著者
川崎 秀明 喜納 敏男 染谷 健司
出版者
Japan Society of Dam Engineers
雑誌
ダム工学 (ISSN:09173145)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.219-229, 2001-09-15 (Released:2010-04-30)
参考文献数
5

従来, ハイダム用魚道は施設規模が大きくなることから実設置が進まなかったが, 新たに「エアリフト魚道」を開発するとともに, 実証実験を行い, 魚道として使用可能であることを確認した。エアリフト魚道とは, 上下池を結ぶ魚送管に圧縮空気を送り込むことでエアリフトによる水流を生み出し, この水流で魚類を上段池に押し出すものである。本論文では, エアリフト魚道の基本原理, 実証実験結果を述べるとともに, 実用化に向けての検討を行ったものである。
著者
大町 達夫
出版者
Japan Society of Dam Engineers
雑誌
ダム工学 (ISSN:09173145)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.138-150, 2000-06-15 (Released:2010-04-30)
参考文献数
10
被引用文献数
1

1999年台湾集集地震 (マグニチュードMw7.5) では, いくつかのダムが被害を受けた。中でも石岡ダムは低角逆断層型地震断層に直撃され, 決壊に至る被害を受けた。本ダムは大甲渓の河口から約25kmに位置し, 1977年に建設された長さ357mの重力式コンクリートダムであり, 18門の洪水吐ゲートと2門の排砂ゲートを備えている。地震断層の食違いにより, ダム本体の右岸側には約7.5mの段差が生じたほか, 左岸にある取水トンネルも約3.5mの段差によって破壊した。日月潭の水社ダムと頭社ダムは, それぞれ30.3m, 19mの高さで, ともにコンクリート中央遮水壁をもつアースダムである。これらのダムにはダム軸方向に数本の亀裂がはいったが大被害には至らなかった。鯉魚潭ダムは高さ96mの中央土質遮水壁型ロックフィルダムであり, 地震により左岸側堤頂取り付け部に約10cmの開口が発生し, 堤体は10cm弱の沈下を示した。
著者
田畑 和寛
出版者
一般社団法人 ダム工学会
雑誌
ダム工学 (ISSN:09173145)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.113-123, 2017-06-15 (Released:2017-06-20)
参考文献数
5

平成27年9月9日~10日にかけて鬼怒川流域において既往最大の降雨量となった「平成27年9月関東・東北豪雨」は,鬼怒川の堤防が決壊するなどの災害により,流域に大きな被害をもたらした。この出水において,鬼怒川上流にある4つの直轄ダム(五十里,川俣,川治,湯西川)では,通常の洪水調節に加え,下流の水位や洪水の状況をみながらできるだけ洪水を貯留し下流放流を絞る操作等を行い,4ダムで約1億m3の流水を貯留することにより下流の洪水被害の軽減に大きく寄与した。
著者
佐藤 道生 柏柳 正之 佐藤 泰明
出版者
一般社団法人 ダム工学会
雑誌
ダム工学 (ISSN:09173145)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.109-119, 2006-06-15 (Released:2008-05-30)
参考文献数
6

沖縄やんばる海水揚水発電所は,海水揚水発電技術の信頼性を確認することを目的に建設された世界初の海水揚水発電所である。本発電所の上部調整池は遮水シートによる表面遮水方式が採用され,平成11年3月から5年間にわたって実施された実証試験において,海洋環境に暴露された遮水シートの物性変化が観察されたほか,耐久性についても検討がなされた。本報告は,実証試験結果のうち上部調整池に適用した遮水シートの耐久性について述べるものである。
著者
渡辺 啓行 ラザビ ダバ ソヘイル 高島 賢二 谷山 尚
出版者
Japan Society of Dam Engineers
雑誌
ダム工学 (ISSN:09173145)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.276-288, 2000

ジョイントの開口による非線形と堤体の材料非線形を考慮した有限要素解析を行い, ダムの地震応答にこれらの非線形性が与える影響を調べた。材料非線形を考慮すると, より大きな永久変位やジョイントの開口が生じる。堤体と基礎間のペリメター沿いのジョイントが開口すると上流面底部で片持ち梁引張応力を解放しクラウンカンチレバー中間高でアーチ圧縮応力が増大する。一方, 片持ち梁間の鉛直ジョイントが開口するとアーチ引張応力が解放されダムは上流下方向に変位し下流面底部で片持ち梁圧縮応力が大きくなる。
著者
大矢 通弘 角 哲也 嘉門 雅史
出版者
Japan Society of Dam Engineers
雑誌
ダム工学 (ISSN:09173145)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.90-106, 2003-06-15 (Released:2010-06-28)
参考文献数
19
被引用文献数
1

ダム堆砂を浚渫や掘削などにより排除し, その土砂をリサイクルすることを考える. ダム堆砂のリサイクルにとってコストが大きな制約条件の一つであるが, これまでコストに関する分析例は少なく, あっても骨材利用に関するものに限定されていた. 本文では, 環境利用も含めたダム堆砂リサイクルのコスト分析を行った. そして, 近年研究が進んでいるPFIやリスク・マネジメントの考え方をダム堆砂リサイクルに初めて適用することにより, ダム堆砂リサイクルの事業可能性を明らかにした. その中で, 貯水池土砂管理の視点に基づいた, 官民合同プロジェクトとしてのダム堆砂リサイクル事業の新たな事業枠組みを提案した.
著者
川島 文治 木村 靖弘 西垣 誠
出版者
一般社団法人 ダム工学会
雑誌
ダム工学 (ISSN:09173145)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.5-20, 2010-03-15 (Released:2011-03-31)
参考文献数
3

八汐ダム調整池では,熱水変質と大規模岩盤クリープが主な生成要因と考えられる高角度の開口割目を主体とする割目のネットワークが形成され,極めて深部まで連続するミズミチが分布する。止水対策に向けて実施した試験グラウチング等の結果,湛水した状態の調整池底部において地下水位以下で注入を実施した場合,注入圧力に加え,セメント粒子の限界沈降速度より大きな浸透流速を活用して,主な開口割目に対して効果的なグラウチングが図られ,減水効果が確認されている。本論文では,このような注入メカニズムに対して定性的な考察を行ったものである。
著者
谷崎 博人 山田 達郎 若崎 富男
出版者
Japan Society of Dam Engineers
雑誌
ダム工学 (ISSN:09173145)
巻号頁・発行日
vol.3, no.12, pp.45-52, 1993

コンクリートダムの建設工事において、ケーブルクレーンを使用する時、コンクリートの運搬・打設作業は、長時間での単純な繰り返し作業のため人為的なミスが発生しやすい。またコンクリート運搬車やバケットと作業員との接触事故の危険性がある。このような問題点を解消するため安全性の確保・作業の省人化による効率化を図るべくトランスファーカの自動運転システムとバケットの遠隔開閉装置を開発した。これにより、従来の方法と同等以上の能力を発揮し、かつ安全性の向上が図れた。

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出版者
ダム工学会
雑誌
ダム工学 (ISSN:09173145)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.337-337, 2001 (Released:2010-04-30)
著者
森 吉昭 島田 保之 幸村 秀樹 高橋 章
出版者
ダム工学会
雑誌
ダム工学 (ISSN:09173145)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.114-123, 1997-06-15 (Released:2010-04-30)

中央遮水壁型ロックフィルダムの各ゾーンのうち堤体の安定性を確保するシェルゾーンには, 要求品質に見合うように自然地山深部の堅硬な岩石を使用している。この材料を採取するためには採石場表層付近の土砂, 軟岩を大量に廃棄する必要があり, ダム工事費増加の要因の一つとなっているため, 重回帰分析手法を用いて廃棄材料の有効活用を図った。本報告は, その検討結果について述べるものである。
著者
二階堂 司 齋藤 源 藤田 光則 青山 裕俊
出版者
ダム工学会
雑誌
ダム工学 (ISSN:09173145)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.152-162, 2003-09-15 (Released:2010-06-28)
参考文献数
4

美利河ダムでは, サクラマス (サケ科サケ属) の降下魚対策のため, ダム湖を迂回するバイパス魚道が計画されている. 魚道上端と河川の接続部には, 河川の水と魚をまとめて取り込み, 余水だけを戻して魚を魚道に誘導する施設が必要であった. 施設計画の技術的課題は, この目的に対して有効な余水吐き形式を設定することと, 魚をできるだけ迷入させない細部条件を設定することであった. 実際の魚を使った現地実験を踏まえて検討した結果, 余水吐き形式は横越流堤による薄層越流方式が有効と判断された. また, 有効な越流水深や横越流堤の形状, および照明の併用など, いくつかの設計条件が得られた.