted of a simple combination of boild sweet-potatoes and soup. Sweet potatoes, which were suited as supplementary diet, were also taken as between-meal snack. Production of soy-bean was relatively high and the home-made Tofu was an important source of protein. Among the main vegetables were sweet-potato leaves, towel gourd, balsam pear, etc. and such wild vegetables as Yomogi, Nigana, Nobiru etc. They were used in soup, cooked, fried or dressed food.4) The main preserved foods included black sugar-pickles, dried bean leaves, salted pork, salted fishes, etc. Tofuyo was cited as an unusual food characteristic to this part of Japan.

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著者
桂 正子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.314-322, 1996-11-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
44
著者
外間 ゆき 東盛 キヨ子 金城 須美子 桂 正子 宮城 節子 尚 弘子 福田 亘博 知念 功 玉那覇 直
出版者
琉球大学
雑誌
一般研究(A)
巻号頁・発行日
1985

1.研究目的 昭和60年ー63年度の4年間、沖縄の長寿者の食生活と生活状況について聞き取り調査を行ない、その利用食品の中から特徴のあるものの食品分析と動物実験による生理的効果を検証して、長寿と食生活との関係を考察することを目的とした。2.方法 (1)聞き取り調査は80歳又は85歳以上、総数168人、本部町・与那城村・知念村・那霸市・粟国村・伊江村・伊是名村の7地区で家族構成、日常生活、食生活、栄養素・食品摂取、身体状況について行った。(2)食品分析は豚肉、海藻、味噌の一般成分、微量成分について行った。(3)動物実験は豚肉料理、海藻、茶を飼料として脂質代謝への影響をみた。3.結果 沖縄の長寿者達は転居が殆んどなく、持ち家率が95%と高く三世代同居が多く、家族にも長寿者が多かった。日常生活においては睡眠を充分とり、軽労又は運動を積極的に継続し、精神的なゆとりを持つよう心がけ、食事は一日三食、腹八分を心がけ、過度の飲酒、喫煙をつつしんでいた。栄養素摂取率では所要量に対し、エネルギーは80ー86%、たんぱく質は73ー81%でビタミンAとビタミンCは100%を超えて摂取していた。食品群別摂取量は穀類、野菜類、大豆製品、魚介類の順に多かった。穀類エネルギー比は50ー53%で脂肪エネルギー比は25ー26%であった。豚肉料理志向は強い。ゆでこぼし、あく取りを行う長時間加熱調理によって豚肉の脂質、コレステロール量は減少した。脂肪酸組成はパルミチン酸、オレイン酸、リノール酸が主であった。動物実験により"アシティビチ","中身の吸物"には脂質代謝改善効果のあることがわかった。ひとえぐさはβーカロチン、ビタミンCを含み抗酸化性が期待され、おごのりには脂質代謝改善効果が期待される。そら豆及びそてつ味噌のアミノ酸組成は普通味噌に比べて劣らなかった。香片茶にも脂質代謝改善効果が期待される結果を得た。
著者
東盛 キヨ子 桂 正子 外間 ゆき Higashimori Kiyoko Katura Masako Hokama Yuki
出版者
琉球大学教育学部
雑誌
琉球大学教育学部紀要 第一部・第二部 (ISSN:03865738)
巻号頁・発行日
no.54, pp.583-590, 1999-03

We conducted a survey into the health awareness and food consumption practices of the people of Thailand. We researched the specific food products thought to have medicinal value, and concurrently, conducted a survey into awareness of the medicinal efficacy of these foodstuffs. The results are as compiled below.1. Over 58% of those surveyed, indicated they believed they were in normal good health. About 32% felt they were overweight.2. Only 44% said they took three regular meals each day. 19% said they did not eat regularly.3. Foodstuffs considered to have medicinal properties included papaya, mushroom varieties, celery, bitter melon, garlic, lemon grass, most of wich are readily available in Okinawa. The favored culinary treatment was in soups.4. Those who believed in the medicinal value tended to be elderly. Over 83% of the femals respondents hoped to pass on the information on medicinal values to their children and grandchildren.薬理効果のあるとされる食品材料の発掘を行い、その成人病予防因子についての科学的立証のための基礎資料を得る目的で、タイの人々の健康に対する意識、養生食に対する意識および薬理効果のあるとされる食品材料の利用状況についてのアンケート調査を行い、次の結果を得た。1)調査対象者の58%は自分はふだん健康だと感じており、約32%は太っているほうだと思うと答えた。2)約77%の人が生活習慣病は食事に気を付けると予防できると答え、その割合は年齢が高くなるにつれて多くなっていた。養生食の効果を信じると答えたのは約34%で、どちらとも言えないは約54%であった。養生食について家族から聞いたことがあると答えたのは三世代家族の方で多く、約71%は子や孫に伝えたいと思うと答えていた。3)薬理効果のあるとされる食品材料として、高血圧症にセロリー、ファーターライチョーン、糖尿病ににがうり、チークの木、ニガニガグサなど、腎臓病にマツカサバレリヤ、にんにくなど、がんにきのこ類、にんにく、チークの葉など、便秘にパパイア、エビスグサモドキなどが挙げられていた。4)薬理効果のある食品や薬草の調理手法には汁物(煎じものを含む)が多く用いられている。