著者
窪田 英樹 桑原 浩平 濱田 靖弘 中村 真人 中谷 則天 雨宮 智史
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会 論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
vol.33, no.137, pp.9-17, 2008-08-05 (Released:2017-09-05)
参考文献数
20
被引用文献数
2

暑い環境では汗が滴り落ちる無効発汗現象が見られる.ぬれた人体表面からの蒸発密度よりも発汗密度が大きいときに皮膚表面に残留する汗量が発生し裸の時は体から滴り落ちて無効発汗となる.着衣時には,この残留汗量の一部が着衣を濡らし,結果的に人体表面で蒸発する汗の量を増加させる.本論文は,着衣の一部がぬれることにより有効発汗が増加する現象を有効発汗増加率なる概念を導入して人体表面における熱収支式に組み込み,人体の平均皮膚表面温度の予測を可能にしたものである.被験者実験を行い,着衣のぬれと残留汗量との関連を確認し,平均皮膚温の理論的予測値が実測値とよく一致することを確認した.
著者
武田 清賢 濱田 靖弘 本間 富士夫 小川 まどか 佐藤 博紀 花野 翔眞 板野 愉朋 熊本 功 佐藤 英男 相馬 英明 佐伯 英樹
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.73-77, 2016

<p>This study aims to develop an operation control method for residential CHP (Combined Heat and Power) systems with BD (Buffer Device) and PV (Photovoltaics). Energy saving and operation properties of SH (Smart House) were analyzed through demonstration experiments.</p>
著者
矢崎 稜馬 赤井 仁志 濱田 靖弘 土山 紘平
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 令和元年度大会(札幌)学術講演論文集 第1巻 給排水・衛生 編 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.29-32, 2019 (Released:2020-10-31)

建築設備分野の民間の自主基準の中で、『内線規程』は広く活用されているに対して、SHASE’s Pluming Codeは知られていない。この原因を探った。 SHASE standardのSHASE’s Pluming Code独自の「再使用の禁止」の概念を、法律で規制されているクロスコネクションに置き換えて、システムの違反を判断するような方法を提案する。
著者
山崎 慶太 桒原 浩平 染谷 俊介 濱田 靖弘 小林 宏一郎
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.85, no.771, pp.351-360, 2020 (Released:2020-05-30)
参考文献数
20
被引用文献数
1 1

To obtain basic data for prevention of heat stroke during construction work in a hot environment, we analyzed the effects of wearing ventilated work wear (VWW) and water intake (RWI). First, experiments were carried out with nine male form workers in an artificial climate chamber (AC) at 34°C. Second, measurements were carried out with four male form workers and one male rebar placer at an outside construction site (CS) for four days in August 2017. It was carried out from 8:00 to 17:00 and was divided into four shifts split up by breaks as follows: 8:00 to 10:00, 10:30 to 12:00, 13:00 to 15:00; and 15:30 to 17:00. Activity amount (ACT) was continuously measured. WBGT was measured in the CS. The sweat rate (SR), the rate of naked body weight loss (RBWL, only in the AC), body weight loss while fully clothed (RBWLC), and RWI were each measured and calculated as the difference between the values before and after work per unit time. Evaporation rate (ER) was defined as the sum of RBWLC and RWI. SR in the CS was estimated from the ER by using the regression equation between ER and SR in the AC data. In the AC experiment, the SR during work was constant and RBWL was negatively correlated with RWI, those were statistically significant, regardless of whether the workers wore VWW. The RWI and SR of workers not wearing VWW were significantly higher than those of workers wearing VWW. RWI increased significantly and RBWL decreased as ACT increased. This is the reason that RBWL was negatively correlated with the RWI in the AC. In the CS experiments, the SR of workers not wearing VWW increased significantly as WBGT increased, but the RWI did not change significantly; as a result, RBWL increased significantly with WBGT. The SR of individuals wearing VWW, which was lower than that of those not wearing VWW, remained almost constant with increasing WBGT, whereas RWI did not increase with WBGT. As expected from these results, RBWL remained constant as WBGT increased and was consistently lower than that of workers not wearing VWW. The ER of works in the CS was significantly higher than that of those in the AC due to the difference between the averaged ACT in the AC (1.8 Mets) and CS (2.4 Mets). In the CS experiments, we estimated the dewatering ratio (DR) by body weight loss while fully clothed (BWLC), since BWL was not measured. The fluctuation during working shifts of BWLC and DR of workers was compared between those wearing and those not wearing VWW on hot two days. In the shifts, the BWLC of workers not wearing VWW was significantly higher than that of those wearing VWW. Furthermore, in the breaks between shifts, the amount of water recovered by workers not wearing VWW was significantly lower than that of those wearing VWW. As a result, after the last shift, the average DR (2.03) of workers not wearing VWW was higher than that of those wearing VWW (1.53). We supposed there is a limit to the amount of water that workers in a construction site can drink. Thus, we verified that, in the CS setting, RBWL increased with increasing WBGT mainly due to insufficient RWI, but could be partly decreased by using VWW, which decreased the SR.
著者
森 太郎 村松 昂樹 羽山 広文 石垣 祐里奈 濱田 靖弘
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.81-84, 2019

<p>2018/9/6に発生した北海道胆振東部地震は最大震度7を厚真町鹿沼で記録し,札幌市内でも多くの箇所で震度5強,6弱が記録されている.震源に近い厚真町では土砂崩れによって36名の方が亡くなっており,倒壊した家屋も多い.また,液状化現象が多数発生しており,液状化によって被害を受けた住戸は震源から距離のある札幌市において多い.さらに,北海道内のほぼ全域で電力供給がとまってしまう,ブラックアウトが発生した.本報告では北海道胆振東部地震における住宅に関する建築設備,環境性能の被害実態について報告する.</p>
著者
坂本 鷹彦 濱田 靖弘 本間 富士夫 高市 圭佑 佐藤 博紀 板野 愉朋 武田 清賢 熊本 功 佐藤 英男 相馬 英明 佐伯 英樹
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.77-80, 2016

<p>This study aims to develop the operation control method for residential CHP (Combined Heat and Power) systems with BD (Buffer Device) and PV (Photovoltaics). Simulation results of Smart House were evaluated by comparing PEFC to PEFC with Hybrid BD.</p>
著者
栞原 浩平 谷 地誠 窪田 英樹 濱田 靖弘 中村 真人 長野 克則
出版者
人間-生活環境系学会
雑誌
人間-生活環境系シンポジウム報告集
巻号頁・発行日
vol.36, pp.229-232, 2012-11-21

100%綿Tシャツ,100%ポリエステルTシャツ,40%ポリエステル/60%綿混紡ズボンの近赤外光および可視光の透過率と反射率を屋外日射環境下にて実測した。近赤外光域(800~2800nm)の透過率・反射率はIRフィルターで日射計を覆うことにより測定した。3つの生地の平均近赤外光反射率は0.61,平均近赤外光透過率は0.28,平均近赤外光吸収率は0.11であり,近赤外光の透過率,反射率,吸収率は色に依存せず素材によりほぼ一定値を取ることが示された。衣服,皮膚表面の正味の近赤外光,可視光吸収率を考慮した日射作用温度の式を提案した。
著者
横山 真太郎 角田 直人 富樫 貴子 濱田 靖弘 中村 真人 落藤 澄
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.78, pp.1-8, 2000-07-25
被引用文献数
5

部位別特性を考慮した生体内温度予測プログラムの開発のために,皮膚血流量調節の数理モデルを検討した.モデル式は,生理学的知見に基づき,視床下部温および平均皮膚温の各セットポイントからの変位を入力因子とする線形モデルを採用し,さらに部位別特性を表す血流変化量相対比を式中に導入することによって精度向上を図った.提案した数理モデル式を生体内温度予測プログラムに組み込むことにより,生体内温度に与える血流量調節の効果をシミュレーションによって定量的に示し,その有効性を明らかにした.
著者
長野 克則 横山 真太郎 濱田 靖弘 絵内 正道 藤田 巧
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

(1)調湿材料の選択とその吸放湿特性:種々の天然調湿材料を比較検討した結果、価格対調湿効果の点で、稚内層珪質頁岩が優れた特性を有することがわかり、この稚内層珪質頁岩を建材や塗料に混入させた場合の静的および動的特性について実験的に明らかにした。(2)調湿機能を有する内装材を設置した実証実験:床面積7.5m^2の部屋の内壁23.2m^2部分に、稚内層珪質頁岩を1.92kg/m^2含有する石膏ボードを設置した場合と、普通石膏ボード表面に稚内層珪質頁岩を0.68kg/m^2含有する人工漆喰を塗布した場合について、日単位で加湿、除湿を繰り返した時のパッシブ調湿作用について検討した結果、両条件とも普通石膏ボード仕上げの場合に比べて、顕著な調湿作用を示した。(3)室内調湿効果予測のためのシミュレーターの開発:室内仕上げ材に調湿機能を持つ建材を導入した時の室内湿度を予測するシミュレーターを開発した。調湿建材の使用により、たとえば東京では梅雨時期にかび発生の危険域と言われる相対湿度90%以上となる時間を10分の一以下に減少できることが示された。(4)各種ガス吸着、調湿作用がある物質のVOC吸着・脱着特性に関する実験的検討:容量20Lの密閉チャンバー内を一定温湿度に保ち、トルエン、アセトアルデヒド、標準VOC7成分のそれぞれに対して稚内層珪質頁岩の吸着量を測定した。いずれのガスに対しても、稚内層珪質頁岩は活性炭とほぼ同等の吸着性能を持つことがわかった。一方、高温・低湿度環境下において、一度吸着したガスの脱着について測定したところ、アセトアルデヒドに関しては明らかに脱着が確認されたものの、トルエン、VOC7成分に関しては活性炭と同様に脱着は見られなかった。さらに、悪臭成分のアンモニアに対する最大吸着量を調べた結果、高い吸湿性能を有する稚内層珪質頁岩は水溶性のアンモニアの吸着に優れており、最大吸着量は活性炭の30倍以上となることが明らかにされた。
著者
濱田 靖弘
出版者
北海道大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1996

本研究は,主要地域が豊平川扇状地に位置している札幌に適したエネルギーシステムとして,扇状地特有の河川伏流水を用いた暖冷房システムの構築の可能性を検討するものであり,研究実施計画に基づいて本年度得られた主たる研究成果は以下の通りである.1.札幌における既存の地下水観測井戸における測定値の収集及び整理を行い,札幌扇状地の不圧地下水流動系の広域的な把握を行った結果,札幌は広範囲にわたって,極めて豊富な高流速の伏流水が存在する可能性が高いことが示唆された.2.地下熱利用のための基礎資料の作成を目的として,地中温度・不圧地下水位等の長期定点測定を実施した.地中温度の測定は,過去に例の少ない不易層到達深度にて行われ,不圧地下水位の変動特性及び不易層温度に関するデータベースを構築した.3.熱水分同時移動,粘性圧縮現象による積雪の変成過程,凍結・融解現象を考慮した積雪寒冷地に適用可能な地中温度シミュレーターを作成し,実測値との比較を行った結果,地中温度,積雪深等の計算値は,実測値を比較的良く再現することを示した.4.扇状地の伏流水を利用した暖冷房システムの設計フローを構築するとともに,伏流水の影響を考慮した地中熱交換器の熱解析モデルを作成し,地下水の流速,凍土形成,土壌の熱伝導率等の要因が採熱量に及ばす影響を示した.以上により,札幌扇状地の伏流水の広域的な流動系,地中熱環境に関するデータベースが構築され,暖冷房のための地中熱交換器の敷設規模の原単位が札幌について明らかになった.
著者
桑原 浩平 窪田 英樹 濱田 靖弘 中村 真人 長野 克則 池田 光毅 林健 太郎
出版者
北海道大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

個人差(心肺能力,暑熱順化)が生理量に及ぼす影響を既往の研究データと被験者実験により検討した。暑熱環境における直腸温を,作業強度起因の直腸温と暑さ起因の直腸温の増分として定義し,個人の心肺能力(最大酸素摂取量)を考慮することを可能にした。次に暑熱順化が発汗量および着衣のぬれに及ぼす影響について検討し,平均皮膚温36℃を境に暑熱順化前後の発汗量と着衣のぬれの特性に差が見られた。
著者
桑原 浩平 窪田 英樹 濱田 靖弘 中村 真人 長野 克則 池田 光毅 谷地 誠 南沢 慶一
出版者
北海道大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

芝生や路上で気候要素の垂直分布(50, 100, 150cm)の測定を行なった。50cmの気温と環境グローブ温(長波放射のみ考慮)は150cmよりも高いが,気温と環境グローブ温はほぼ等しいため,環境グローブ温の垂直分布は長波長放射よりも気温の影響が大きい。また吸汗速乾素材と綿素材の衣服が生理心理反応に及ぼす影響を評価するために被験者実験を行った。速乾素材の方が汗による着衣重量増加量は有意に少なかったが,平均皮膚温や不快感には有意な差が見られなかった。