著者
森 太郎 定池 祐季 桑原 浩平 草苅 敏夫 南 慎一 竹内 慎一
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.22, no.52, pp.1021-1026, 2016 (Released:2016-10-20)
参考文献数
15
被引用文献数
1 3

Generally, local residents are warned to evacuate to evacuation facilities such as schools, gymnasiums, and community centers, when a disaster occurred or is predicted to occur. However, there are not many investigations about thermal environment of those facilities under severe cold weather. In this report, we report the results of questionnaire for the thermal environment of housings under large-scale power failures in winter. Moreover, we investigated the thermal environment of evacuation facilities during disaster drills in severe weather. The results indicate that the thermal environments of gymnasiums are very severe, especially if it does not have enough thermal insulation.
著者
窪田 英樹 桑原 浩平 濱田 靖弘 中村 真人 中谷 則天 雨宮 智史
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会 論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
vol.33, no.137, pp.9-17, 2008-08-05 (Released:2017-09-05)
参考文献数
20
被引用文献数
2

暑い環境では汗が滴り落ちる無効発汗現象が見られる.ぬれた人体表面からの蒸発密度よりも発汗密度が大きいときに皮膚表面に残留する汗量が発生し裸の時は体から滴り落ちて無効発汗となる.着衣時には,この残留汗量の一部が着衣を濡らし,結果的に人体表面で蒸発する汗の量を増加させる.本論文は,着衣の一部がぬれることにより有効発汗が増加する現象を有効発汗増加率なる概念を導入して人体表面における熱収支式に組み込み,人体の平均皮膚表面温度の予測を可能にしたものである.被験者実験を行い,着衣のぬれと残留汗量との関連を確認し,平均皮膚温の理論的予測値が実測値とよく一致することを確認した.
著者
近藤 基 持田 徹 桑原 浩平 長野 克則
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会 論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.81, pp.1-9, 2001-04-25 (Released:2017-09-05)
参考文献数
6

快適な都市空間づくりが主要なテーマとなってきた現在,都市の熱環境が人の温冷感に及ぼす影響を正しく評価することも重要である.その評価のための温熱指標確立のための要素は種々であるが,屋外環境では,特に,日射の影響が地物での反射も含めて大きい.そこで,本研究では,多重放射を考慮して,日射と建物など地物の影響を組み入れた平均放射温度の導出を試み,その評価法として提案する.また,多重放射の影響については,射度と本研究で定義するIncidence Factorにより考慮し,それぞれによる平均放射温度を導出し,その特性について検討する.
著者
持田 徹 垣鍔 直 堀越 哲美 桑原 浩平 窪田 英樹 松原 斎樹 くわ原 浩平
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

世界の二大指標であるISO-7730のPMV指標と,ASHRAE(米国暖冷房空調学会)の基準であるSET^*指標の長所・短所を整理した。そして,平均皮膚温およびぬれ面積率と心理量の関係を,熱伝達論および人体の温熱生理特性から検討し,椅座の被験者実験の結果から,新しい温冷感の評価法を提案した(持田・桑原・窪田・長野)。また,屋外における夏服と冬服の着用実験から,著者らが提案した日射の影響を組み込んだSET^*が屋外においても適用可能であることを確認すると共に,屋外熱環境評価のための新しい温熱指標として予想温冷感ETSを開発した。札幌・名古屋での温冷感・快適感申告データから,SET^*の温冷感中立域・快適域を決定した(桑原・堀越・持田)。汗による水分吸収により着衣の電気抵抗が変化すると考え,着衣面の電気抵抗を測定することにより吸汗量を推定する方法を実験により検討した。また同方法を用い,軽装時において,冬期と夏期に40℃に曝露したときの胸部,上腕部,大腿部の局所の放熱過程を測定した結果,皮膚面の受熱量は着衣の表面温度が低下し始めてから,冬期の実測では約10分,夏期の実測では約6分遅れて低下することを確かめた。(垣鍔)。さらに,人体と環境との対流熱交換量を正確に算定するために,椅座・立位時の対流に関与しない面積(非対流伝熱面積)の実測を行った。姿勢による部位別の対流伝熱面積の違いを明確にし,対流伝熱面積を考慮した立位と椅座時の平均皮膚温算出用の重み係数を提案した。全体表面積に比し,対流伝熱面積が小さいほどHardy-DuBoisの平均皮膚温との差が大きいという姿勢に依存する特性を示した(松原)。
著者
桑原 浩平
出版者
名古屋工業大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2002

平成15年度は,まず屋外環境において,人体の体感温に影響を及ぼす環境要素を探るために,修正湿り作用温度を用いた屋外温熱環境の評価を行った。修正湿り作用温度は,気温・湿度・放射・風速が人体に及ぼす影響を個別に表示することが出来るという利点がある。その結果,夏や秋においては,日射を含む放射の影響を強く受け,冬においては,風速の影響を強く受けていることが明らかとなった。次に,日射を考慮したSET^*や予想温冷感ETSが暑熱環境において有効であるか否かを検討するために,名古屋の屋外空間において被験者実験を行った。実験結果から,SET^*は名古屋のような暑熱地域においても温冷感の評価に有効であったが,ETSは札幌の被験者実験を基に作られた指標であるため,名古屋においては,特に寒いと申告する側において計算値と申告値に差が見られた。また,これまでは屋外温熱環境の評価に関しては主に温熱指標と温冷感との対応を見るのが主であったが,今年度は温熱指標と快適感に関する検討も行った。これまでに行われた,札幌と名古屋の屋外空間における被験者実験データから,SET^*と中立温冷感,快適感との関係を明らかにした。分析結果から,屋外環境におけるSET^*に対する中立温冷感域として15.7〜25℃が,快適側申告域として17.8〜24℃が得られた。さらに,ETSと快適感の関係を実験データから回帰したところ,80%以上の人が快適であるというETSの範囲は見られなかったものの,-1.0(少し涼しい)<ETS<+1.0(少し暖かい)の範囲内で70%弱の人が快適と感じるとの結果を得た。最後に,人体のどの部位が全身の温冷感に影響を及ぼすかを検討したところ,頭部は季節に関係なく全身の温冷感とよく一致し,他の部位においては,季節を通じて露出部位の影響を受けやすいことが確認された。
著者
桑原 浩平 窪田 英樹 濱田 靖弘 中村 真人 長野 克則 池田 光毅 林健 太郎
出版者
北海道大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

個人差(心肺能力,暑熱順化)が生理量に及ぼす影響を既往の研究データと被験者実験により検討した。暑熱環境における直腸温を,作業強度起因の直腸温と暑さ起因の直腸温の増分として定義し,個人の心肺能力(最大酸素摂取量)を考慮することを可能にした。次に暑熱順化が発汗量および着衣のぬれに及ぼす影響について検討し,平均皮膚温36℃を境に暑熱順化前後の発汗量と着衣のぬれの特性に差が見られた。
著者
桑原 浩平 窪田 英樹 濱田 靖弘 中村 真人 長野 克則 池田 光毅 谷地 誠 南沢 慶一
出版者
北海道大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

芝生や路上で気候要素の垂直分布(50, 100, 150cm)の測定を行なった。50cmの気温と環境グローブ温(長波放射のみ考慮)は150cmよりも高いが,気温と環境グローブ温はほぼ等しいため,環境グローブ温の垂直分布は長波長放射よりも気温の影響が大きい。また吸汗速乾素材と綿素材の衣服が生理心理反応に及ぼす影響を評価するために被験者実験を行った。速乾素材の方が汗による着衣重量増加量は有意に少なかったが,平均皮膚温や不快感には有意な差が見られなかった。